先日、JR 和歌山線の沿線にある物件を調査に行った際に見てきた「ねこ駅長」のお話をします。当日は阪和線が雷雨のため運行見合わせとなっており、南海線から乗り継ぐなど予定が大幅に遅れ、その帰りに乗ったのがこの電車です。
和歌山駅と貴志駅を結ぶ路線距離14㎞の小さなローカル鉄道、「和歌山電鐵貴志川線」。その終点・貴志駅にネコの駅長がいます。初代のたまから、2代目ニタマに引継がれていますが、今もたま電車の名で親しまれています。
駅長の仕事はお客さまを招くことと、一日中そこにいて可愛がられること。年棒はキャットフード一年分とか。今日もまじめに(?)駅長専用の座布団の上で寝そべっています。
初代駅長のたまは駅の売店で飼われていた猫。貴志川線の経営が不振となり、1997年に南海電車から、岡山の両備グループへ親会社が代わるとき、駅長に就任したそうです。駅長の人気が広がって乗客数の回復と共に「スーパー駅長」、のちに「ウルトラ駅長」と肩書きを与えられ、廃線寸前のローカル線を救った猫として知られるようになりました。
合理化のため無人駅となった貴志駅は、自動券売機も駅員さんも見当たりませんが、たまグッズを取り扱う売店は繁盛しており、ちょっとした観光スポットになっています。
今回訪問したのは日曜日、1時間に2本の電車は観光客であふれ、売店は行列ができていました。たま駅長は丁度ねこブームの始まった頃と時期が重なっており、写真集、テレビ等で何度も取り上げられ、海外メディアからも注目されることで、社会現象となりました。一昨年たまが亡くなったときに催された和歌山電鐵主催の社葬のニュースをご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も以前から岡山駅周辺を走るバスや、岡山電気軌道がネコ耳をつけて走っているのを見て、岡山県なのになんでネコなんだろう、と不思議に思っていましたが、「和歌山電鐵」の親会社が「両備グループ」だから、「たま電車」と「たまバス」なんだと、ようやく合点がいった次第です。
(本部・関西担当 山中 準一)
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