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岡留恒健さん(山梨県北杜市)の本が出版されました【田園ライブラリー】

この記事の投稿者: 広報

2021年1月20日

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元国際線パイロットの岡留恒健さんは、数々の国際舞台での活躍の後、18年前、妻とともに八ヶ岳山麓に移り住んだが、昨年、妻が他界。今年、その妻への想いを「命に善いものは美しい」と題し本にした(現代企画室 定価1600円 税別)。

その田舎暮らしは、夫が再度のエベレスト挑戦を諦めるなら、との交換条件で妻の同意を得て実現したものだったが、その頃、妻がアルツハイマー病を発症する。自然豊かな地での暮らしは、進行していく妻の病との闘いの日々となった。しかし、やがて妻は自然の中で生きる悦びに気づき、感謝の日々を送るようになる。

その力となったもの、それがこの本のテーマである。

さらに、著者は、パイロット時代に空から地球環境劣化を実感し危機感を覚えて以来、文献をつぶさにあたって本を著し強く訴えてきたが、それをここで「付記」として凝縮し、平易な文にしてより強く訴えかける。待ったなしの危機感。読めばきっと納得する。環境の劣化を少しでも少なくしてこの地球を続く命たちに渡したい、との、著者の「循環と連帯」の思想が込められている。

付記には、妻の介護の中で巡らせた福祉に関する考察も。理想郷にあってもいずれは訪れる老、病、死。それにいかに対処するか、妻の介護の中で巡らせた福祉に関する考察も、福祉先進国スウェーデンとの比較で興味深く、わかりやすい。(文:三星喜代子)

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岡留恒健(おかどめ こうけん)
1934年、福岡県福岡市に生まれる。1956年~1957年、テニスのデビスカップ日本代表。慶應義塾大学卒業。日本航空に地上職で入社、5年後に熱望し操縦士に転向、機長。約30年、日本航空を通じてユニセフ普及に従事。日本ユニセフ評議員、夢みるこども基金理事などを勤める(現在は退任)。1986年、エベレスト登山、酸素ボンベは不使用。現在、山梨県北杜市に住む。