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山梨◆八ヶ岳/おでかけスポット増えました!【八ヶ岳スタッフ・日々の暮らしより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年4月6日

▲感性を磨くアートスペース。(写真はイメージです)

私が住む明野町は昔からの集落と広大な農地が広がり移住者の方は少ない印象でした。

最近新しいスポットが2つオープンし、住民の私はワクワクしています。

2つのお店の共通点は元工場を再生している点。

「MANGOSTEEN HOKUTO」は、東京に拠点を持つ会社がクラフトビール製造の為に立ち上げ、ビールやワイン、今注目のお酒「メスカル」の販売とビール食堂も併設された大変おしゃれな空間になっておりました。甲斐駒をはじめとする南アルプスを正面に臨む素晴らしいロケーションに惚れ、この場所を選ばれたそう。

▲見て楽しい、飲んで美味しいクラフトビール!(写真はイメージです)

お隣は「GASBON METABOLIZM」という巨大アートスペース。作品展示の他、撮影スタジオの他多彩な機能を併せ持つ施設で、現在入店は無料です。

若い人達のパワーを感じる2つの施設。そのパワーが波及していくといいな。イベントも色々開催されているので、北杜にお越しの際は、明野にもぜひお立ち寄りくださいませ。(八ヶ岳事務所 原 きみえ)

東京◆本部/地方移住を取り巻く環境の変化について~グリーンツーリズムから少子化対策へ~【静岡生まれ山梨県人・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2023年4月3日

▲『月刊ふるさとネットワーク』創刊号(1991年~2012年)の保存版。

わたしがふるさと情報館に入社したのは1995年のことだった。いまから28年ほど前になる。

その年の1月には阪神淡路大震災があり、入社の一週間前には地下鉄サリン事件が起こった。バブル崩壊後の景気後退は誰の目にも明らかで社会情勢も混沌としていた矢先のことだった。

そんな中、地方不動産を専門に取り扱うこの会社は常に時代の要請に応じてきたように思う。

会員向けの情報誌の毎月発刊と不動産実務、各地の団体と提携しながら都市と農村を結ぶ当社の基本的な姿勢は、インターネット全盛時代の今日、膨大な販売チャネルが拡散している中でも継続されているのだ。

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当時のエピソードを一つ。

ある百貨店が陶芸家の作品の展示販売をしている会場に我々も乗り込んでブースを出店した時のこと。

情報誌の購読会員を募ったものの、陶芸作品に興味ある方々であっても陶芸に適した田舎の場所探しをする人はいなく、結果的には一人の会員も得ることができなかった。

田舎探しは自分探し。人から勧められてやるべきものではなかったのだ。

▲「民話の里」岩手県遠野市に数多く残る見事な古民家。

そののち旺盛なエネルギーを持つ会員の方々によってわれわれの提唱するグリーンツーリズムが評価され、毎日新聞社本社の「グリーンツーリズム大賞」に選ばれ表彰された。

それは「ラーバニストのみなさんの勝利でもあった。

▲中山道の古き街道文化を感じる長野県佐久市の日本家屋。

その前後に当社が中心となって全国に広がりつつあった利用されない古い日本家屋を現代に蘇らそうという、民家再生の全国組織(NPO日本民家再生リサイクル協会・現 認定NPO日本民家再生協会)が生まれその理事長には日本文化の伝統を継承する観世流の能役者が選出された。

この反響はすさまじく、社内の電話は数日間止むことがなかったほどだった。

「実家」の問題がマスコミによってクローズアップされ出すとNHKの取材班が山梨県北杜市の物件を取材に来るなどその対応に忙しい思いもしたし、「空家等対策特別措置法」が成立されるやいなや(2014年、平成26年11月)、空き家活用法の事例紹介で大学の市民講座や宅建協会の地方支部などで登壇したこともあった。

自治体の「空き家バンク」ではその立ち上げとともに地方移住やいわゆる二地域居住の実務、東京のふるさと回帰支援センター等で行われている相談会や協議会等の要請を受け、いま現在もリアルやリモートで参加させていただいている。

▲文化放送第7スタ。「大人ファンクラブ」毎週土曜日6:25~。(中村の放送回は毎月第4週目)

わたしの八ヶ岳事務所が所属している山梨県の官民協同組織「やまなし二地域居住推進協議会」(通称「甲斐適生活応援隊」)でも県内の自治体に応募して活躍する多くの地域おこし協力隊のメンバーたちとも知り合うことができた。

バブル崩壊→震災→実家のあり様→民家再生→空き家バンク→移住定住→二地域居住と、地方不動産を扱う我々の日常とそれを取り巻くキーワードは常に変化してきた。そしてコロナを経験した都市住民の地方志向はリモートワークとメディアの多様化等により今後さらに加速化していくことだろう。

さらには「少子化対策」としての田舎暮らしがこれからの新たな潮流として拍車をかける勢いだ。

そして昨年末の政府発表では、東京集中是正へ支援拡充との方針から、2023年度の地方移住支援金として次のことが挙げられている。
1、地方での起業に300万円
2、地方での就職に100万円
3、子供一人当たり100万円を追加
ただし、現在東京23区居住者か東京圏から23区への通勤者限定で、移住後5年間は居住するという条件がつけられている。

自治体によっては中古物件を購入する場合に購入補助金として100万円程も出る(金額はそれぞれ違います)。

▲甲府盆地の東側に位置する山梨県山梨市。文化財級の古民家が残り、それらを大切にする工務店や設計事務所など熱意も高い。

楽しみながら古家をリノベする方々も増えてきておりその過程を自ら情報発信している。動画サイトでも閲覧回数は軒並みうなぎ登り。そうした大きな社会の変化やうねりの様なものを肌で感じられるのが、実はこの仕事の醍醐味でもある。

我々はこれからも多くのラーバニストに支えられながら事業を続けていきます。そして3年ぶりに6月から各地で「現地見学会」を開きたいと考えていますので、みなさまどうぞリアルでご参加ください。(代表取締役 中村健二)

 

山梨◆八ヶ岳/軽暖の候、3月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年3月11日

▲雲の上から頭を出す甲斐駒ヶ岳。(山梨県北杜市)

3月になりました。八ヶ岳南麓に位置する北杜市では3月の前半はまだまだ寒く、最低気温がマイナスの状況が続きます。

それでも2月に比べると寒さが僅かに緩んだように感じられます。3月の後半へ向けては、日中の気温が日々少しずつ上がり、春が近づいていることが肌でも感じられます。なんだか体が少し軽くなってきたという感覚でしょうか。

気温の上昇に伴い、山に靄がかかることが多くなってきます。冬の間はスッキリと見えていた富士山や南アルプスが少しピンボケしたような、せっかくいままで4Kの高画質で見えていたのに、解像度が荒くなってしまったような感じでしょうか。やはり山の景色は冬が一番だったなと、しみじみと過ぎ去った冬を振り返るタイミングです。

▲ふと足元を見ると小さなお花が。オオイヌノフグリ。(山梨県北杜市)

ふと足元を見ると小さな花々が地面の間から顔を出しています。春は足元からやってくるんですね。

北杜市から下道を1時間程南下すると気候はだいぶ変わってきます。北杜市で春の訪れが待てない場合は、甲府まで足を延ばすと良いでしょう。

▲県内から多くの人が訪れる梅園「不老園」。(山梨県甲府市)

3月の前半のこの時期、不老園において梅の花が見ごろを迎えます。不老園は、総面積約5万平方メートルの広大な山を切り崩し、谷を生かし、池をつくり、その周辺に30数種類、約2000本の観賞用の花梅木や赤松、桜、南天、つつじ、もみじ、牡丹等が植栽されている梅園のこと。

甲府盆地を一望できる高台に位置し、南に富士山、西に南アルプスの山並みを望むことが出来ます。空気が柔らかくなったこの時期、山梨県内の方を中心に多くの方が訪れます。

▲青空の下、梅の香りを楽しむ。奥に南アルプスの姿。(山梨県甲府市)

園内は高低差のある地形の中を、遊歩道が張り巡らせてあり、花を眺めながらウロウロするだけでかなりの運動になります。冬の間、運動不足だった方には良いリハビリとなるでしょう。

春の訪れを探しに、体を動かしに、お出かけされてはいかがでしょうか。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

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不老園(公式ホームページより)
・住所:〒400-0805 山梨県甲府市酒折3丁目4-3
・電話番号 事務所: 055-232-3550
      庭園:055-233-5893

・アクセス:JR中央本線「酒折駅」下車 徒歩7分
      中央道「一宮御坂IC」より車で15分
・駐車場無料

・開園時期:2月1日~3月下旬
・営業時間:9時~17時(入園受付は16時まで)
・入園料  大人(中学生以上):500円
      小学生:200円
      未就学児:無料
      障害者手帳をお持ちの方:無料(入園窓口でご提示下さい)

山梨◆八ヶ岳/浅春の星を見てみよう!【八ヶ岳スタッフ・ゆるり☆星空さんぽ】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年3月5日

▲天体観測のイメージ。この時期は空気が澄んでて星がキレイ★

3月というと一般的には「春」のイメージだと思いますが、八ヶ岳南麓ではまだまだ冬のような風景。

山暮らしの衣替え、車のタイヤ交換も春雪に備えて今月末くらいからぼちぼちといったところ。

それでも山菜の春一番、フキノトウの便りを聞くと、少しずつ春めいた気持になります。

夜空の方も明るい星が多い華やかな冬の星座から、落ち着いた春の星座へと移っていきます。

この時期に見つけてみたいのが、星雲や星団です。肉眼でも空気が澄んだ、月のない夜など条件が整えば、ぼんやりと見えるかもしれませんが、もっとしっかり見るには双眼鏡が役立ちます。

7×50くらいのもので宙をのぞいてみると…たくさんの星が目に飛び込んできて、しばしうっとりします。そう、双眼鏡は夜、星をたくさん見るために必要なアイテムなんです!!

しっかりと防寒対策をし、背もたれが傾く椅子などに腰かけて、淡い星団や銀河の光を探す、春の夜を過ごしてみてはいかがでしょうか☆(八ヶ岳事務所 安江 美香)

北海道◆北斗市/風の丘の住人と市の取り組みについて【いくぞ道南!所長・ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2023年2月15日

▲藤山幸伸さん(「風の丘」カフェ内にて)。

「風の丘」の代表者は藤山幸伸(ふじやまゆきのぶ)さんだ。長年道南の運輸業に携わって来られた方で地元の名士でもある。札幌の運輸会社の函館営業所が独立する形で会社を設立し、2022年には創業30年を迎えられたという。

現在は北斗市(ほくとし)追分(おいわけ)の営業本部を中心として函館と北斗に拠点となるセンターを展開している。また、24時間営業という時間の枠も拡大し大手コンビニチェーンにも対応するなどこの道南地域の物流を底支えしてきているのだ。

その多年にわたる貨物運送事業の振興と発展に寄与した功績をたたえられてなんと昨年10月25日には国土交通大臣より表彰されてもいらっしゃる。

▲ログのカフェ内には薪ストーブも。

齢70歳を超えていらっしゃるというがとてもそんなお歳には見えない。趣味も多彩と聞く。その中で特に音楽もお好きなようで地元のFM 局にもゲスト出演されたことも。

わたしがはじめてお会いしたときに拝見したカウンターバーの一角にはLPレコードが壁一面に所狭しと並んでいた。ログハウスの壁のポスターに「おおーっ」と思わず叫び出すことも。東京の下北沢や京都の烏丸通りにあるカフェをなぜか思い出していたのだ。既視感であるとともに心地良さが漂っている。

北斗市(ほくとし)当別(とうべつ)縁あって土地を購入し仲間とともに3年かけて作り上げたログハウス。津軽海峡から吹く風の音を聴きながらの作業は何ものにも変え難い経験だったと藤山さんは話す。

「風の丘」はこのカフェのほかドッグランやキャンプもできる場所もある。近隣の別荘者のために薪も販売している(首都圏の方もいらっしゃいます)。ここを訪れる人たちは思い思いの休日を楽しんでいるのだ。

▲一棟貸しのゲストハウス。

また、ログのゲストハウスは1棟貸しも行っている。一泊一グループ2万円(特に人数制限はありません)。

▲タイニーハウス(コンテナハウス)。

藤山さんの会社で使われなくなった冷凍コンテナを有効活用するために、現在取り組んでいるのが「タイニーハウス」だ。寒冷地用に内装を仕上げ直した小さなコンテナハウス。6帖ほどの室内にはベッド、テーブル、トイレが付く。これにミニキッチンを付け加えれば紛れもない自分の城が完成する。

わたしはさらに一人用サウナ、ペレットストーブ、ウッドデッキを是非とも取り入れていただくよう提案している。サウナで火照った体を渡島半島(おしまはんとう)の雪の中に溶け込ませたいと切に願ってもいるのだ。

北斗市役所( 北斗市中央1-3-10 、電話0138-73-3111)。市章は山梨県北杜市とよく似ているのが面白い。

さて、この風の丘は北斗市内の緑化会社が売主となって販売してきた。そのため、公営水道を利用しながら配管はその会社の私設管だという。なので、現在でも水道加入金というものはないのだ(北斗市水道課)。2006年の合併以前の流れをそのまま引き継いでいるようなのだ。

さらに、下水道が使えない地域では合併浄化槽の設置だけでなく、メンテナンスも市が行うという。対象地域は市内のほぼ全域。こうした事業はわたしが知る限りでは全国的にもこの北斗市だけだ。ただしこの制度は別荘者には対象とはならない。あくまでも住民(新規移住者含む)だけの行政サービスということなのだが、これはスゴイ。

その北斗市で移住相談の窓口となっているのが総務部企画課だ。担当者は地元愛が強い方で彼女の移住二地域へ寄せる思いには頭が下がる。東京の有楽町にあるふるさと回帰支援センター(理事長は高橋公氏)での相談会にも積極的に出たいとおっしゃている。いつかまた、山梨県の北杜市とコラボできたらとわたしも考えています。

北斗市役所最寄り駅には北斗七星が輝く。

北緯41度の北の大地はいまとても熱い。真冬のこの時期ならではの銀世界へ一度来てみませんか。(八ヶ岳事務所・道南担当 中村健二)

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風の丘(URL:https://windhill-tobetsu.com/

住所:〒049-0282 北海道北斗市当別406

TEL : 090-3391-6284

アクセス:
●車をご利用の方
・JR函館駅から国道228号線を使って約35分(23km)
・函館空港から函館江差自動車道を通って約30分(33km)※北斗茂辺地IC出口より5分
・新函館北斗駅から道道96号線、国道228号線を通って約35分(24km)
・木古内駅から国道228号線を通って約20分(17km)

●道南いさりび鉄道をご利用の方
・渡島当別駅下車徒歩20分 ※ご連絡いただければ送迎致します。

★カフェ
【営業日】
土・日・祝(不定休あり)
【営業時間】
11:00~17:00(L.O. 16:00)
【座席数】
58席

★ゲストハウス
●北欧館(ツインルーム+リヴィング付)
1泊素泊り 8000円/人~
●ファミリーFor(シングルベッド4台)
1泊素泊り 5000円/人~

山梨◆八ヶ岳/向春の候、2月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年2月6日

▲冬は晴天の日が続く。ため池から見た南アルプス。(山梨県北杜市)

北杜市の2月。寒さの底といえる日々が続きます。

日中の最高気温が5度を超えることは珍しく、朝方はマイナス5度を下回る日々が続きます。

そんな北杜市の2月ですが、日照時間には恵まれています。雪がちらつく日もあるものの、基本的には晴天が続き、暖かい日差しが感じられます。

北杜市に移住して6年程ですが、冬だからといってネガティブな印象があまりありません。南アルプス、八ヶ岳の頂上付近には雪が降り積もり、晴天の空の下で山並みを眺めるのは楽しいものです。

ただ一方で雪にはまだ慣れることが出来ません。頻繁に降るものではなく、たまにしか降ることがない為、なかなか慣れないという状況でしょうか。

▲雪が降ると景色は一変。白いベールが町を包む。(山梨県北杜市)

ひと時で町全体を白いベールで包み、景色をガラッと変えてしまう雪。見るだけなら綺麗でワクワクもするのですが、車の運転となると話が別です。

車は四輪駆動、タイヤはスダットレスタイヤを装着。そんなに怖がることは無いのかもしれませんが、どのくらいまでスピードを出して良いのか、ブレーキを踏む強度はどれくらいか、車間距離はどれだけとれば良いのか。正直分からないことだらけです。

路面の状況についても、車の中からは良く分からない。

そんな事を地元の方に話したら、とりあえず、急ハンドル、急ブレーキ、急加速、急減速と「急」とつく動作はしないようにとアドバイスを受けました。

とはいえ、雪道でゆっくりと走っている時に、後ろに車がつくと少々焦ってしまう時も。

昨年は出勤時に下り道路で軽くブレーキをしたところ、ABSが作動して冷や汗が出ました。

その日は雪こそないものの、よくよく見ると路面全体が凍結、すべって登れない車やブレーキが効かずに反対車線にはみ出ている車がありと大変な状況でした。

路面状態が悪い時には、予定があっても急がない。急がば回れの精神、いやさらに言うと、外出しないのが一番だなと思う日でした。

▲富士は様々な表情を我々に見せる。(山梨県北杜市)

2月23日は「富士山の日」だそうです。日程は語呂で決めたものと思いますが、山梨県の条例でも定められています。山梨県から見て富士山の裏側の静岡県でも条例で定めています。富士山を後世に引き継ぐ運動の期する日といったところでしょうか。

今年は2023年、なんと西暦にも2(ふ)、2(じ)、3(さん)の文字が。個人的には今年1年が富士山にゆかりがあるように思えます。

河口湖から間近に見る姿も素敵ですが、北杜市から見る眺めもなかなかもの。朝日と夕日、風の日、雲の形、雪化粧と北杜市に住むようになってから、日々、様々な姿の富士山を楽しんでいます。

空気が澄渡った冬の時期、富士の眺めを求めて出かけられてはいかがでしょうか。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

長野◆東御市〜小諸市〜御代田町/笑う仁王に福来たる【所長・ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2023年1月28日

▲芸術村公園(東御市八重原)。

いまから25年以上前のことになるが、わたしがふるさと情報館に入社してしばらく経ったころの話だ。

長野県の東側・千曲川と鹿曲川(かくまがわ)の河岸段丘の上に広がる台地状の村に初めて足を運んだことがあった。その名は北御牧村(きたみまきむら)。

伸びやかに田園が広がり至るところに大小のため池がある。その台地は大きく八重原と御牧原に分かれており、役場のある八重原には温泉や芸術村公園、アートビレッジ明神館(みょうじんかん)といった宿泊施設などのほか、近くの村の分譲地の一角には懇意にさせていただいた料理研究家のお住まいもあった。

現在は隣接の旧東部町と合併して東御市(とうみし)となり三万人ほどが暮らしている。そこはまた東部湯の丸高原の南麓に位置した田舎暮らしの人気の高い地域でもある。

▲井上さんの経営するリサイクルショップ「エコ」(長野県小諸市与良町6丁目4、電話0267-26-6318)。

その当時ふるさと情報館の地域店で一緒にやっていた井上さんは、現在国道18号線より一本入った場所でリサイクルショップを経営している。今年開業20年目になるという。月日はあっという間に過ぎていくのだ。それでも移住された方とはいまもメールでのやり取りをしている。

「孫の写真を送ってきたよ」と井上さんは嬉しそうに話す。そのうち売却の話が出るかもしれんな、ということらしい。

リサイクルショップとは聞こえはいいが空き家の後片付けの方が多いという。固定客も少なからずいて昭和レトロなお宝探しに来る人もいらっしゃる。

▲「八ヶ倉(やかくら)」(小諸市加増179-13、電話0267-24-0205)。

「エコ」の近くにはパスタの美味しいイタリアンのお店もある。女性同士の会話がはずみ地元を中心に訪れる人も多いという。ゆったりとしてくつろげるのだろう。この小諸と御代田(みよた)にお店がある。

『田舎暮らしの本』のライター山本一典さんともお付き合いは長い。たまにわたしが取材された折、こんな特集をしたらどうですか?と編集者に話すことがある。できれば山本さんに取材をしてもらいたいと思っているので。

今年は東北の古民家特集を取り上げていただいたことがあった。お住まいの福島から岩手県遠野市までご足労おかけしました。

その雑誌の熱心な読者からこの秋、ご売却相談をいただいた。長野県の御代田町(みよたまち)に物件をお持ちだという。

その方のお話が面白くてなんと3時間以上も話し込んでしまった。10年余りの二地域居住で得たその人なりの田舎暮らしのノウハウだからだ。

▲ノートいっぱいに書き込まれた「御代田日誌」とでも呼べる日記は感動的ですらある。

いわく、『集落内ではあるものの地元に深入りはしない。付き合う人は同じ同好の志を持った人たち(具体的には薪ストーブの会など)。畑の収穫物を農協に出荷する。信州大学の聴講生となって長野市に通う。畑それぞれの土壌のPHを把握する(どこが一番良い立地かなど)。冬場の野菜の貯蔵方法を地元の所有者に聞くこと。

▲倉庫。

建物のリフォームでは土間に薪ストーブを設置する。壁を作りコンセントの数を増やす。オール電化にはしない。北側結露対策と防犯を兼ねて二重サッシとペアガラス。雨戸ではなく片手でひき下ろしのできるシャッターを設置。雨の日の作業やトラクター、耕運機、薪置き場としてコンクリ土間の倉庫を新設等々』。

「楽しみました」とはご主人の弁(この物件は本誌2022年11月号に掲載済み)。

▲真楽寺内エメラルドグリーンの池

そして物件を後にし、山懐にいだかれた真楽寺(しんらくじ)の境内に行ってみた。渾々と水が湧き出る池はエメラルドグリーンだ。神秘さをたたえている。

▲仁王様が柔和な顔で出迎える。

その山門には仁王像が二体。なんと右側の仁王様は笑っていらっしゃる。

笑う門には福来る。新しい一年は戦争も感染症も終結するよう祈らずにはいられない、そんな思いで東信州の名所を後にしたのだった。(八ヶ岳事務所 中村健二)

山梨◆八ヶ岳/新春の候、1月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年1月4日

▲珍しく雪が積もった朝。南アルプスの山並みが美しい。(山梨県北杜市)

新年明けましておめでとうございます。

新しい年が迎えられるということは、なんとも嬉しいものです。気持ちが一新し、一つの区切りが自分の中に出来て、また1年のスタートを切ることが出来ます。

気持ちを盛り上げる上で、初日の出を拝みに行くのも良いですよね。

冬の早朝、寒さの厳しい八ヶ岳南麓で外出するには気合が必要です。ぬくぬくとしたお布団の誘惑から逃れることがなんと難しいことか。

初日の出の時間は山梨県では6時55分頃、一日で最も気温が下がる時間帯で、年によってはマイナス8℃くらいまで気温が下がることでしょう。標高が高くなればさらに気温が下がるので、普段の生活では無い寒さの中に出かけるということになります。

北杜市での初日の出のおススメスポットは山梨県立まきば公園です。家から車5分程で行けるというのが個人的な理由ですが、元日に訪れると県外からも多くの車が集まってきます。

標高1400mの八ヶ岳の真ん中に広がる牧場の草原で夏場はやぎやポニーなどの動物とふれあえる場所です。山の中でありながら空が広く感じられ、解放感があることから星空観測にも人気があるようです。

公園からの眺望は素晴らしく、東方向には富士山と秩父連山が広がり、その間あたりから現れる日の出を拝むことが出来ます。

▲極寒の中でみる日の出は美しくあたたかい。(山梨県北杜市)

複雑な山の地形のせいで、日の出の時間は正確ではありません。空は明るくなってくるものの、中々出てこない太陽を、寒さの中じりじりと待ち続けます。

ギリギリまで暖かい車の中で待っている人達もいますが、私はあえて寒い外で、外気を感じながら待つのです。頭の中を過るのは熱いお風呂に入りたいとか、あったかいお雑煮を食べたいとか、もう空が明るいから日の出を見たことにして良いんじゃないかと、家に帰ることばかり。

そんないつ終わるともない時間の中、山から太陽の眩しい光が漏れ出てきたときの嬉しさ。ただ日が昇るのを見に来ただけなのですが、ひと仕事を終えたような満足感が生まれます。

結果に至るまでの過程を味わうことで、より満足感を得られるのではと一人納得する自分でした。

コロナ禍になってからは分からないのですが、甲斐大泉駅の前にある温泉「パノラマの湯」では元日は朝6時から営業し、温泉の中から初日の出が拝めると人気でした。

露天風呂からは富士山も望めるので最高のロケーションとなります。無理せず心も体もリラックスしながら日の出を迎えるもの素敵な経験となりそうです。(八ヶ岳事務所 大久保武文)