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宮城◆仙台市/青葉城【北の国から・制作スタッフ進行日誌】 

この記事の投稿者: 編集

2024年5月15日

▲伊達政宗公騎馬像。

独眼竜で知られる伊達政宗。18歳で家督を継いだ後すぐに頭角を現し、なんと24歳の若さで奥州随一の勢力にのし上がります。

関ヶ原の戦い後、徳川家から62万石の領地を手に入れたことをきっかけに、政宗は仙台城に拠点を移し、仙台藩の初代藩主となります。

仙台城は青葉山に建つことから青葉城と呼ばれています。天守閣は徳川家康の警戒を避けるためにあえて設けなかったそうです。

青葉城の東は広瀬川の断崖絶壁が天然の石垣の役割を果たし、南は竜ノ口渓谷の深い谷、西は青葉山の鬱蒼とした森で三方向が天然の要害に囲まれています。唯一の弱点が比較的緩やかな北側だとか。

現在は残念ながらお城は焼失していますが石垣と再建された脇櫓(わきやぐら)、政宗公騎馬像を見られます。

▲仙台城跡から見る景色

なんといっても本丸からは仙台市内を見渡せ、晴れていると太平洋が一望できます。

青葉城資料展示館では再現された青葉城を高精細ハイビジョンCGで見ることができるそうです。気になる方はお出掛けください。(本部 菊地美穂)

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青葉城(公益財団法人仙台観光国際協会ホームページより引用)
・住所:宮城県仙台市青葉区川内1

・アクセス
JR仙台駅西口バスターミナル16番のりば るーぷる仙台「仙台城跡」前下車すぐ(※バス停から本丸跡までは階段があります。)
地下鉄東西線「青葉山駅」から仙台市営バス 八木山動物公園行、または「八木山動物公園駅」から青葉台行き「仙台城跡南」下車

・青葉城資料展示館見学等料金
個人:大人700円、中高生500円、小学生300円
団体(20名以上):大人630円 中高生450円 小学生270円

・営業時間
入園自由
※青葉城資料展示館は、 4月〜10月 9:00〜16:20(受付終了15:50)、11月〜3月 9:00〜15:40(受付終了15:10)

・駐車場
普通自動車:あり(有料)
大型自動車:あり(有料)
[大型バス]30台/2時間2,000円 以後1時間ごと1,000円
[普通車]150台/1時間600円 以後30分ごと300円(18時以降無料)

宮城◆旧岩出山町~旧中新田町/岩出山城址と加美町の田舎道【行くぞ!北東北・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2022年5月30日

仙台から真北方向へ60キロほどの場所にある「大崎市・岩出山(いわでやま)」と音響効果にすぐれているといわれるバッハホールのある「加美町(かみまち)」の話である。なかなか味わい深い場所であるので今回ご紹介させていただくことにした。

岩出山城は伊達政宗公が天正年間から慶長年間の12年(10年という説もある)を過ごした断崖絶壁の城である。24歳から35歳のころだ。いまでいう人生の節目に当たる年だともいえる。

その後四男が後を継ぎ岩出山伊達家が誕生したといわれる。馬出しのあった場所からは市街地、江合川(えあいがわ)そして名峰・栗駒山(標高1626m)を望むことができる。本丸跡を下って行けば1キロほどで『有備館(ゆうびかん)』に着く。

『有備館』とはなにか。江戸時代の伊達藩家臣である岩出山伊達家が開設した学問所で、郷学と呼ばれる。中国故事の「備え有れば憂いなし」がその出典だ。開校は幕末の嘉永3(1850)年頃と考えられるという。現存する『有備館』の建物と池を見るには入場料(350円)が必要だが、一見の価値ありだ。

▲陸羽東線岩出山駅と構内の産直売場。

隣接した「東北の駅百選」の有備館駅構内には「伊達政宗公騎馬像」がある。この像はもともと仙台駅にあったもので2008年にこの場所に設置された。(日付とは関係なくウソではありません。)

伊達様のお城下から丘陵地帯へ。県道を走るとすぐに雑木林の疎林を尾根づたいに道路を進むことになる。途中、国立音楽院の宮城キャンパスの脇を抜けた。昨年の11月にはバッハホールでウインターコンサートも開かれていた。大崎市から加美町に入ったのだ。

▲息を飲む風景が広がる馬出し跡。

「加美町」は「群馬県甘楽町(かんらまち)」と同様、非常にきれいな町名だが、神の宿る場所を表すといわれる「賀美郡(かみごおりぐん)」に由来するらしい。そして町の中ほどに聳(そび)え立つ独立峰の「薬莱山(やくらいさん)」(標高553m)は町のシンボルとして「加美富士」とも呼ばれている。

ところでこの町の「中新田(なかにいだ)」を私は「なかしんでん」と言うのだと勘違いしていた。静岡県には御前崎に「池新田(いけしんでん)」というところがあるためだが、女優の「新垣(あらがき)さん」を「にいがきさん」とずっと思い込んでいたように読み方は難しい。

▲池越しの「御改所」と室内。

宮城県の中西部に位置する加美町は570平方キロの町域に27800人(推計人口)が暮らす(2022年3月1日現在)。内陸性の気候のため寒暖差が大きく積雪量もやや多めのようだ。ただし下多田川あたりの尾根沿いの別荘地でも町では除雪してくれるようだ(町建設課に確認)。

▲境界杭に「中新田町」の刻印。

町の東西を国道347号線(中羽前街道)、南北を国道457号線(羽後街道)が走り古くから交通の要衝地であった。ここからどこへでも出られるというのはちょうど、岩手県の「遠野」に似ている気がした。山あいの雑木林あり、牧場あり、農地ありの田舎道はどこかほっとする場所だ。

空き家バンクの登録物件を見てみよう。宮崎支所や小野田支所など町場が中心で、別荘地はほとんどない。丘陵地と田園の近接したところで移住者が農業を始めており町の活性化に一役買っている。さらに東北自動車道古川インターに向かうバッハホールのある辺りは精密機械工場が集積しており、大崎市と並んで一大精密機械産業都市としての顔を持つ。

▲中新田にある本庁舎。

30万都市圏の一翼である岩出山から加美町はいまもなお、伊達藩の進取の気性と渋みを受け継ぎながら「備え有る」まちづくりを目指しているように思えた旅であった。(宮城・岩手・秋田担当 中村健二)

山形◆長井市/歴史ある旧家の今を伝える【地方出張・担当旅がらす】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2020年1月24日

日本海と米沢を結ぶ最上川舟運の港町として栄えた町、長井市に物件情報があって訪問した。物件は長井市歌丸の、田圃に囲まれた堂々たる旧家で、屋敷林の中に、茅葺の母屋、土蔵2棟、畜舎(倉庫)4棟などが並ぶ。高齢になる家主は施設に入所し、家を管理している息子から、大事にしてくれる次の方に引き継ぎたいと弊社にご相談いただいた。土地・建物とも売却のご意向だが、今すぐに引き渡せない事情があるため、売却物件としての広告は出さずに本稿でご紹介とさせていただく。

一体となった宅地部分は550坪、ほかに農地2町5反がある。周囲の民家からは独立した立地で、開放的な田園風景の中に建つ。山形県で茅葺の古民家と田舎暮らしに興味のある方は、近く売り出される予定の当家にも是非一度足を運んでみていただきたい。価格未定だが売主には価格へのこだわりはない。農地はいずれ売却可能で、敷地内の菜園用地だけでも十分な広さがある。

推定築350年、もっとも古い当家の記録は仙台市博物館に所蔵されている伊達家古記録(米沢市史にも収録されている)資料にも見られ、伊達政宗が家督を継いだ天正十二年(1584年)に税にあたる段銭仁百八十文を納めたという。以来代々農業と酪農を営んできたが、現在2町5反の農地は県を通し十年の期限をつけて分家家族などに耕作してもらっている。

今も学術的調査が進められている茅葺の母屋は途中増改築の形跡が残るものの三百年以上前の建築様式に近いという。個性的な屋根の形は、同じ長井市内にある呉服商で、現在は資料館として一般に公開されている「丸大扇屋」によく似ており、この地域の建築の特徴を伺うことができる。トイレ、台所など現代の生活設備が並ぶ同じ空間に、囲炉裏と自在鉤、車箪笥や古い大福帳、鉄瓶に長火鉢も見られ、現在に至るまで連綿と居住されてきたことが分かる。茅は葺き替えのためにストックしておいたものがあり、今年春には葺き替えの予定という。母屋前に建つ2棟の物置は元茅葺だったもので、現在は鋼板葺である。(本部 山中準一)