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宮城◆白石蔵王/墓石なしの樹木葬【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2020年1月14日

死んだら土に返る、という日本人の死生観がさいわいしてか、樹木葬と称する葬法は、すっかり世間に定着してきました。私が暮らす、この小さな町にも「樹木葬やってます」の看板もかかげるお寺が出現する始末です。

墓石を使わず、遺骨をじかに森の土に埋める単純素朴な葬法は、考えてみればもっと早くから普及してよかったはずでした。豪華な墓がたくさんつくられた明治以降の経済成長期を経て、単身家族や核家族が増え、少子高齢化がどんどん深刻化するいまは、その純爛とした墓石が、やがては社会をゆるがす、墓のいらない「墓じまい」の時代となり、もてあまされるようになるでしょう。

岩手県一関市にある知勝院の樹木葬はその先駆け、いわば元祖ですが、すでに2000体ほどの仏様が林間に眠っておられます。15年前に契約した私は、夫婦で毎年10月の慰霊祭に参拝していますが、行くたびに、納骨された知人・先輩の墓標が増え、昨年は5体の墓前に手をあわせてきました。あと何年かで私もここのお仲間入りです。

骨を森に戻す樹木葬は事業化が容易で、全国的に亜流が続出、やがては日本の墓は樹木葬系に統一されていくのではないでしょうか。地域の自然再生、森林の保全、環境の美化など樹木葬の利点を思うと際限がありません。知勝院には評判を聞いて韓国から多くの視察団が訪れるというのも納得です。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

宮城◆白石蔵王/夕食の材料、地産地消の現実【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年12月21日

※写真はイメージです

「尋常ではない台風」が続いて来た10月、テレビは千葉、長野、福島、宮城を流れ下る大河の氾濫を告げ、連日、床上浸水の後始末を報じています。私も生まれてはじめての避難所に行き、一夜を明かしてみましたが、おかげさまで蔵王はいつものように、ほとんど無傷ですみました。

山々の河川は急流の源流で、水の淀みがなく、梨や野菜の収穫期も終わっており、申しわけないほどの静かな秋です。今晩の8名のお客様の夕食の食材をみやぎ生協で求め、妻が調理台の上に並べてあったので、何気なく眺めていて驚きました。

季節の変わり目、端境期、それに異様な降雨の被害もあったのでしょうが、一品一品の野菜の生産県がすべて違っていたのです。まるで野菜の「国体」です。

ニンジン(北海道)、小松菜(茨城)、エリンギ(新潟)、セロリ(長野)、きゅうり(宮崎)、ミニトマト(熊本)、ねぎ(山梨)、ブロッコリスプライト(埼玉)、なす(栃木)、しめじ(宮城)、椎茸(鹿児島)、バナナ(フィリピン)。

これに私の畑から山芋、里芋、大根が加わり、さらに産地不明の魚と豚肉が参加すると、とても「宮城の地産地消の食材を使う郷土料理」とはいえない現実に仰天してしまいました。生協をはじめ、大手の食品スーパーの集荷力、経済流通の実際を覗きみた思いです。

ペンション、つまり民宿の夕食の材料は、周辺の耕地から集まる「道の駅」などの新鮮な農産物だと思いがちですが、11月の現実は上記のごとしです。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

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宮城◆白石蔵王/気晴らしの旅 ~ 民間芸能に触れる小旅行~【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年11月30日

旅先の農業体験が売りものの「農協観光の民間芸能の旅」に参加してみました。蔵王から新幹線で2駅、25分ほどでいける福島県郡山の一泊二日で、25名の募集に、私どもと知人夫妻の4名、これに個人客4名で計8名。定員割れで中止のはずが、なんとか催行というのも農協らしく、荷物もなしで白石蔵王駅を正午に出発などという旅は初めてでした。

「滝桜」で知られる三春の先、磐越東線・船引駅から、尾形の「お人形様」をまず案内されました。高さ4m、両手を拡げ、大鬼の形相で悪霊が村内に入れないよう、通せんぼ(写真)。街道筋に毎年数体が更新されているという、いわば「日本版のトーテムポール」です。

つづいて柳橋の「田舎歌舞伎」の定期公演の鑑賞。地元中学生の出演で「白浪五人男」、「義経千本桜」。二幕に、「奥州安達ヶ原三段目」が保存会の出演で計3時間。拍手喝采でした。

東北のこんな山中で「義太夫」、「衣装」、「化粧」、「三味線」、「照明」などすべて住民ぐるみの本格派。入場無料の歌舞伎がここでは江戸時代から続けられています。

翌日は郡山からバスで1時間、「布引・風の高原」で30機の風力発電の現場見学。帰路は農家のお母さんたちの作る郷土食を食べ、道の駅に寄り、猪苗代湖から郡山に水を引いた安積疎水の史跡(日本遺産)「開成館」を案内してもらって歴史を堪能、3時過ぎには郡山駅で解散というミニ旅行でしたが、すっかり気晴らしできました。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

船引駅界隈

宮城◆白石蔵王/贈与税ミス2(前回に続く)【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年10月10日


贈与税は、一年間にもらった財産から基礎控除額の110万円を差し引いた残額から速算表にもとづく贈与税を計算し、納税します。つまりもらった財産が110万円以内なら贈与税はかかりません。

ちなみに「20歳以上の受贈(私の次男)が直系の尊属(私)からもらったとき」の「速算表」で計算すると、私の横浜の自宅の土地は、概算で(450万-110万)×15% -10万で41万円が贈与税となるのですが、わたしは毎年4月に横浜市から送られてくる「固定資産税納税通知書」の表紙にある「課税標準額」の土地74万円と、家屋120万円の数字が贈与税計算の根拠だと早とちりしてしまいました。

ですから、家屋と土地を正月を挟んで2年に分け、「基礎控除額110万円」を2回使えば、家屋も土地も、ほとんど贈与税の対象から外れると勘違いしてしまったわけです。家賃も税金もなしで、住まわせている息子に、負担をかけず、その家を譲れると、ずいぶん甘い決断でした。(初年度に払った家屋分は基礎控除額110万円に近い評価額でしたから、贈与税はほとんどかかりません)

土地の評価額は、政策上6分の1に減額されているということですから、私が息子に伝えていた贈与税の当初の額も6分の1に過ぎません。結局、今回の贈与で息子が払った費用は登記の諸費用も含め60万円近く。古びた中古住宅を押し付け、法外の出費を求めた一件にしてしまいました。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

(前回の記事へ)

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宮城◆白石蔵王/贈与税ミス【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年9月16日

82歳が近づき、昨今、終活が頭をよぎるようになりました。21年前、蔵王町に移住したおり、横浜に残してきた築後45年の自宅を、昨年と今年、次男の家族に譲りました。次男には10年ほど前から無償で住まわせていましたが、「これからは建物の補修も、保険も、固定資産税の納税もすべて自前だよ」と手を引き、一区切りとしました。

その前の10年間は有料の借家人がいて、ほぼ1千万円の賃料を得ていましたから小さなボロ家も横浜あたりではまだ借家の対象であったのです。誰でも高年代に入りますと、持ち家という資産の扱いをどうするかという課題が待っています。駅に近く、街中の住宅ならともかく、町を離れて売却も思うようには進まない、横浜の市街化調整区域のわが古家は、時間も経費もかけずに、現状のまま親族に譲るのが得策と考えました。

自分が亡くなったあとの「相続」となると、ひとりではない譲受人、つまり複数の子どもたちと妻への配慮もあり、まだ私が元気な内に単純にすませたいと考えました。贈与といっても、今住んでいる親の家の名義を子に変えるだけのことと判断し、登記所に行き、書類をもらい、年末までに建物、正月に土地を譲るという方法で一年一回の基礎控除を二回使って上手に贈与税の課税をおさえたつもりでした。

ところが、自分が考えた自宅の評価額を、私は毎年納めてきた固定資産納税通知書の数字と早とちりしてしまい、次男に伝えておいた課税額とは大違いの税額に。(以下次号)(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

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宮城◆白石蔵王/副業新時代~内職のすすめ【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年8月20日

長寿リスクに備え「老後あと2000万円ほど、月に5万円の所得は各自用意が必要」と、金融庁審議会の報告が出て騒動がおきましたが、私は「ごく当たり前の答申なのに・・・」と感じます。

質素に暮らせば年金だけで過ごせるでしょうが、長い老後をいまの生活レベルをあまり落とさずに送るには「元気なうちから貯えを増やすか、定年後も働きつづける態勢をいまから構えよ」ということなのですから、言われるまでもない答申内容です。下がっても、上がる期待のない年金支給額では、プラスアルファは自助努力しかありません。

給料の安い小さな会社でしか働いた経験のない私でしたから、若いころは副業、つまり内職に精を出し、家族を養いました。副業は自分の能力や可能性を高め、人脈や職域を拡げて本業にもプラスに働きます。文章をひねり、図面やデザインを描く内職を本当によくしました。

東京電力のお店から手書きのポスターを頼まれたのは18歳のとき。新聞の活字を模写して初めて活字文字を書いた苦しい体験は、その後の人生でずいぶん自信になりました。副業で知恵が働くようになり、アイデアが沸き、企画提案力が身につきました。

世は変わって副業が奨励される時代となり、いまは多角的に働けば、月5万円の副収入は難しい額ではありません。年金だけではダメと、定年を機に所得のある田舎暮らしにと、ペンション経営に転じて老後を安定させた私の事例がお役に立てばうれしいのですが。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

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宮城◆白石蔵王/生ゴミ減量と「EM」の復活【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年7月16日

毎日出るゴミの収集作業が、町営から民間業者の手に移ることになり、収集料の負担増も考えて、生ゴミだけでも畑に入れようと、10 年ぶりに「EM」による生ゴミ減量に取り組んでいます。

ゴミを充満した50リットルのビニール袋を、数珠つなぎにして集積場まで引きずっていった、昔のような繁忙な生活はもう来ないでしょうから、ゴミの減量と畑の育土効果のため、EM 活用の堆肥づくりに時間を使おうと思うのです。

EM(Effective Microorganisms の略)は、農学博士の比嘉照夫氏が約40年前、研究開発に成功した微生物資材で、作物生産に有効な光合成細菌、酵母菌、乳酸菌、放射菌など、10属80種以上の微生物群を選び出して複合し、作り上げた培養液です。

このEM 溶液を、米ヌカ、モミガラ、糖蜜などのボカシ材料にふりかけ、熟成させたのが「EM ボカシ」で、堆肥を作りだす魔法のような資材です。台所で生まれる生ゴミを細かく刻み、EM ボカシをふりかけ、専用の容器に密閉させておくと、やがて滋養に満ちた堆肥になります。手も触れたくない生魚の残骸、くだものや野菜、食事の残滓などが腐りもせずに、形が消えます。

腐敗が始まる前の新鮮な生ゴミ、つまりその日のゴミはその日のうちにが条件ですが、ゴミ容器が満杯になるまでは、普通の家族で10日間はかかります。それから更に2週間ほど保つと芳香さえ感じる堆肥ができます。

なお、熟成中にゴミ容器から染み出た浸出液は薄めると液体肥料となり、植物を驚くほど活性化させます。この冬、寒い室内でもみごとな花をつぎつぎとつけました。

30年前、横浜に暮らしていたころ、この堆肥を使った畑仕事の成果を実感した私は、畑仲間と作柄を自慢し合ったものです。しかし、蔵王に移住し、ペンションを開業してからは、発生する生ゴミの量がハンパではなくなり、すべてのゴミは焼却場へ直行、EM 堆肥づくりは封印となりました。

EM の世界から遠ざかって20年のこの春、沖縄のあるホテルに投宿したところ、ホテルの経営母体が、EM研究機構というEM 関連の事業体で、ホテルの前身はアメリカの著名なホテルチェーンのひとつでしたが、売店に並ぶ商品の中には、高級な飲料にまで進化したEM 製品があり、私の知らぬ間にEM の効能が生ゴミのリサイクルから河川の水質浄化、畜産公害の軽減、医療・化粧品、などにまで広がり、さまざまな生活環境の改善に役立っていることを知りました。

発酵とか酵素利用の新商品がブームですが、EM の評価があまり聞こえてこないのはどういうことか不思議です。利便優先の都会生活では無理でも、田舎で暮らす私たちは、厄介者の生ゴミの循環利用を実体験してみるべきでしょう。

EM ボカシは道の駅などで500g 入り250円ほどで手に入ります。熟成容器はネットで購入可能です。ゴミを熟成させる容器はビニール袋で代用でき、一日一袋に密封させていけば手ごろにEM 堆肥づくりが体験できます。
(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

▲1千倍に希釈したEM 浸出液で育つ見事な花。

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EM研究機構
https://www.emro.co.jp/

宮城◆白石蔵王/暖炉の怖さ~メンテナンス・点検の重要性を【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年6月24日

数日前の夜、当ペンションからすぐ近くのペンションが火災で消失してしまいました。

築30年の丸太組みのログハウスは木の乾燥度も高く、消防隊の機敏な消火努力で外観はかろうじて残りましたが、判定は全焼扱い、むろんリフォームで再建できる状態ではありません。古い書類を暖炉の火で燃やしていたら、というご主人の弁によると、異常に気がついたとき、暖炉上部の壁から白煙が吹きだしていたそうです。

営業物件のペンションを暖炉からの出火で失うという事例を私が見たのは、清里、蔵王合わせて何と3件目です。煙突を室内に露出させ、排煙の暖気も利用する簡易な工法でなく、煙突を壁の内側に組み込んだ本格的な暖炉は、よほどの耐火工法が仕込まれていないと危ないと痛感しました。

家具調度として、外装として、暖炉のある家は、あこがれですが、見栄えより壁内部の構造や煙突のメンテナンスが大事です。電気やガスに比べ、薪の火力は時により強力に立ち上がります。

煙に含まれる炭素粒「スス」や、鳥や虫の巣、風で舞い上がった枯れ葉などによるストーブ煙突の詰まりに無頓着な日本人の性格も気になります。 薪を焚く暖炉の家が多い当地のような山間部では、その防火指導が必要ではと、消防署に進言しています。防災カーテンを使っているかなどの指導より、室内で直火を炊くことになるストーブの点検に歩くべきです。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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