ブログ

田舎暮らし四方山話よもやまばなし~その5~【情報館設立35年。その体験をもとに田舎暮らしへのアドバイス】 

この記事の投稿者: 総務

2025年12月16日

第5回:土地選びのノウハウ ~寒い地方は冬に物件見学すべし~

◆一番の心配は冬の寒さというが・・・

▲避暑地において夏は快適に過ごせそうだが、冬はどうなのだろう・・・。

「その地域は冬の気温はどの程度下がりますか?また積雪量も教えてください」とのお便りをよくいただく。

北海道や東北、そして信州などのいわゆる寒冷地に移り住もうと考えている方の一番の不安は「冬の暮らしはどうなるのであろうか」ということだろう。

「春、暖かくなったら物件見学に行くつもりです」という人も多いのだが、観光旅行と同じ程度に、移り住むことを考えているのではと思いたくなる。

「田舎探し」の鉄則は、冬の寒い地域は冬に物件見学に出かけることであり、夏の暑さの厳しい土地は夏に見学すべきである。それができない場合には、その土地の気候に慣れすぎた地元の人より、都会からその地に移り住んだ人にその体験を聞くのが最も確かである。

◆頭で考えるよりは、まず体験

冬の気温がマイナス20度にも30度にも下がるということは、本州に暮らす人には想像もできない。移住を決断するのは、どんなときなのだろうか。

北海道で本州から積極的に移住者を受け入れているある自治体の担当者は、「夏に物件を見に来る人は、なかなか決められませんね。夏のすばらしさはあたりまえで、『冬のことを考えると・・・』ということになって。冬の最も厳しい季節に来られた方は、これくらいの寒さならと、決められる方が多いですね」と語る。

山梨県八ヶ岳南麓も冬の夜の気温はマイナス7〜8度になるが、夏よりむしろ冬のほうが好きだという人も多い。南アルプスや八ヶ岳に11月の初雪が降ったころから雪のなくなる5月中旬まで、空気が最も澄み、山々が燦然さんぜんと輝くのである。

内陸性気候で冬は晴天日が多く、昼間はガラス戸越しに入る陽光で室内は暖房もいらない暖かさだ。これは都会で頭の中だけで考えていてはわからないことである。

次に、実際に寒い地方に移住した人を紹介しよう。

◆北海道ではパジャマ姿に雪見ビール

▲窓は二重サッシ、高気密、高断熱の木造住宅。

北海道弟子屈町。摩周湖や屈斜路湖を擁し、冬はマイナス20度を超える厳寒の地。

活火山の硫黄山を熱源とする名湯、川湯温泉をはじめ、町内には大小数多くの温泉がある。赤えぞ松や白樺などの自然林と広大な草原が広がる。初夏の新緑はもちろん、秋のななかまどの真っ赤に燃えるような紅葉は北海道ならではのダイナミズムである。

そんな大自然の中に、東京や大阪など大都市から移り住む人々が増えている。リタイア&悠々自適組の夫妻や、ペンションやレストランを開業する人、アウトドア関係のライター、カヌーツアーのインストラクターなど、仕事や暮らし方もさまざまだ。町に出るときは車なので、寒さなどさほど苦にならないという。

本州から北海道に来ようとする人は皆、冬の寒さを心配するようだが、それは大して問題ではないようだ。

北海道の住宅は、高気密、高断熱の寒冷地仕様で、窓もペアガラスで室内はたいへん暖かい。北海道の人はむしろ寒がりで、室内をいつも20度以上にし、パジャマ姿で窓の外の雪を眺めながらビールを飲むという感覚なのである。東京の息子のアパートに来て、風邪を引くというくらいである。

◆道路の除雪状況の確認を

積雪地帯では、道路の除雪が大きな問題となるが、豪雪地帯ほど除雪対策はしっかりしているといっていい。国道や県道はもちろん、市町村道にいたるまで雪が降ればただちに除雪車が出動する。除雪作業は、いわば地元の冬の公共事業なのである。また道路に融雪パイプを敷設して水を流し、積雪を防止している道路も多い。

問題は除雪されている道路から自宅までの距離である。

物件を購入する場合に、道路がどこまで除雪されるのかは調べておきたい。除雪されない道路と敷地内は、自分で除雪するしかない。地方では、作業用に使うユンボ(重機)や自家用の小型除雪車を利用している場合が多い。

かつては屋根の「雪下ろし」が大変だったが、最近は自然落下するように屋根勾配を急にした住宅も増えている。

この「雪下ろし」も、どの程度必要なのかは、購入前のチェックポイントである。特にセカンドハウスとして利用する場合には、冬の不在時に近隣でその作業を頼める方が確保できるかどうかを確認しておきたい。

リタイア後の田舎暮らしでは、毎朝出かけるわけではないので、少々の雪なら、雪見酒でその風情を楽しむというのも冬の暮らし方であろう。(本部 佐藤彰啓)

新潟◆上越/雪国物件の季節到来 ~ 少しだけ遅い春の訪れに ~【雪国魂・ふるさと見聞録】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2022年4月14日

今年は全国的にも特に日本海側のエリアは豪雪でした。2月初旬、暦の上では「立春」でも、まだまだこれからが冬本番という季節です。

にも係わらず「十日町の物件を見学に行きたい」、「上越の古民家を見に行きたい」との反響。「うーん、どうだろう」と思いながら現地の人に確認を取ると「無理だよ!1階は完全に(雪で)埋まっているよ」との回答。特に空き家の物件は道路から家まで辿りつけない・・・。

新潟などの雪国での田舎暮らしを検討したい方で、雪(冬)の状態を見てみたいというお考えは確かに大事。そこを見誤ると出鼻を挫かれお先真っ暗、長続きしない・・・。例年真冬に雪国物件の問合せは結構あり、実際それを承知で行かれる方も。嬉しくもあり、かつ心配しながら対応しています。

▲道路沿いは3mを超える雪の壁。

また、我々宅地建物取引業者にもこのような豪雪地域の契約時には、重要事項説明書に気候や大雪については義務付けられておらず、雪国十日町出身の私としては何よりも重要な説明事項として追加させて頂いております。「除雪(融雪)」、「雪下ろし」、「雪囲い」、「当地で暮らすための必須道具」、「防寒」、云々・・・。そして最後「本当に買うんですか?」と念押し。

冬の間に売却依頼をたくさん頂きました。流石にそれらは雪解けまで待って頂き、やっと春到来、これから現地調査に行ってきます。雪国での田舎暮らしを検討している方、若しくはご売却をお待ち頂いていた方、お待たせいたしました。スーパーボランティア・尾畑春夫さんの言葉「必ず春は来るよ!」、いよいよ春到来です。(本部 金澤和宏)

▲3月初旬の十日町市。雪が多い地域ほど四季の変化が美しい。