先頃、地元の小学三・四年生、二十数名と関係者で、遠野市上郷町の佐比内牧野管内の白樺林で樹液採取体験学習がありました。上郷町内でも少子化が進み、昭和三十年代に五百名位いた小学生は、今では八十名弱まで減少して寂しい状況ですが、地元の子供たちに森林との関わりを持ってほしいと、地元の牧野組合と関係者が連携して十数年まえから取り組んでいるものです。
白樺の樹液は、雪の溶けかかった遠野の早春に樹齢30年くらいの木の幹に穴をあけると、無色透明な樹液が溢れてきて、一昼夜もすると20リットルほどが溜まります。この樹液は、ほのかに甘く、さらっとしたさわやかな飲み心地のする液体で、一年のうち、早春の一カ月しか透明な樹液は採取できず、ユーラシア大陸の北方諸国や日本のアイヌの人々に古くから知られた健康的な飲み物として愛されて飲まれてきたそうです。
成分的には果糖・ブドウ糖などのアミノ酸やリンゴ酸などの有機酸、カリウム、亜鉛、マグネシウム、マンガン、鉄、リンなどのミネラルが含まれているそうでして、確かに自然の健康飲料です。子供達も初めての体験に不思議そうにしていましたが、何杯もおかわりするほどの盛況ぶりで、地元の自然に触れ合う良い機会になっています。 (みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)
投稿者プロフィール
- 元JA職員で都市と田舎を結ぶ取り組みを約15年担当者として務め、退職を機にふるさと情報館・みちのく岩手事務所所長として一念発起。民話の宝庫・岩手県遠野市在住にて、地元神社の神主としての顔もある。令和3年よりデジタルを駆使して後方支援していた息子も全面的に加わり情報発信いたします。
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