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岩手◆遠野/早くも十年が過ぎます【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2021年2月22日

▲ラグビーワールドカップを記念したモニュメント。

2011年3月11日午後2時46分に、小生が当時勤務していたJAいわて花巻の遠野支店事務所を大きな揺れが襲いました。天井の蛍光灯は大きく揺れ数本落下し、事務机の引き出しは飛び出し、キャビネットの書類も扉が開き落下しだしました。

通常であれば冷静に揺れが収まるのを待つのですが、さすがに我慢しきれずにヨタヨタと建物の外に飛び出すと、電線が大きく波打ち、駐車している車はボンボンと弾んでいるのです。まもなく発生した大津波が沿岸地区を襲来し、JAの釜石支店、鵜(う)のすまい住居支店、大槌(おおつち)支店を襲いました。

3月のまだまだ寒くて雪も降り、電気も水道も途絶えた夜を不安と共に過ごしながら数日後には「おにぎり」と「お茶」をリュックに詰め、爆弾でも落ちたような煙の立ち上る被災地へ同僚の捜索に勇気を振り絞って何日も通ったのでした。

現在、嵩上げされた鵜住居支店の跡地は釜石市の慰霊公園になって犠牲者の名が刻まれた銘板が建てられ、JR鵜住居駅には、ラグビーワールドカップを記念したモニュメントが立ち人々の往来を見ていますが、決して犠牲になった同僚の面影を忘れられません。心の復興はまだまだですね。(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

▲犠牲者の名が刻まれた銘板。

▲訪れる人が絶えることはありません。

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投稿者プロフィール

みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 
みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 ふるさと情報館・みちのく岩手事務所 所長・スタッフ
元JA職員で都市と田舎を結ぶ取り組みを約15年担当者として務め、退職を機にふるさと情報館・みちのく岩手事務所所長として一念発起。民話の宝庫・岩手県遠野市在住にて、地元神社の神主としての顔もある。令和3年よりデジタルを駆使して後方支援していた息子も全面的に加わり情報発信いたします。