昭和34年9月26日18時過ぎ、台風15号は930mb(当時、現在は929hPa)の勢力を持って和歌山県潮岬の西15㎞ 付近に上陸。最盛期の等圧線は直径2500㎞に及び当日9時の最大風速が60m/s という猛烈な風に加え、高潮と秋雨前線が重なり各地で甚大な被害をもたらしました。
この「伊勢湾台風」は自然の脅威として、愛知県と接する私の実家(静岡県・三ヶ日町)辺りでは今も語り継がれています。当時1歳にも満たなかった私にとって、記憶はまったくないのですが、裏山が崩れそうだと近所の家族が我が家に避難してきたという話を、私は毎年親から聞かされてきました。9月は台風シーズンとともに秋雨前線が停滞します。気象災害が続く昨今ですので、この秋も気を引き締めていきたいと思っています。
一方、八ヶ岳事務所のある北杜市では、この時期になると空気は澄んできて甲府盆地のその先にそびえる富士山もくっきりとその姿を見せ始めます。毎年甲府地方気象台の発表する初冠雪は、平年で9月30日と言われています。さて今年はどうでしょうか。事務所の周りでも黄金色に色づく田んぼがその収穫の時期を迎えます。物件見学の折には紫外線対策に加え朝夕冷え込む時期になりますので着帽の上、長袖長ズボンは必需品です。
◆今月号の物件こぼれ話 (物件NO.15199B 大泉町住宅)
椎名誠の国分寺書店ではないのですが、北杜市大泉町の森の中に佇むその山荘は東京・国分寺市内の古書店主が売主です。図書館の書架のような電動式書庫を初めて見たときは鳥肌に近いものを感じました。明治期の文豪や某マンガ家の絶版本が所狭しと並べられていたからです。
今は残念ながらすべての本は撤去されていますが、1万冊前後は入ると売主の弁。当然のことながら床と根太は補強してあり、設置費用はン百万円かかったそうです。誰にも邪魔されないこの山荘のパティオで過ごす読書のひとときを本人もこよなく愛してこられたようです。読書家や蔵書の多い方にはぜひともご覧いただきたい!
◆「新しいコミュニティのあり方と地域活性化施策」
北杜市と早稲田大学公共経営大学院は平成20年度より、「地域活性化システム論」を官学連携で取り組んできています。本年度の片木淳教授のゼミテーマは右記に掲げたとおりで、5月下旬より大学院生10数人が北杜市内でフィールドワークを行なってきました。市長や市職員、移住相談員等との対話を通じた市の課題や移住定住の可能性の追求など幅広く意見交換をしてきましたが、その中で私・中村も「北杜市に住まわれる人々〜具体的事例と地域との関わり方〜」というテーマで1時間半ほど話をさせていただきました。そうしたことを踏まえ7月下旬には早稲田大学3号館でゼミ生が2班に分かれて「中間発表」を行ない、私も参加させていただきました。新しい地域コミュニティの場やSNSを活用した施策提案は今後の移住定住にも結びつく院生の労作でした。「本発表」は10月に行われる予定です。(八ヶ岳事務所 中村 健二)
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