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山梨◆八ヶ岳/葉桜の候、5月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年5月5日

▲田んぼの代掻き(しろかき)。奥に八ヶ岳の姿(北杜市大泉町)

5月最大のイベントといえば「ゴールデンウィーク」ではないでしょうか。4月末から5月初めにかけてのこの長期休みは、お盆、正月休みと並ぶ国民的な行事と言えますね。

4月から年度が変わり、生活や仕事環境が大きく変わった人にとっては、やっと一息つける、砂漠の中に現れたオアシスのような休暇となるかもしれません。5月病という言葉がありますが、部署異動、転勤などといった大きな環境変化が自分自身に無くとも、4月というだけで色々な変化があったかと思います。

「毎日聞いていたラジオのDJ が変わった」、「新しいテレビドラマが始まった」というものから、「上司が変わった」、「同僚が増えた」、「仕事先の担当者が変わった」と仕事に直結する変化があった人もいるでしょう。一緒に暮らすご家族の生活が変わったかもしれませんね。

今年の4月は電気、ガスといったライフラインの値上げ、日用品の値上げも沢山ありました。物心ついた時から10円だったうまい棒もついに値上がりをしました。まだコロナ禍の先は見えず、たった一人の人間の暴走でも、それが一国の大統領であれば戦争が起きてしまうという現実も目の当たりにしました。気候の変わり目でもありました。自分は何も変わっていなくとも、周りの変化により、案外、私達は疲れているかもしれません。

▲大空を泳ぐ沢山の鯉のぼり。(北杜市高根町、道の駅「南きよさと」)

この連休は、自身を振り返り、体調を整える良い機会となりそうです。体調を整えるということは、ただ家でじっとしていることとは限りません。むしろ外に出て、体を動かし、気候の変わり目を肌で感じることも大事なのではないでしょうか。

そういった時に、最適なのは自然の豊かな場所かもしれません。4月にあった色々な雑事も、自然の中で、その自然のリズムに向き合うことで、自分のリズムを取り戻せることでしょう。

さて北杜市の「ゴールデンウィーク」といえば、道の駅「南きよさと」の鯉のぼりが印象的です。国道141号沿いの谷間に約450匹の鯉のぼりが風を受けて大空を泳ぐ様は見事なものです。ここ最近ではドッグランも出来て、ワンちゃん連れの方にも人気のようです。

▲夕暮れ時の田んぼ。水面に夜空の青色が写る。(北杜市高根町)

田園エリアに目を向けると、この連休を利用して行われるのが田んぼの水入れです。冬の間、干乾びた地面が見え、ひっそりとしていた田んぼですが、水が入ると印象が大きく変わります。

風が吹けば一面がキラキラと輝き、風の無い時は青い空や遠くの南アルプスの山々が映り込みます。夕陽の赤、夕暮れの青を映す様も美しいものです。田植えが始まるまでの短い期間でしか見られない景色となります。北杜市を訪れた際は、是非目を向けていただければと思います。良い休日をお過ごしください。(八ヶ岳事務所 大久保 武文)

宮城◆仙台市~塩竈市 /「いき」と「だて」【いくぞ!北東北・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2022年4月21日

▲遠く港が見える。

長野県諏訪湖近くの鰻屋で遅めの昼食を取っていたとき。「しかめっ面をしながらうまい鰻を食べるなんてのは野暮よ」とそのご老人はわたしに言ったのである。仕事が捗々(はかばか)しくなかった立春前のことだった。わたしを元気づけようと下社秋宮近くの静かな老舗鰻屋に誘っていただいた折の話である。そこはいかにも縦縞の似合いそうな艶やかでいきなお店であった。「野暮とはまた、久しぶりに聞きました」

▲諏訪の鰻重。

仙台の繁華街のはずれにあるカウンターだけの店で牛タンを食べたあと、ひとしきり地元の本屋で立ち読みをするというのが出張時のわたしのルーティーンのひとつだ。この仙台をはじめとして盛岡、秋田など東北の主要都市には個性的と呼びたい本屋が多いように思える。2年前の春に始まった御書印プロジェクトに参加しているところもある。

と、新刊棚に懐かしい書名を見つけた。『「いき」の構造』(パイ インターナショナル刊)だ。著者は九鬼周造。1930年(昭和5年)に雑誌「思想」に発表され、その年の10月岩波書店より発刊された戦前の名著である。

「九鬼」といって思い出されるのが戦国時代に紀伊水道あたりを中心に名を馳せた「九鬼水軍」だが、周造はその末裔だといわれている。わたしがその難解な古典と初めて出会ったのは、大衆酒場の有線放送で「ラ、ラ、ラーッ」と聞いたこともないダミ声が繰り返し流れていたころのことであった。記念すべきサザンのデビュー曲だ。

▲仙台の牛タン。

煙草の煙がもうもうと立ち込めるなか、5階の研究室では先輩方が当時の最先端の思想家の名を出しながら、その時代の社会をとても熱く論じ、知らないではいられない雰囲気がそこには充満していた。わたしにとって『「いき」の構造』とはそうした文脈に置かれた、息苦しくも忌まわしき本であったのだった。

それが今、新しい判型で江戸紫の鼻緒の写真が目を引く本として生まれ変わっていたのである。誤解を恐れずにいえばとってもオシャレな新刊だった。しかもここは伊達様のお膝元である。

「だて」は「立て」との一説もある。目立ち、好みがあかぬけ洗練されいきであること(『広辞苑』第七版)。人通りの少ない繁華街から宿に戻り、あらためてその本を読んでみた。

新かなづかいや句読点などによって格段に読みやすく大川裕弘氏の写真も素晴らしい。実に座右の銘になりそうな字句が散りばめられており、わたし的には今年上半期を代表する一冊として推薦したいぐらいであった。

そしてふと谷崎潤一郎の『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』のことを思い出してもいたのだ。

amazonで購入▲『「いき」の構造』と『「いき」の構造』を読む(安田武 多田道太郎著、ちくま学芸文庫

私がはじめてこの地方に来たのは20代の半ば。仙台から北東へ17キロほど行った松島湾に面した塩竈市のまちづくりで、ちょっとした仕事をさせていただいたことがあったのだ。仙台近郊の発展著しい隣接市町村に取り残されてはならぬとばかり、「土地区画整理事業」と「都市再開発事業」を組み合わせたプロジェクトがここでは進行しようとしていた。

▲芭蕉も訪れた塩竈神社境内の灯籠。

わたしは徹夜で仕上げた報告書を手に朝一番の新幹線に乗り込んだ。待ち合わせをしていた年上のコンサルタントにまず報告書に目を通していただくためだ。開口一番「ダメだな」と彼。その後仙台に着くまでわたしの仕上げた報告書を散々にこき下ろし始めました。

▲あまりに有名な青葉城の伊達政宗公像。

その後市役所の担当課に着くなり、彼は「中村氏の報告書はたたき台にもならないかも知れません」と言い放ち、30分後大会議室の満場のなかわたしは蚊の鳴くような声で報告書を読みはじめたのだが、10分足らずで話は打ち切られた。こうしてわたしの惨めな「初東北」は終了したのである。

会議室を出た後、港の方へ行きしばらくぼんやりしていたが、通り沿いにある酒屋にふと目が止まった。そこできれいな輸入ワインを一本手に取った。

薄暗がりの店のなかで縦縞細おもての女性が「いきなおにいさん、このいきなワインを買ってて」こんな一日でも悪いことばかりではない。甘いロゼの香りがした。(宮城・岩手・秋田担当 中村健二)

山梨◆八ヶ岳/久々の新宿 ~ もう沖縄にいるとしか思えない ~ 【八ヶ岳スタッフ・巡り巡って出張探訪記】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年4月18日

令和4年2月某日。久々の新宿。ここ数年はめっきりと行くことが少なく、この度は仕事での訪問。目的は仕事ですが、個人的な目的がもう一つ。私は沖縄に移住した経緯があるほど沖縄大好き人間。ただ、現在住んでいる山梨には沖縄ショップと沖縄料理屋が無い。そんな日々の小さな残念?を解消したいと思ったのだ。

新宿駅東口には過去に何度も通った沖縄食堂「やんばる」がある。そして京王百貨店には沖縄ショップがある。久々の食堂「やんばる」は沖縄の空気感そのもの。まず店員さん同士の会話が、沖縄の訛とリズム。店内に流れるBGMは本州では無名の沖縄ポップ。オリオンビールのポスター。全てが懐かしい。注文をしたのはゴーヤチャンプルー定食。沖縄の炊き込みご飯のジューシーに、沖縄そばが付いてくる。安定の美味しさだ。奇をてらわない素直な味付けが沖縄らしい。さんぴん茶が付くのも嬉しいところ。

沖縄で日頃飲まれるさんぴん茶。本州で言うところのジャスミン茶なのだが、少し苦みが強い。この苦みが沖縄の暑さにピッタリなのだ。もう沖縄にいるとしか思えない。その後、沖縄ショップにて食材を購入。東京に居ながらに沖縄に迷い込んだ素敵な一日となりました。(八ヶ岳事務所 大久保 武文)

山梨◆八ヶ岳/春宵一刻千金の候、4月の八ヶ岳事務所より【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年4月1日

▲集落の外れ、お寺の山門に咲く桜。(北杜市高根町)

北杜市にも春が訪れています。春と言えば桜。花見の季節ですね。桜の花の下でどんちゃん騒ぎというのは、周りの目が厳しい世の中ですが、青空の下、桜の花を見上げに散策に出かけるのは構わないでしょう。

桜前線を追いかけながらキャンピングカーで日本を縦断する方もいらっしゃるそうです。キャンピングカーと言わずキャンプをしながら日本を北上していくのも良いですね。季節の変化とともに居住場所が変わる・・・遊牧民みたいでロマンを感じてしまいます。

そういえば以前ご案内したお客様にシェアハウスを経営されている方がいました。月5万円程を払うと、全国に点在する拠点のどこにでも住むことができるサービスで、旅をするように暮らすことができるとのことでした。

ネットで調べると、全国どこでも住み放題というシェリーハウスのサービスが広がっているようです。こういったサービスで点々と桜前線を移動しながら、自分にあった田舎を探すことも可能ではと思う今日この頃です。

八ヶ岳南麓では桜は標高の低い場所から坂を駆け上がるように順々に開花をするので、比較的長い期間にわたって花見を楽しむことが出来ます。 最初の見どころは、北杜市に隣接する韮崎市の「わに塚の桜」でしょうか。西側に山を背負い、緩やかな傾斜に棚田が広がるまん中に、大きな桜の木がどんと1本立っています。

▲田園風景の中に現れる一本桜「わに塚の桜」。(韮崎市神山町)

樹齢約330年のエドヒガンザクラ。桜の先には残雪を残した八ヶ岳や富士山の姿も見え、多くのカメラマンが訪れる人気のスポットとなっています。例年ですと満開の頃は3月下旬頃。見ごろの時期にはライトアップがされるとのこと。星空の下の夜桜、魅力的なシチュエーションです。

北杜市の桜の見ごろは4月上旬からです。推定樹齢1800年の山高神代桜に始まり、4月中旬には750mの桜のトンネルが見事な真原桜並木、清春芸術村のお庭に植えられたソメイヨシノが見ごろとなります。

須玉町下津金地区に明治、大正、昭和時代に建てられた古い校舎が並ぶ廃校があります。現在はレストラン、お土産売り場もある観光名所ですが、桜が立ち並ぶ校庭はまるで映画のワンシーンのよう。

一瞬で時代を遡ったような不思議な気持ちになります。こちらの桜の見ごろも4月中旬頃。気温も上がり、体も軽くなるこの時期、様々な桜を見に北杜市へ訪れてください。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

巡り巡って北杜市探訪◆わに塚の桜 (山梨県韮崎市神山町北宮地624)

長野◆塩尻市/物件ウォッチ誌上オンエアー (文化放送「大人ファンクラブ」毎週土曜日06: 25 より。中村の放送回は毎月第4週目)

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2022年3月23日

長野県塩尻市店舗兼住宅 950万円
「関所と漆器の町の住まい」(物件№16989H)

今回は長野県塩尻市の趣のある物件をご紹介します。塩尻市というのは端的にいうと二つの顔を持つ市で、とても特徴のある町。

塩尻市は県のほぼ中央、信濃の国の四つの平らのうち、松本平の南端に位置し人口6万5千人ほどが暮らす中核市だ。北部は扇状地が広がり水はけと日当たりの良い土壌、寒暖差が大きい気象条件を活かした果樹栽培が盛んで、ことにブドウの一大産地として内外に知られ有名ワイン酒造メーカーも数多い。

▲市内のワイン酒造メーカー。

▲市内のワイン酒造メーカー。

いっぽう、諏訪湖の北岸下社秋宮(しもしゃあきみや)の門前で甲州街道と交わる中山道はここ塩尻を通り、新大関となった御嶽海(みたけうみ)の故郷・上松町(あげまつまち)から恵那山峠を抜け岐阜の中津川などから京へ上る五街道のひとつとして、京と江戸を結ぶ古くからの交通の要衝地であった。途中、わたしの好きな「岐阜・高山」へも抜けられる。

さて中央道塩尻インターを抜け南西方向へ。いまの中央西線・洗馬(せば)駅辺りからは景色が一変する。ブドウ畑があっという間に峡谷に変わるのだ。蛇行する奈良井川と交差すると国道19号線の真新しいトンネルが出来ていた。トンネルを抜けると「是より南 木曽路」となる。かつての尾張藩領に入ったのである。

▲塩尻インター出口。

その少し開けた河川敷にあるのが「贄川(にえかわ)関所」だ。木曽福島の添え番所として藩の貴重な木曽檜で作られた漆器類、そして「出女」の取り締まりにも目を光らせていたという。いまは市の教育委員会の管理するこの関所管理人の案内で、室内を拝見した(入館料は300円)。

▲贄川関所。北側は奈良井川の急傾斜の渓谷となっている。

その最奥にある小部屋こそ出女に対するキツい取り調べが行われていたといい、そこはかとない隠微さが漂っていた。わたしはこれまでも新居(あらい/静岡・湖西市)や気賀(きが/静岡・浜松市)、尿前(しとまえ/宮城・大崎市)などの関所を越えてきたが、江戸時代の旅人にとってここもひと苦労の場所であったのだ。

国道19号をさらに南下しコンビニの手前で右折するとそこは旧中山道となる(国道257号線)。ここは国道、鉄道、河川が平行に走っている。周辺には道の駅や市の最南端の「楢川支所」があるが、いきなり歌舞伎座と思しきものが現れた。車を停めて見ていると人が寄ってきて「うちの社長がコロナ禍でも元気を出すように、発奮して」作ったのだという。地元の業務用家具を専門に作る社屋だった。正面には吉良上野介邸の立派な門構えも。ありがたく写真も撮らせていただいた。

▲旧中山道の歌舞伎座(?)。

そこを過ぎた高台からは木曽平沢の町並みが一望できた。木曽漆器の本場であり、「重要伝統的建築物群保存地区」に指定されている職人の町である。目指す物件はその中心地のメインストリート沿いにあるのだ。沿道では除雪に精を出す住民も多く、どこかタイムスリップしたような感覚だ。

物件は角地にあたる。その脇を抜け140メートルほど上ると正面が木曽平沢駅である。雪にたたずむ漆職人の町。クラシカルな趣きのある木曽路だが、この先の奈良井や福島といった宿場とも異なり、職人の技を今に伝える貴重な町として、この物件も再生されんことをわたしも切に願う。

▲平沢地区のメインストリート。

所有者は県内在住者でこの物件を相続にて引き継いでいる。高齢により通いきれなくなったためのご売却と聞いている物件だ。築年が昭和36年というから、この建物も還暦を過ぎたことになる。わたしともほぼ同い年ということだ。内装はところどころ傷みが見られるものの10年ほど前に屋根を張り替えている。水回り設備を中心に取り替えの時期にもきているということだ。かつては職人たちもともに寝泊まりした建物で、ペンション並みの広さがある。好立地をさらに活かせるような店舗(インテイリアや雑貨、飲食店など)夢の広がる物件だ。

そのあと、国道19号を南下し権兵衛トンネルを抜け伊那谷に出て八ヶ岳への帰路についたのだった。(八ヶ岳事務所 中村 健二)

▲中央西線木曽平沢駅より見た町並。

※この物件(物件№16989H)は本誌『月刊ふるさとネットワーク』1月号に掲載しています。また、放送日は3月最終土曜日となります。

山梨◆八ヶ岳/浅春の候、3月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年3月1日

▲3月上旬。北杜市でも梅の花が開花。(北杜市高根町)

八ヶ岳南麓で生活する中で、3月は寒さの中にも日々、春の訪れが近づいていることを実感する季節でしょうか。「今年の冬は寒いね?」という言葉が挨拶となった今シーズンの冬でしたが、それも後半戦へと足を踏み入れました。

例年ですと、寒さは2月の中旬を底に、最低気温が緩み、3月の初旬あたりは最高気温が10度を超えはじめ、春分の日を迎える3月後半には最高気温が15度、日によっては20度とぐんぐんと上昇してきます。日が長くなるのも嬉しいですね。

街明かりの少ない北杜市では、都心に比べ夜の訪れがダイレクトに感じます。1月には17時くらいには暗くなっていたことを思うと、随分と明るい時間が増え、季節が着実に進んでいることを感じます。植物も気温の上昇につれ、春の訪れを感じさせてくれます。北杜市でも3月上旬に梅の花が見られるようになり、3月中旬には道端にムスカリ、菜の花などが賑やかに咲き出します。

▲3月中旬。道端にはムスカリ等の花々で賑やかに。(北杜市須玉町)

花見といえば桜の花が一般的ですが、歴史をさかのぼると、奈良時代は花見と言えば梅の花だったそうです。「万葉集」で詠まれた歌の数も、桜より梅が倍以上詠まれているとのこと。そういえば、都内に住んでいた時に使っていた小田急線の沿線に「梅が丘」という駅があり、梅の花見に行ったことを思い出しました。季節は2月、北杜市より1カ月ほど早い開花ですね。まさに駅名のとおりの立地で、駅から歩いて直ぐの所に梅林の丘があり、まだ寒空の下、多くの方が花見に訪れていました。

花を見ることもですが、梅の香を楽しまれている人が多いのが印象的でした。調べてみると山梨県にも梅の名所がいくつかあるようです。その中の一つが甲府市の不老園。インターネットで名所を調べていたところ、偶然にも北杜市のスーパーにもパンフレットが置いてありました。総面積約5万平方メートルにおよび広大な山を切り崩し、谷を生かし、池をつくり、その周辺に30数種類、約2、000本の観賞用の花梅木や赤松、桜、南天、つつじ、もみじ、牡丹等が植栽されている梅園とのことです。なんだかとても広そうですね。

開園の期間も梅の花が楽しめる2月と3月の季節限定。甲府盆地を一望できる高台に位置し、南に富士山、西に南アルプスの山並みを望めるとのこと。なかなか魅力的な場所のようで、今年は是非足を運びたいと思います。皆さんのご近所に梅園はありませんか?今年は桜の前に梅から花見を開始するのも良いですね。素敵な春となりますように。(八ヶ岳事務所 大久保武文)


▲スーパーで見つけた梅園「不老園」のパンフレット。

不老園 ~開園明治三十年~ 富士山の見える梅園
http://www.furouen.jp/
甲斐路の春は 梅の名所不老園から

山梨◆甲府/【オンライン開催】やまなし暮らしのリアルを知る相談会【来てくれんけ甲斐路・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2022年2月15日

山梨県への移住定住や二地域居住を応援する官民共同組織である「甲斐適生活応援隊」は、組織のメンバーは山梨県をはじめとした19自治体のほか、不動産、住宅、金融、就職等民間50社が参加しています。

この中には県都・甲府市のほか、超大型ショッピングセンターや医大病院があり若い世代の県民に人気のある昭和町・中央市、過疎地といわれながら独自の取り組みにより移住者人口を増やしている早川町や小菅村、そして八ヶ岳や富士山の麓で別荘地も多く名水等の自然環境や移住者による特徴ある店舗の開店が著しい北杜市や富士河口湖町が含まれています。

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わたしはこの会の会長代理(会長は当社創業者の佐藤彰啓)を任されており、昨年末の役員会でこの2月の相談会はオンラインではなくリアルな対面にしようということで話がまとまった経緯がある。しかしながら、昨今のオミクロン株の感染拡大を受けて、今回も完全予約制ですべてオンラインでの相談会とせざるを得ない状況となった。

かつては県の窓口も「観光振興課」であった。対面で開催した時は観光物産会場に行くこともあり、あるときなど品川区のスーパーでハッピを着込んで県内産のワインをPRする県の職員の手伝いをしたことも。

移住が人口対策や空き家問題でクローズアップされ、「空家特措法」が施行されて以降は、横浜会場においてはオープン前から来場者が並んで待っておられるなど人気を博したことが懐かしい。

新宿の会場では隣接の静岡県と共同で移住相談会を開催したこともあった。ちなみに静岡県出身のわたしとしては、「静岡県人、山梨県民」が基本的スタンスだ。その間、山梨県では「移住問題対策課」と担当課が変わっていた。

そして現在は「リニア未来創造局二拠点居住推進課」が担当している。相談会場場所も東京有楽町の「東京交通会館」内で固定化するようになった。当社も多少の変動はあったものの引き続き八ヶ岳事務所の安江と原が相談会ブースで対応させていただいている。

また、相談会にお越しいただいてご自身の体験談を語っていただく講師の方々には本当にお世話になった。語学と絵の才を活かして世界中を旅してきた方、賃貸物件の空き家バンクを通じて移住され、その物件を購入し子育てと地域活動に取り組まれている方、相談会場近くのご出身で身近な移住者として物件購入について優先順位をつけること等を熱く語っていただいた方。いまも心に残っている。

さて、ここで昨年11月13日に行われた相談会の話。会場は「東京交通会館」(民間)と山梨県内のオンライン会場(自治体)とに分かれて行われた。東京には15組の来場者があり、地域おこし協力隊メンバーとオンラインによる地元で参加した安江の話では数組の相談があった。

当日のアンケートでは、テレワーク経験者が1/3あり、コロナ禍での暮らし方が現れた結果といえる。参加者の多数を占めるご回答を要約すれば次のとおり。

ご夫婦で中古住宅を購入し、住まいが決まったのちに移住を決め、その候補地は北杜市(八ヶ岳南麓)を希望している。ただし、この期に就労や転職をお考えの方も3割弱あった(貴重なご意見ありがとうございました)。

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今回の年度末・最後の相談会では、八ヶ岳事務所事務所より新着物件をご用意しております。また、『月刊ふるさとネットワーク』で毎号「星空散歩」コーナーを担当し、「星空ソムリエ」としても活動する安江が八ヶ岳の星座や流星群の話をさせていただきますので、あわせてご拝聴ください。(八ヶ岳事務所 中村健二)

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山梨移住相談会(甲斐適生活相談会)開催のお知らせ

【日時】2022年2月19日(土) 12:00~17:00

【参加方法について】
・完全予約制
・申し込みフォームに必要事項を記入してお申し込みください。

【実施方法】
・セミナー、移住相談含め、すべてオンラインでの実施となります。

【内容】
・個別相談会(12:00~17:00)
第1部 12:00~15:00 ※セミナーの時間を除く(12:30~13:00)
第2部 15:30~17:00

・リアルな山梨移住体験談セミナー
12:30~13:00  安江 美香 氏 「星のソムリエによる星空移住」
15:00~15:30  黒澤 駿 氏  「楽しい!を追求する地方での起業」

【お申込】こちらをクリック
※中村のブログを見た!とお書き下さい

お問合せ  山梨県二拠点居住推進課  (055 -223 -1632)
または ふるさと情報館八ヶ岳事務所 (0551 -46 -2116)まで

https://www.kaiteki-seikatsu.org/

山梨◆八ヶ岳/立春の候、2月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年2月4日

▲枯草、落葉した木の先に雪化粧をした南アルプス。(北杜市高根町)

暦では2月4日は立春となります。正直、北杜市にいると「春の始まり」という感覚はまだありません。1月下旬から2月の中旬ぐらいまでが年間で最も気温が下がる時期となります。夜明けの時間帯が一番冷え込み、日によっては気温がマイナス15℃度に達する日もあるほどです。

毎年、我が家の給湯器の調子が悪くなるのもこの時期でしょうか。昨日までは普通にお湯が出ていたものが、ある朝、急に動かなくなる。早ければ日中に動くようになるのですが、機械にとっても八ヶ岳の寒さは厳しいということなのでしょう。他にも身近なとこではスマートフォンやカメラのバッテリーの消費が激しくなります。充電満タンのはずが、取材中にカメラのバッテリーがまたたく間に切れて驚いた事がありました。最初はバッテリーの経年劣化かと思いましたが、原因は「寒さ」でした。現在は、ズボンのポッケに入れて体温でバッテリーを温めておけば、通常どおり動いてくれています。同業者の方から教えてもらったのですが、私にとっては「生活の知恵」となりました。

ヨーロッパ、中国を中心に普及が進んでいる電気自動車においても、バッテリーの温度管理が大事なようです。外気が暑いときにはバッテリーを冷まし、寒いときにはバッテリーを温めることで、航続距離を随分と伸ばせるという話を聞きました。寒さの厳しい八ヶ岳の気候は、電気自動車には負担が大きいかもしれません。ただ、脱炭素の波は確実に、地域を問わず日本にも訪れることでしょう。八ヶ岳で最もポピュラーな暖房は「灯油ストーブ」ですが、暖房機器にも脱炭素の流れがくるのでしょうか。なんだか、当たり前に使いすぎているので、「石油ストーブ」が無くなるというのは現実感が湧かないところです。

一方で、薪ストーブが環境に優しい、カーボンニュートラルな暖房だと言うのは嬉しい話です。ただ、それも継続的に「森林」を育てていくことが大前提となります。昨年は「ウッドショック」(※)という言葉が聞かれましたが、現在、薪の調達も難しいという話をお聞きします。冬の暖房をどうするのか、北杜市に住む上で、今後は大きなトピックとなりそうです。

寒い、寒いと書いてきた2月の北杜市ですが、後半にもなると所々で「春の訪れ」を感じることがあります。新緑の時期はまだ遠く、畑も草原も枯草でまっ茶色な状態ですが、足元をよく見ると、枯れ葉の間から小さな草花が咲いている様が見えるようになります。いつの間に葉を伸ばし、花を咲かせていたのだろうと不思議な気持ちになります。八ヶ岳おろしの冷たい風が吹き、時には雪がちらつき、朝は霜柱が立つ、そんな過酷な環境の中、地面の下で着実に新しい命を育んでいた事に、リスペクトの気持ちさえ湧いてきます。小さな春を探しに、寒空の下、お散歩するのも良いものですね。
(八ヶ岳事務所 大久保武文)

※ウッドショック:新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、建築用木材の供給が需要に追いつかないことに起因した木材価格の高騰の状況。1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえてこのように呼ばれている。(経済産業省ホームページより)

▲2月の下旬。仏の座、オオイヌノフグリが咲き始める。(北杜市大泉町)