▲庭園に佇む賢治の像。
岩手県花巻市は宮沢賢治のふるさとで、この度「羅須地人協会(らすちじんきょうかい)」の建物を見学してきました。
同施設は岩手県立花巻農業高等学校の敷地内に宮沢家の別宅(花巻市桜町)にあった建物を花巻農学校同窓会が賢治先生の教えを繋ごうと、この地に移築して管理しているものでした。
賢治先生は農学校の教師をしていましたが「農民との共生」と、ご自分の思想を探求すべく教員を辞めて、農民のための私塾「羅須地人協会」を設立しました。そしてこの建物で農耕自炊をしながら無償で「肥料設計」や「稲作指導」等に奔走するとともに、楽器演奏を楽しむなど、多彩な活動の拠点としたそうです。
建物の入口の横の「下ノ畑二居リマス」と記された黒板が迎えてくれ、中に入ると「風の叉三郎」のモデルになった方が着ていたマントが展示されており、一階の十帖のリビングには、当時の塾の面影と懐かしい写真類、そして、縁側から見える庭園(羅須庭園)と、遠くには賢治先生の銅像が静かな時間を醸し出しています。
おそらく、かの「雨ニモマケズ、風ニモマケズ・・・」の精神が、この施設での活動の柱であったろうと感慨を憶えるのでした。
賢治先生に関わる施設としては「童話村」や「記念館」も近くにありますので、是非お寄り頂きたい処です。
(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)
「羅須地人協会」(〒025-0004 岩手県花巻市葛第1地割1−68)
投稿者プロフィール
- 元JA職員で都市と田舎を結ぶ取り組みを約15年担当者として務め、退職を機にふるさと情報館・みちのく岩手事務所所長として一念発起。民話の宝庫・岩手県遠野市在住にて、地元神社の神主としての顔もある。令和3年よりデジタルを駆使して後方支援していた息子も全面的に加わり情報発信いたします。
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