小さいながら洋風民宿を営んでいますと、食材を主に電気、水道、ガス、温泉、シーツ・枕のクリーニング代など、あれもこれもと一般家庭の何倍ものお金が出ていきます。いただく宿泊料収入は、そのまま次のお客様のための仕入れ代金のお預かり、という実感です。
でも、私どものフロントに落ちるお金が循環して、わずかですがこの小さな町の地域経済を支えて、一助になっていくという感触は心地良いものです。多くの仕入れ先に毎月キチンと支払いを決済できている当たり前の処理も、生きていくためのよいケジメです。
年金を受給しながらペンションの副収入がありますと、出費にあまり神経質にならずにすみます。欲しいものが際限なくあった若い頃と違い、物欲はすでに収まり、モノは身辺に充満していますから、経営が不安視されがちな今どきのペンションは、かえって高齢者向きのこれからの適職かもしれません。そもそも、ペンションとは「年金」が語源ですから、月に30人程度の同期の客を迎える年金受給者のマイペース経営の館になりえます。
昨年暮れから、ボイラー、洗濯機、電話機、コピー機、製氷機、ファンヒーター、塀や漏水箇所の修理など更新期に入ったさまざまな設備にこれでもかという出費が続きましたが、それはまた設備が刷新されたことでもあります。お金が入るのも出るのも忙しい田舎暮らしですが、同年配の都会の友人知人に、夫婦とも10年は若いと囃されます。介護や老人病に縁のないまま田舎で元気に現役を続けていきます。(白石蔵王駐在・渡辺 和夫)
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☆渡辺さんが経営されるペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
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