▲商店街の活性化に貢献している商業ビル。
山梨県内には「質実剛健」を謳った公立高が多いように思う。日川、吉田、甲府商業、そして韮崎。それはまた「文武両道」の校風という旗印のもとに、人材が広く集まってきた証なのかもしれない。いまも県内の強豪校としてその名を知られる韮崎高校サッカー部は、横森巧(よこもりたくみ)先生が率いていた1980年前後の高校サッカー界において、華々しい活躍を見せていた。正月の高校サッカー選手権ではあと一歩のところで何度も優勝を逃したにもかかわらず、怒濤の攻撃を信条とするそのプレースタイルはわたしの脳裏に鮮明に焼き付いている。中央本線韮崎駅前には、1975年の高校総体で優勝した栄誉をたたえて「球児の像」が建てられている。「韮崎」というとわたしが最初に思い出すのがこのサッカーなのだ。
▲韮崎駅前にある「球児の像」。
江戸時代には甲州街道の「韮崎宿」の本陣が置かれるなど、甲府以西の中心地として栄えてきた韮崎は、143平方キロメートルの市域に、現在29,000人ほどが暮らしている。ニラの葉状に見える七里ヶ岩(しちりがいわ)と、町の中心を釜無川(かまなしがわ・甲府盆地で合流し富士川となる)と塩川が流れる河岸段丘が地形的な特徴で、八ヶ岳の東側ルートの佐久甲州街道(国道141号線)沿いの平野部に住居や商店街が集積してきた。
市の東側は、百名山の名付け親・深田久弥氏と縁の深い「茅ヶ岳(かやがたけ)」の裾野に広がる伸びやかなロケーションが自慢の地区で、水はけと日当たりの良さから一大ぶどうの産地として知られてきた。良質のワイナリーも市内には点在する。中央自動車道の韮崎インターが開設してからはハイテク工場や山沿いにゴルフ場、別荘地などが開発されてきた。
穂坂地区から甲府盆地に目をやれば、ぶどう畑の先に末広がりの富士山が鎮座しているのが見えてくる。文化的にも経済的にも名実ともに「峡北(きょうほく)地域」の中心地がここ韮崎なのである。また、季節風が吹き寄せてくるのがここ韮崎の特徴でもある。北にそびえる八ヶ岳の裾野の東側・佐久口とその西側・諏訪口から吹き下ろす「八ヶ岳おろし」は冬場から春先にかけてのこの地域の風物詩ともなっており、韮高サッカーの代名詞ともなっているショートパスでつなぐ伝統的な戦術が実はこうした自然環境から生まれてきたともいわれる。
▲賢治が東京麹町の栄屋旅館から嘉内に宛てた手紙(「ニコリ」にて)。
現在の市内、藤井町出身で岩手農学校時代に宮沢賢治と深い親交のあった保阪嘉内(ほさかかない)は、この八ヶ岳おろしを賢治に語り、それが『風野又三郎』(この物語を改題してできたのが『風の又三郎』)にも八ヶ岳の季節風として話に出てくる。小林一三をはじめとした郷土の偉人を展示する駅前の韮崎市民交流センター「ニコリ」常設展では、几帳面な賢治直筆の手紙を見ることができる。その1階には「移住定住相談窓口」も開設され、県外から移住された「地域おこしメンバー」が携わっており、「空き家バンク」の紹介もしている。
県内の自治体が開設する「空き家バンク」制度はいま活況を呈している。甲府市や山梨市、甲州市、富士河口湖町、そして北杜市など人気のある自治体が提供する「空き家バンク」には近県の静岡や長野と引けを取らないほど、県内外から引き合いが多いという。そして現地見学会(不定期)や不動産実務(売買および賃貸契約)を執り行うのが当社も加盟している山梨県宅地建物取引業保証協会なのである。
▲移住相談窓口のある駅前ビル。
次月号では県内でもトップクラスの韮崎市の空き家バンクの具体的な取り組みと合わせて「釜無川の西側エリア」(神社や美術館、温泉、小学校など)にも焦点を当てて、韮崎の魅力を探ってみたいと思います。(八ヶ岳事務所 中村健二)
▲韮崎大村美術館入り口にある「ニーラ」の看板。


▲モダンな紫波町役場。
▲ビューポイントでもある東根山。
▲町内に四つある酒造メーカーのひとつ「月の輪酒造」。
▲名水を汲みに来る人が後を絶たない水分(みずわけ)神社。
▲たかのはしの手打ちうどん。アットホームな雰囲気も人気を集める。
▲白鳥山から見た富士山と富士宮市街地。
▲竹の町・南部。
▲盛岡南部藩と遠野南部藩の家紋。
▲白鳥山登山道入り口の看板にも向かい鶴が。
▲蔵王町こけし館(入館料は300円)
▲展示されているこけしたち。
▲ corrot 蔵王町宮字持長地104-3 電話0224-26-8565
▲この渾身の一皿(税込1380円)。ランチは11:00~14:30(水休)
▲印伝栞(「印伝の山本」作)
▲印伝の入れ物は数多い(財布、名刺入れ、判子入れ)
▲天真堂塩山店(甲州市塩山熊野88-1、電話0553-33-1110)
▲和洋の趣き「宮光園」(甲州市勝沼町下岩崎1741、電話0553-44-0444)
▲稜線もくっきり、岩手山。
▲写真撮影も自由なイーハトーブ火山局。
▲猫が車で・・・。
▲八幡平市役所。
▲御書印帖(表紙)。
▲特装版の御書印帖。
▲朗月堂書店(甲府市貢川本町13-6、電話055-228-7356)



