蔵王町遠刈田温泉の初夏のイベント、「とうがった大道芸」が6月初旬に開かれました。伝統や歴史にはまだ遠い、温泉場の平成生まれの人集めの行事ですが、当日は仙台圏からの大変な数の観光客で、近年にない賑わいでした。
有名な「横浜野毛」の大道芸にヒントをもらい、21年前、街おこしに有志が都会から芸人を探し出し、アゴアシつき(交通費と宿泊代は主催者持ち)で呼んだのが始まりと聞きます。たべものや宿泊は地元の店や宿が無償で請負い、まだ駆け出しで出演料の安く済む芸人さえ確保できれば、新幹線の切符代ぐらいの負担でスタートできたイベントのようです。
今年は12人の若い芸人が温泉街のあちこちで6時間半、パフォーマンスを繰り広げました。何年かぶりに覗いてみると、どこも歓声、拍手、笑顔のあふれる反応のよさが、芸人の芸より私には印象に残りました。芸人と客とに通い合う息づかいが路上に満ちて、芸が終わるとゴミ箱のフタを裏返した受け皿にはたくさんの客から投げ銭(ほとんど千円札)が寄せられました。
名の知れた祭りや年中行事を持たない、地方の小さな町には、ちょうどよいライブと、ぜひ他の町でも始められたらいいのにと思いました。 (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)
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