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岩手◆遠野/ドングリころころ!でございまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年10月16日

漫画みたいな出来事が起きてしまいました。

自宅の裏山の牧草地では大型トラクターによる乾燥牧草の収穫が最盛期を迎えております。現在は乾燥牧草を500㎏位のロール状に巻き取って収穫するのですが、作業中に操作を誤って、その一つが斜面を「ドングリころころドンブリコ」と転がりだし、100mも転げ落ちて、トラクターの入れない狭い小川に填はまって、下流の水田への用水を止めてしまったから、さあ大変!

トラクターで遠くからワイヤーで引き上げようとしても500㎏もの重さの丸いロールがズポッとはまったのですから、ワイヤーの掛けようがないのです。

天気予報では夕方から大雨とのことなので、乾燥牧草を濡らすわけにもいかず!下流の田んぼへの水も止めるわけにもいかず!一刻の猶予もない状態で途方に暮れていた時です。農作業もした事の無い息子と、お盆に帰省中の娘が、「ロールの撤去は人の手でやるしかないじゃないの!」と言って手伝いを買って出てくれたのです。

30度を超える炎天下の中、親子三人で暑さにクラクラになりながら約2時間でロールを解体し一輪車で何度も何度も運搬して、雨が降る前に撤去を終えたのでした。お蔭様で十数年ぶりに親子の力が結集した成果でした。(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/田舎暮らしは自然が相手でして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年9月29日


昨今の田舎事情で、各地でサルやイノシシ、シカなどの食害が多発しているのは、まさにその通りなのですが、私の住む当地域もご多分にもれず、シカが単独に限らず十数頭の群れをなして、集団で里山の中を堂々と闊歩することが日常茶飯事であります。

そこで、数年前に地域の住民で構成した組合の呼びかけにて、行政の「有害駆除助成金」を活用し、ソーラー発電による「電気牧柵」を集落の周囲の林との境に、延べ5キロに渡って設置しました。


もちろん電圧は人体に影響するようなものではなく、安全なレベルなのですが、さすがに不用意に接触すると、思わず飛び跳ねるようなショックを感じます。これが、理屈の分からない自然の動物ならば、慌ててビックリするのも無理はなく、設置した当初は殆んど侵入しなくなります。


しかし慣れとは恐ろしく、跳躍力のあるものは、この電気柵を軽々飛び越えたり、中には電気ショックに鈍感なのか、お尻でこじ開けて侵入するものも現れる始末です。それでも、従前よりはかなり出没が減少してるので、当組合では年に数回は巡らした電気牧柵の下草刈りと、中には体当たりで倒された支柱等の補修作業を実施しています。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/ようやく国土調査がやってきまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年8月15日


当事務所のある地域では、今年から山林の「国土調査」が実施されています。 「国土調査実施済み地区」とか「未実施地区」などの言葉は、不動産取引の中でよく耳にする言葉で、市街地の住宅地は都市計画や分譲の際に地積測量が実施されているので、ほぼ境界杭等はあるのですが、特に田舎の土地で山林などは実施されていないところが多いです。

現在の法務局や行政に保管されている図面、面積の多くは、明治時代(地租改正)に作成されたものだそうです。国土調査とは昭和26年以来国土調査法に基づいて地籍調査(境界、面積、所有者、地目、地番に関する調査)をするものです。

地籍調査の効果として、

①公図、登記簿が一致する為、土地取引等の確実性が得られるほか、土地境界をめぐるトラブルの未然防止。

②土地の境界点が経緯度との関連(座標)をもった公図になるので、災害等により境界が分からなくなっても、境界を現地に復元できる。

③土地の分筆、売買等を行う場合に測量費等の費用負担を軽減できる。

等々の利点があります。

なにより、それらにかかる費用はすべて行政で負担してくれますので、有り難い限りです。日本全土で実施されれば土地取引も容易になるのですが、調査の実施状況は全国平均52%だそうです。岩手県は91%と比較的進んでおり、関東、中部、北陸、近畿地方は10~30%と遅れているのが実態だそうです。(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/ふるさと村と虎舞でございます【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年7月9日

遠野市の北側に位置する附馬牛町(つきもうしちょう)に、「遠野ふるさと村」があります。此処に江戸期から明治にかけて建築された厩舎と作業場及び母家を、鍵形に繋いだ茅葺の南部曲り屋が十棟ちかくも移築されて、清流の小川、水車小屋、蔵、納屋等々が長閑な村の風情を醸し出し、入村する者を懐かしい時代へとタイムスリップさせてくれます。

ここでは五月の連休のメインイベントとして、遠野郷の郷土芸能が出演して観光客を楽しませるのですが、今年も当事務所のある暮坪集落に伝わる郷土芸能の虎舞が招待されて、小生も助太刀で参加して来ました。

虎舞と言えば、岩手では沿岸地区に多く伝わる郷土芸能ですが、当団体は内陸部には珍しいもので、特に梯子かがりは垂直に立てた梯子に「ササラ」という舞手が、虎を相手に舞う姿は、スリル満点のサーカス的な魅力と興奮を与えて、毎回観光客の皆様から盛大な拍手をもらっています。皆さんに喜んでもらうと、たかが助太刀の小生でも芸能者としての満足感は心地よいもので病みつきになるから不思議です。

このふるさと村では、四季折々に遠野郷に伝わる芸能や、濁酒祭り等々の多彩なイベントが開催されますので、是非お寄り頂きたいところです。(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

「遠野ふるさと村」(岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛5−89−1)

岩手◆遠野/白樺樹液採取体験学習でございます【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年6月18日


先頃、地元の小学三・四年生、二十数名と関係者で、遠野市上郷町の佐比内牧野管内の白樺林で樹液採取体験学習がありました。上郷町内でも少子化が進み、昭和三十年代に五百名位いた小学生は、今では八十名弱まで減少して寂しい状況ですが、地元の子供たちに森林との関わりを持ってほしいと、地元の牧野組合と関係者が連携して十数年まえから取り組んでいるものです。

白樺の樹液は、雪の溶けかかった遠野の早春に樹齢30年くらいの木の幹に穴をあけると、無色透明な樹液が溢れてきて、一昼夜もすると20リットルほどが溜まります。この樹液は、ほのかに甘く、さらっとしたさわやかな飲み心地のする液体で、一年のうち、早春の一カ月しか透明な樹液は採取できず、ユーラシア大陸の北方諸国や日本のアイヌの人々に古くから知られた健康的な飲み物として愛されて飲まれてきたそうです。


成分的には果糖・ブドウ糖などのアミノ酸やリンゴ酸などの有機酸、カリウム、亜鉛、マグネシウム、マンガン、鉄、リンなどのミネラルが含まれているそうでして、確かに自然の健康飲料です。子供達も初めての体験に不思議そうにしていましたが、何杯もおかわりするほどの盛況ぶりで、地元の自然に触れ合う良い機会になっています。  (みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/ジンギスカンで花見の宴が開催されまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年5月10日


当事務所は遠野市内の片田舎、上郷町赤沢集落内にあります。遠野三山の一つで六角牛山(ろっこうしさん・標高1120m)の登り口にある23戸ほどの小さな集落です。

昭和20年以前までは地元民のほかにも、沿岸の釜石市や大槌町からも、この山頂にある「六角牛山大権現」の参拝登山者で賑わったと聞いていますが、今はひっそりとした典型的な山麓の村です。

昨年の冬は全国的な異常気象のなかで、当地域も多分にもれず厳冬で、稀にみる大雪でした。平年であれば30㎝も積もれば大雪なのですが、去年の暮れから何度となく大雪が続いて、しかも真冬日続きで溶けないものですから、なんと我が事務所の庭先の積雪は75㎝にも達しました。これにはびっくりして、90歳超の先輩から聞いても、さすがにこんなに積もった事は無いとの事でした。

現代は除雪機やトラクターの機械での除雪手段があるからよいですが、そうでなければ雪に埋もれて冬眠するしかない様な冬でした。そんな中で、一ケ月も前から日本列島の南の方では桜の便りがあるのですが、北海道の函館とほぼ同時に、やっと我が赤沢集落にも桜が咲いて、近所の者達で道端にジンギスカン鍋で花見の宴を開きました。やっと来た春に老いも、チョイ老いも笑顔満開です。  (みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/大槌町、千五百年前の水に出会いまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年4月27日


岩手県大槌町にある「赤浜の東大」こと、東京大学の国際沿岸海洋研究センターには、全国から専門家が集まり、海の環境や生き物を研究しているそうです。

同センターの研究者が寄せた新聞記事によれば、地球上の広い海の「」の水は北大西洋の北極近くの冷たい海域で4度以下に冷され、重たくなったものが千m以上の深海に沈められて、海流によって千五百年以上かけて三陸沖の深海に運ばれるとの事です。

そうすると、三陸沖の深海にある今の水は、日本で言うと聖徳太子が生まれた年より前に、深海に沈みこんだ海水が流れ着いている事になります。そして、最後は太平洋上の北部まで流れて循環するそうです。


また、地球上の海の深さは、平均すると富士山の高さ3776mより深く、おおよそ3800mあるそうです。そんな世界環境の研究が、岩手の片田舎にある研究センターで行われていることに大感激しました。この施設の近くには、井上ひさし原作の「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなった蓬莱島もあることを考えると、世界の海を漂いながら旅をする「ひょうたん島」は、海洋研究のために海を漂流していたのかと、納得した次第です。

これから、海のロマンを求めて沿岸地域の情報発信もしたいと思います。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/気仙沼市から陸前高田市を通りまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2018年4月15日

私の管轄する岩手県から宮城県の「三陸沿岸」は、皆様ご存知のとおり「リアス式海岸」と称して、太平洋に面した岬や湾が織りなす風光明媚なところです。特に私の住む山間地の遠野から行くと、開けた青い海を見るだけで心が清々しさを感じるものです。

ところが、七年前の東日本大震災による大津波で、穏やかな街並み風景は一変し、現在も大規模な土地の嵩上げ工事が継続されていて、大砂ぼこりをあげて大型ダンプが往来しています。先日、気仙沼市内の物件案内に車で陸前高田市を経由して行ったのですが、街全体を覆う土砂粉塵が前日の雨で汚土となって、大型ダンプの勢いに巻き上げられて、自分の車に降りそそぎます。

それも、何台ものダンプとすれ違うのですから、洗車したばかりのパールホワイトの車の色は、たちまち茶褐色の泥車と化してしまいました。通常であれば、環境汚染とか公害とか、騒がれるところですが、どの車も茶褐色の芋虫みたいになって、当たり前に走行しています。

高田松原海岸は海が見えない位の大堤防が完成した中に、あの「奇跡の一本松」として話題を集めた松が保存処置されて、居心地悪そうに寂しく立っており、その横には未だに解体撤去されない校舎の残骸が残されていました。

私ども内陸に住む者、または遠方の方々にとっては、もう七年も前の出来事として、過去の事のように思えるのですが、被災地の現状は、未だに通常の環境には戻ってないのが実状です。私の友人も住宅を流失したのですが、家族は幸い全員無事でした。ようやく土地の嵩上げ工事が完成し、これから住宅の再建に取り組むとの事です。

微力ながら、自分も出来ることから支援を続けたいと思っているところです。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)