▲ペンション村の憩いの場「お花畑」。
長野県茅野市の蓼科高原にある日本一の標高を誇るペンション村「ピラタスの丘」のペンション経営者らでつくる組合が、憩いの場「お花畑」を復活させ、地元住民、市民、観光客、移住者の交流の機会を創出しようと動き出した。
市街地に住む市民らと一緒に活動を重ねながら同地域のファンを増やし、移住希望者、観光客らと交流の輪を広げ、人を呼び込む好循環を生み出したい考えだ。
▲お花畑から茅野市街地を望む。
お花畑は、ピラタスの丘の象徴であり、眼下には茅野市街地の全景、遠くには日本三大アルプスの壮大な景色が広がります。その景観は今も健在だが、お花畑は荒廃してしまった。
20年程前は、お花畑にはニッコウキスゲやヤナギランが咲き誇り、訪れる人々や宿泊客を楽しませていましたが、鹿の食害が進み、対策を打とうにも住人の高齢化により体力的に作業が厳しく、維持が困難になっていった。
現在、組合員は17名で、平均年齢は72・3歳。若手もいるものの、80代のペンション経営者もいます。
さらに、ペンションは、廃業し個人の別荘として利用している人など、組合員でない住民とのつながりも以前よりは疎遠になりつつある状況。
▲水沼組合長は、自身のペンションの体験ツアーにて宿泊客と登山もする。
同組合の水沼昇組合長は「このままでは5年後にはピラタスの丘の魅力を維持することが難しくなるかもしれない」との危機感を抱き、再生に向けた行動を始めました。
市の支援事業を活用し、草刈りや支障木の伐採などの作業をイベント化して県内外からの参加者を呼び込む工夫を盛り込む。
▲住民との清掃活動後、お花畑での昼食の様子。
例えば、作業参加者にはピラタスの丘の施設やロープウェイで利用できる割引クーポン券を配布し、作業終了後には懇親会を開いたりし、お花見会やサマーキャンプ、山菜・きのこ狩りなど、季節に合わせたイベントも計画中との事。
また、伐採した木を利用してベンチや山々の案内板、花の植栽などの整備を行い、省資源化へ貢献することで、SDGsの取り組みも行う。
水沼昇組合長は「ピラタスの丘の再生には街と山のコラボレーションが欠かせない。すぐには結果が出ないかもしれないが、多くの人がピラタスの丘に対して愛着心を持ち、深めてもらうように活動していく。
持続可能な観光地域をつくっていきたい」と夢を語った。今度の活動を本誌にて掲載をする乞うご期待。(本部 角南辰彦)
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