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宮城◆白石蔵王/野に還る ~ 樹木葬 ~ 景観、生態系の保全再生【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年1月31日

※写真はイメージで、本文と直接の関係はありません。

平泉の中尊寺に近い里山に、私ども夫婦が考えている「終の住処」、つまり、次の世に移り住むことになる居所、「樹木葬」の墓地があります。NHKのテレビで存在を知り、早々に申し込まれていた知人夫婦から教えられ、私どももすぐそばの区画に決めました。いまから10年前です。来世もずっとお隣さんというわけです。

現在、すでに1600人の方が眠られているここには、墓石はひとつもなく、木立にウッドチップの敷かれた歩道が縦横に交差しているだけの里山です。どこの墓地でも感じるあの陰鬱な空気がここにはまったくありません。

重苦しい墓石がなく「ありか」を示すのは20センチほどの、名の書かれた木札が土に挿してあるだけ。やがてはこれも朽ちて後は元の山野に同化します。

岩手県一関市の名刹・祥雲寺の住職が創設したこの葬法は、いま全国各地に亜流を産んでいますが、景観、生態系の保全再生を兼ねて樹木を墓石のかわりに使う発案を、ビジネスではなく学術的にすすめている本事業の確かさを、いつかは住人となる私は誇りに感じています。

【岩手県一関市・祥雲寺】

ここを紹介してくれたご夫婦のご主人が昨年先立たれて仏様となり、葬法の流れや仕組みを実例として教えていただく機会を得ました。卒塔婆はなし、線香も焚かず、生花のほかは、野生動物の餌付けを避けるため供物もなしの納骨ですが、簡潔で厳粛な野辺送りになったと伺いました。

信教・宗派は問わず、以後の年回忌もないので遺族の負担もほとんどありません。「平泉」や「名勝・厳美渓」に行かれる機会があれば、ぜひお立ち寄りを。

(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/もう一戸に手が届く【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年12月18日

かつては高嶺の花だった「別荘(地)」が誰にでも買える対象になりました。森林住宅地、二地域居住地などと呼び名も変わり、高齢化した持ち主や、保養・研修施設の土地や建物を処分したい法人の譲渡希望が尽きません。

農村地帯の「田舎物件」より、開発と整備にお金がつぎ込まれている別荘分譲地のほうがエコノミーな売値となってしまっているのは、利用の目的がなくなり、所有の見切りがしやすい別荘地の物件の性格によります。田畑の中の土地と違い、別荘分譲地であれば農地転用の手続きはむろんないし、道路、電気、ガス水道、排水は整備済み、切ったり、盛ったりの造成もはぶけます。

蔵王町のわが分譲地は水道利用なみで温泉が配湯されています。 屋外仕事の多い田舎暮らしでは沸かさずに浴びれる温泉のありがたさは格別です。難を言えば分譲地には管理費の支払い義務のあることですが、それは分譲マンションに住むのと同じことで、自分のコミュニティの環境整備の必要経費です。

当分譲地では修繕積立金も含め、月額8千円ほど。また、所有者としての名義変更料も温泉受給権込みで3万円にすぎません。懐に余裕のあった人が建てた別荘という建物には、それなりの材質が使われ、内装や、調度にも格別なものがあります。

田舎暮らしにはぜひ欲しい畑は、周辺で容易に借りられますから別荘の敷地はもっぱら花木や芝生で埋め、ストーブの薪づくり、アウトドアのスペースに活かします。多くの中古物件の中から好物件を探せる時代です。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/齢八十歳・傘寿、断捨離を進める【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年11月13日

※写真はイメージ

女優の有馬稲子さんが、お住まいのマンションから華麗な衣装や家具調度などを大処分。スッカラカンの身ひとつになり、生まれ変わったような新鮮な自分を見つけたという思い。ぜひ皆さんもされたらよい、と語っておられました。

最近は「断捨離」などというそれをすすめる新語も使われています。私も、この10月に傘寿の80歳となりましたが、たしかにもう手元に必要のなくなった衣服や雑誌、本の類、まだやりかけと自負している沢山の資料や記録も、やがてはすべて燃えるゴミに終わる定めと気づくこのごろです。


いま身の回りを占めているモノは、まだ使える、活きる日があるはずと、将来へのプラス志向で存在していますが、積年の価値観から、あるいは怠惰な性格から積もり積もったガラクタがほとんどです。思いきって過去をきれいに精算するつもりで、わずかに残す物品で身軽で、爽やかな日々にリセットを、と考えるのもアリではないでしょうか。

自分の生とともに要らなくなるモノたちを、その時に親族の手をわずらわせて処分してもらうなら今日から自分の分別で断捨離をスタートさせたい、と思うに至りました。そう考えると、なにやら有馬稲子さんの決断と、得られたものがわかったような気になります。

行動範囲や人脈などライフスペースの幅は認知症予防のためにも残すべきですが、モノの整理はすぐにでもできます。 (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)


※10年前、ペンタックスの一眼レフを愛用していましたが、標準レンズだけでは物足りなくなり、広角から望遠まで撮れる新品の交換レンズを6万円ぐらいで買いました。 ところが、カメラ本体の故障にはじまり、フイルム撮影の衰退、コンパクト・デジカメの普及などが重なり、買ったレンズは一度も使わないまま過ぎてしまい、すでに私には無用のモノになりました。先日、リサイクルショップに持ち込むと500円で引き取るとのこと。ならば、高校の写真部などに進呈しようかとも考えました。

本誌読者で、欲しい方がおられれば、送料だけで差し上げます。レンズは、タムロンのAF28~ 300ミリ、F3・5~ 6・3、新品のフィルターもついています。

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宮城◆白石蔵王/「美観」は「知性」です ~ ガーデンアイランド国家構想 ~【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年10月29日

かつて小渕首相のブレーンをつとめ、いまは静岡県知事の川勝平太さんが主唱されていた「ガーデンアイランド国家構想」、これからの日本は庭園国家という大テーマで行こうとの提起に賛成です。

南仏や英国の田園の、まさに絵のような美しさは私も何度か堪能していますが、「四季の際立つ日本も全土をさらに美しい田園に」という国民的努力を展開して「経済力や武力ではない世界中があこがれる、本当に美しい国土づくり」を国是にしようというものです。

時代に取り残された情景も癒しになるとは思いますが、都会から移った者の目に入る日本の田舎には、まだ貧しかったころの日本の残滓が少なくありません。ですから、このあたり「蔵王の風景」を、たとえば「英国南西部、湖水地方」のそれに近づけたいというのが、ここで宿泊業を営む私の願望です。

私の求めたい風景は手つかずの自然ではなく、自然を巧みに人の感性に合わせて育てた心地よい状態、いわば「ガーデニング」という、無精をゆるさない姿勢です。ビロードを貼ったような斜面、林を縫う渓流の川面、電柱も看板も自販機も目立たない沿道の「グリーンベルト」、春から秋まで絶やさない「樹の花」、「ペンション」という器をその景観に埋めてお客さまを迎えたいのです。

「温泉」という強みを、知性まで感じてもらえる「美観」でくるみ、インバウンドにも嘆声をあげていただける田園風景のエリアをつくりあげたいと思うのです。 (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/SNS で拡散する町の観光・臥薪嘗胆の成功事例は?【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年9月27日

A4版8頁の表紙に見なれない動物の顔写真が載るパンフレットが町役場からどさっドサッと届きました。「蔵王町の観光パンフレットに動物が?」「ハテ、肥ったタヌキか」と見ましたが、「ハハン」と合点したのは、これは蔵王町の隣、白石市郊外にある「キツネ村」にいるキツネのクローズアップに違いありません。

キツネを飼育している小さな施設が蔵王山中にあることは知っていましたが、長いこと鳴かず飛ばずの存在でした。そのキツネたちが隣町の観光誘客に一役買っていて、すでに宮城県の周遊スポットに昇格していることを知りました。

             ※写真はイメージでパンフレットと関係ありません。

日英中台韓、そしてタイ語版と、6か国語に刷り分けられた新しいパンフレットは、どこの国からのインバウンドにも対応できる構えです。インターネットや周りの噂によれば、新幹線の白石蔵王駅から20キロの山道をタクシーで飛ばして来る外国人が多く、オーストラリアのコアラのようにキツネを抱けるのが人気を呼び、お客がその場から発信するSNS の拡散で、ウナギ昇りの集客状況といわれます。 キツネは6種類、100匹以上と増えて名称もいまはFOX Village。精悍な野生キツネが観光客の給餌のためか、タヌキに見まがう体型なのが愛嬌です。

この施設の臥薪嘗胆の成功事例は、多くの示唆を隣町蔵王町の観光行政に与えてくれているはずです。
(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

白石蔵王キツネ村

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宮城◆白石蔵王/畑仕事のしめくくり~今年も桑の実採り【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年8月7日

毎年6月初旬から1か月、右の手は指先まで青紫色に染まり、人さまに見られると恥ずかしい状態となります。日の出が早まり、朝4時には明るくなるこのころ、5時には畑で鍬を握り、朝ドラの始まる8時に家に戻るのが日課です。

畑仕事のしめくくりの20分が桑の実の収穫。アントシアニンの塊のような深い紫色のプリプリの実を摘む時、果汁が爪の内側まで浸み込み、手の平を染めます。借りている畑の端に1本の桑の大木があります。樹勢が強く、繁茂する枝は今年左右12メートルに広がり、満身に実をつけました。地形が幸いして、いわゆる臥竜梅のように下枝が地を這い、幼児にも摘み採れる特異な樹形をしています。

一日に500g、すべての実が完熟するまでのひと月に10㎏は採りますが、私の収穫量はこの木がつける実のほんの数%、手の届かぬ枝の実の大半はムダに落果します。野生の果樹でこれほど見事な実と量をつける例を知りません。私だけが知るこの木への熱い思いは、岩魚の潜む深い淵を独り占めしたい釣り人の心理に通じますが、ここの田舎の住人は桑に関心がないように感じます。意外なのは、野菜には遠慮なく手を出す猪、熊、野鳥、虫たちの食害が桑にはないことです。

二つの冷凍庫を埋め尽くす桑の実に、家人の苦情は例年のことで、年中行事のジャムづくりに今年も精をだしました。  (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/小さな町の街おこし【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年7月6日

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蔵王町遠刈田温泉の初夏のイベント、「とうがった大道芸」が6月初旬に開かれました。伝統や歴史にはまだ遠い、温泉場の平成生まれの人集めの行事ですが、当日は仙台圏からの大変な数の観光客で、近年にない賑わいでした。

有名な「横浜野毛」の大道芸にヒントをもらい、21年前、街おこしに有志が都会から芸人を探し出し、アゴアシつき(交通費と宿泊代は主催者持ち)で呼んだのが始まりと聞きます。たべものや宿泊は地元の店や宿が無償で請負い、まだ駆け出しで出演料の安く済む芸人さえ確保できれば、新幹線の切符代ぐらいの負担でスタートできたイベントのようです。

今年は12人の若い芸人が温泉街のあちこちで6時間半、パフォーマンスを繰り広げました。何年かぶりに覗いてみると、どこも歓声、拍手、笑顔のあふれる反応のよさが、芸人の芸より私には印象に残りました。芸人と客とに通い合う息づかいが路上に満ちて、芸が終わるとゴミ箱のフタを裏返した受け皿にはたくさんの客から投げ銭(ほとんど千円札)が寄せられました。

名の知れた祭りや年中行事を持たない、地方の小さな町には、ちょうどよいライブと、ぜひ他の町でも始められたらいいのにと思いました。  (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/歌える宿~ペンションビレッジ再構築を考える~【白石蔵王・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年6月15日

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夜のBS番組に「フォレスタ」というグループが毎週出演する「抒情歌」を主にした歌番組があります。接客に疲れた、就寝前の60分をもう何年も前から夫婦で楽しんでいます。走馬灯のように過ぎ去っていった人生を振り返る昭和のなつかしい歌を、端正にきちんと披露してくれるのがお気に入りです。

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時折放映される、公開録画された会場風景をみると、入場者(視聴者)の大半は若いころ「歌声喫茶」にはまっていただろうと思える、私どもと同世代が常連のように見えます。歌詞さえあれば300曲ぐらいはいつでも歌えるという中高年がまわりの知人にも珍しくありません。時代の変化で、利用客が減っている全国のペンションビレッジの再構築は、時間も経済力も余裕のある、こういう歌好きを呼び寄せることで道がひらける、と私ども夫婦はこのごろよく話し合います。

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残り少ない自分の余生を思うと、この着想もいまさらですから、もう少し若い世代にぜひ実現をすすめたいと思います。ギターやピアノがちょっとだけ弾け、お客さんと歌い、手拍子を打てる方が新しいオーナーになり、その個性で話題をよべば、店の再生、ヒットは間違いないと思います。 おいしい食事と温泉を堪能したあと、自室のベットへもぐる時間まで、心おきなく仲間と歌に没入できる場として、ペンションの一夜は最高のシチュエーションだと思います。  (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

karaoke

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「フォレスタ」公式ページ
http://foresta.music.coocan.jp/main/foresta.html
※BS日テレ「BS日本・こころの歌」に出演中

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