8月中旬。東の空が明るくなる、畑に急ぐため、いつものように目が覚めます。しばらく聞かなかったヒューイという寂しげな鵺(ヌエ)、トラツグミの鳴き声に気づいて窓をあけると、蔵王の涼気がどっと流れ込んできます。
外気温は19度、今年の酷暑騒ぎには充分な気温ですが、高原の夏の朝であればもう少し冷気が欲しいところです。20年前の清里の夏の家は標高が1100メートルでしたから、500メートルのここではこんなものか、と身支度していると、ウグイスが鳴き、一番手のリードでヒグラシたちの大合唱が始まります。
沢の渓流のささやきに、カラスの甲高い声、ミズナラの梢にはシジュウカラ、ホトトギスをはじめ、多くの野鳥の囀りなど、季節が混然とした音のシャワーに包まれて朝が来ます。
陽が森から顔をだす7時には暑さを避けて農作業を終え、ペンションに戻ります。友人知人やお客様から
「ここでのあなたの暮らし方が理想的な老後の送り方だよ」
と、もう何年も前からよく囃されてきましたが、連日流された前例のない猛暑のニュースの量に、蔵王のペンションへの移住を選べた20年前の幸運を、しみじみと妻と確かめ合うこのごろです。
温暖化の気候変動が北にすすみ、宮城県あたりが日本の標準的な気候になっていくような気がします。人生100年時代。長い長い高齢期は快適な生活環境を維持しやすい地方暮らしを東北南部にみつけて欲しいですね。
(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)
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