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宮城◆白石蔵王/沖縄での1ヶ月間の田舎暮らし【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年4月23日

氷点下の寒い風が吹く仙台空港から4時間後、沖縄西海岸の恩納村(おんなそん)の宿に着き、1か月間の田舎暮らしを始めました。

2月1日、気温は予想通りの22度と温暖。この沖縄行きの動機は、1、厳寒期の蔵王からの避寒 2、時間だけはあり余る高齢夫婦のローコストの沖縄滞在体験です。すでに目ぼしい観光ポイントは、これまでの沖縄旅行で承知していますから、避寒の28日間はまだ知らない本島の北部や、離島の島々、いま社会問題化している辺野古沖の造成現場、琉球王朝文化からの沖縄の歴史的経緯などを実感してみること。本土から移住して暮らしている人の声や、受け皿としての民宿、民泊の現実にも触れてみたいと思いました。

あくまでも無為無策に、毎日を縛られずに、ムダもよしとしましたので、旅装を解くと、たちまちにして私の箍(たが)はゆるんでしまい、散策だ、畑作業だ、海釣りだ、ストレッチだなどと公言していたモクロミさえ、霧散してしまい、時間だけが矢のように消えていきました。

ネットを開ければ、沖縄の旅情報はあふれていますから、私の体験の一部でも、次に続く方へのヒントに役立てばとご報告します。

◆宿は恩納村の戸数30ほどのマンション。部屋は狭いけれど清潔(写真)。一泊から利用できますが、長期滞在は歓迎されます。私どもは家賃8万円、敷金、権利金なし、光熱費は家賃に込みでしたから格安と思います。畳敷きの和室なので布団を上げれば広く使えますが高齢の爺、婆とはいえ、ベッドの方がよかったです。

一日3度の食事の大半は食材を近隣で買い自炊。外食に10回は出ました。ほとんどは沖縄料理です。この宿の管理人と親しくなりましたのでご希望があればご紹介できます。部屋のタイプは別もあります。近くのペンション、民宿、不動産屋さんなどを廻り、滞在を受けるこの手の宿を物色してみましたが、料金、設備、態勢、地の利と、条件の合うところを探し出すのは現地に総合的な受け入れ組織がないので、容易ではなさそうです。

◆恩納村は那覇から1時間程度、海岸の景観に優れ、いまではハワイに匹敵するリゾートエリア。大型のホテルが20を超えました。

◆滞在中は恩納村の図書館がおすすめ。明るく眺望よし。非住民にも快く貸出カードを作ってくれます。このエリアは「琉歌」が盛ん。2百年前の女歌人「恩納ナベ」の故郷で、いまは「ナビーちゃん」のゆるキャラになって村を支えてくれています。ナベの遺構巡りも楽しいです。

◆政府肝いりでつくられた恩納村山腹の「沖縄科学技術大学院大学」の見学ツアーに参加。東大出でも入学は至難という世界最先端をいく大学で、学生よりスタッフや教授陣が多いという広大で知的なキャンパスを案内してくれます。外国人の行き交う学食やカフェにも入れました。

◆沖縄の北半分は集落も少なく、山塊を一周する道路があるだけの未開地。「北端までいってみた」記念になるだけです。

◆レンタカーは保険、燃料込みで8万円ほど払って1か月17000キロ走りました。沖縄の集落はメロンの縞模様のような狭い道、借りる車は軽が最適で充分です。

◆魚はNG。暖海育ちで新鮮でも脂が足りず、美味とは言えず、天ぷらや、カラ揚げの多い食生活に合点がいきました。

◆名物の「沖縄そば」は蕎麦ではなく、小麦粉のうどん。日本そば、ラーメン、すし、和菓子は少数派。牛より豚を好む文化です。亜熱帯なのに米はほとんど作らず。

◆いま人気の宮古島に渡り、ホテルに2泊し、すみずみまで行きました。本島と違い山がなく平坦で明るい。妻は清新さが気にいったようです。海も花も一段ときれいです。

◆2月でも緑のたえない沖縄。2月初旬に蒔いた小松菜が月末には5センチに。宿の空き地に育つサラダ菜は、毎朝採り放題、食べ放題でも処置に困っていました。

◆宿、レンタカー、航空運賃が安い1、2月が沖縄のオフ。車の渋滞も少なく、曇天続きで日焼けも軽い。海にもう縁のなくなった世代なら沖縄は冬に堪能すべしでしょう。

◆2月27日、蔵王に戻る最後の夕食はアメリカナイズされた、いかにも沖縄らしい、うるま市のステーキ店「サムズ」で乾杯。ネオンが咲き、プレスリーが流れる店内は50年前の世界でした。

◆那覇空港は滑走路の増設がすすみ、宮古島の下地島にも格安エア用の滑走路の開設が目前、那覇市内を走るモノレールの延長もすすみ、おなじみの国際通りの公設市場は全面改装と、観光ブームは続くようです。

◆短期滞在で明るい沖縄の今後を実感しましたが、いまの年齢ではさすがに、私は背中を押すだけの立場で本格移住はムリのようです。 (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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沖縄への中高年の移住を実体験してみようと、2月は沖縄の村落で過ごしました。新しい米軍基地を新設する辺野古沖埋め立ての是非を問う投票が県下で実施された経過はご存知の通りです。滞在中に出会った本土からの観光客に感想を聞くと、ほとんどは無関心、辺野古の場所さえ知りません。美ら海水族館近くですすむ埋め立て用土の大量採掘、海上運搬などへの反対運動の苦悩は、はなやかな観光の声に埋もれて私にもよく見えませんでした。

本土の2%に過ぎない面積に在日米軍基地の70%を引き受けてくれているのに県民所得の低い沖縄。これからも観光立県に徹するしかない沖縄の現状に、私たちができることの一つは、この美しい島々にひとりでも多くの日本人が足を運び、本土の豊かさを分け、島の経済に寄与することではないかと考えます。 成田空港から宮古島の新空港へは、7000円で3月から格安航空が就航するようです。どうか皆さん、ハワイに並ぶ観光地になった沖縄の島々にお出かけください。

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☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。

ペンションそらまめ

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