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栃木◆那須/醤油作りの仲間が増えました【那須高久・里山日誌りたーんず】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・那須店/高久 タケ子

2021年7月7日

▲去年の諸味大豆が分解され色も濃くなって来ました。右側→今年届いた諸味でまだ香ばしいにおいがします。

4月28日(水) 醤油諸味届く

今年もつくば市の「沼屋本店」から醤油諸味が届きました。車に乗せて持って来た諸味を我が家の桶に移し換えながら「あのな、この醤油は丸大豆のたんぱく質が分解してアミノ酸になり、小麦のでんぷんがぶどう糖に変わり、醤油のうま味や香りの成分になるんだよな」「俺らは、かき混ぜの仕事を手伝うだけで、あとは自然がやってくれるんだよ」「自然って良い仕事をやってくれるよな~大したもんだ。ありがたいね~」と呟く様に毎回教えて下さる。そんな「沼屋本店」の4代目は私の醤油の師匠です。

いよいよ新旧2本の桶が並び醤油諸味の撹拌(かくはん)作業が始まります。発酵の時に出るガスを抜いて新鮮な空気を入れてやるだけの単純作業なのですが、今年は何故か無気力でかったるい。

コロナ禍の影響でイベントや食事会等が無く、お醤油の出番も全く無い。そんな訳で私の張り合いが無くなって来たらしい。長~い自粛生活で急に人恋しくなり醤油作りの話ができる仲間が欲しくなりました。

▲皆さんにお届けしたお醤油作りセット。お醤油の菌は空気が大好きで、発酵の時に出るガスを抜いて新しい空気を取り込んでやるのが手入れの仕事です。初めての「試み」皆でお醤油作りを楽しみましょう!

「そうだ!発酵食品に興味があると言っていた鎌倉に住む次女に送ろう!」と身勝手な思い込みで都合も聞かずに黙って送り付けてしまいました。

荷物を受け取った次女は箱の中央に「横転注意!!」と書いたビンがあり、見た事の無いドロッとしたものが入っていたので一瞬「何だろう?」と思ったとか・・・。しかし先頃醤油諸味が届いたという話を思い出しその流れから考えると「醤油諸味?」と気付いたそうです。

その後電話で話をすると「私の部屋、味噌と醤油の醸造蔵?になっちゃうよ?!」と言われ味噌仕込みの時ほど、心なしか声が弾んでいませんでした。

気落ちした私は半ば諦め心で、その事を知人に話すと「お醤油作り?やってみたいな!」と嬉しい事を言って下さいました。東京と那須を往来している方なので「明日東京に帰る」というご主人にお持ち帰りしてもらいました。とっても喜んでくれたので気分が良くなり、もう少し仲間を増やそうかな~なんて考え始めてしまいました。

数日後「お久しぶり~」と味噌作り仲間のご夫婦がやって来ました。たわい無い話の途中で醤油作りの話をすると「うわ~やってみたい!」と言ったので即、決定!!

諸味の入ったビンを持ち帰りしなに「味噌作りだけでも喜んでいるのにお醤油まで作れるなんて楽しみが増えて嬉しい!!」と喜んで帰られました。

▲「混ぜ混ぜ」のスプーン付きです。

それを見て「えーっ!そんなに嬉しい事なの?」と思うと更に弾みがつき4人目が思い浮かんだ。小さい頃からお母さんと一緒に味噌作りに参加している幼稚園の年長さんの男の子で、声を掛けると男の子のお父さんが「是非体験させたい!」と言ってくれたので決定です。

すぐにお届けするとお母さんと男の子と双子の弟さん達と4人で迎えてくれました。「お醤油作りお願いね?!」と手渡すと早速3人で「混ぜ混ぜ」が始まりました。

▲男の子3人で早速「混ぜ混ぜ」が始まりました。

もう1人は96歳になる私の叔母さんで、私が醤油作りを始めた頃、良く昔の醤油作りの話をしてくれました。最近は息子さんのお世話になっている叔母さんに、昔を思い出して元気になってもらおうと届けると「これな~に?」と不思議そうにしみじみと眺めています。子供の頃夜になると母親に連れられて家の裏にある納屋に行き醤油諸味をかき混ぜている間、提灯を持って母親の手元を照らす手伝いをした、と何度も聞いた覚えがある・・・でも叔母さんの記憶に残っているのは、大きな醤油桶をかき混ぜる母親の姿で桶の中身は見たことが無かったのかも知れません。

予定通り5人の方にご協力頂く事になり、取りあえず「試み」に育てて頂いて最後に皆で生醤油の味見をし、お疲れ様のお祝いをやりたいと思います。ひょんなことから思わぬ方向に話が進み醤油作りの仲間ができて楽しみが増えました。(那須店 高久タケ子)

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東京◆本部/いつも頭を悩ませるのは、あの法律【本部スタッフ・日々の業務より】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2021年7月4日

地方の物件を取り扱う中で、いつも頭を悩ませるのが「農地法」です。

農地の保護や耕作者の安定と農業生産力の増進を図ることを目的として1952年(昭和27年)に制定された法令で、現代には即していない内容が多くあります。

その中で、農地法第3条(農地の取得)の規定は、市町村により異なりますが農業経営面積が原則50a(5000㎡)以上とされているところが多く、高い壁となっています。

一つ目の壁が、売却依頼を頂いた農地面積が50aより少ないこと。この場合には、不足面積を貸借しなければ、申請をする事が出来ません。仮に30aの売却依頼だった場合には、20a以上を貸借し、合計面積50a以上として申請を行います。これも市町村により異なりますが、同一市町村内で良いとする場所もあれば、同じ地区内でなければならないところもあります。

二つ目の壁が、家庭菜園では許可にならない事です。(※一部の市町村で許可事例が見受けられるようになりました)あくまでも、営農でなければ許可にならず、生産した作物から収益を出さなければなりません。

他にもありますが、続きはまた、どこかでご紹介していきたいと思います。
(本部 長内 望)

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山梨◆八ヶ岳/三伏大暑の候、7月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年7月1日

▲長雨とアジサイ(山梨県北杜市長坂町)

【2020年のラーバニスト動向】

さて、コロナ禍による生活が2年目を迎えますが、お客様から「田舎暮らしが見直され、移住ブームじゃないか?」 と聞かれる事が多々あります。そこで、少し時間が経っておりますが、八ヶ岳事務所の1年間(2020年)の動向をお伝えしたいと思います。

弊社では都市と農山村を結ぶ交流事業をメインとして地方移住者を積極的に応援しており、都市(アーバン)から田園(ルーラル)への移住者や二地域居住者を称して「ラーバニスト」と命名しています。2020年はどのような動向であったでしょうか。

1)ホームページ閲覧数
2019年1月の閲覧数を100% として、2年間の推移を示したものです。北杜市の物件を探しにホームページを見た人の推移と捉えて良いでしょう。2019年については、若干の増減があるものの、季節に関わらず、ほぼ一定です。意外に思うかもしれませんが、寒さの厳しい冬の時期もニーズは衰えません。

さて、コロナ禍の年となった2020年はどうでしょうか。1月から前年の1.5倍の閲覧数で推移し、5月からさらに伸び、6月にはなんと前年の2倍となりました。その後も年末まで高水準で推移しています。

都内の緊急事態宣言が5月31日までだったので、6月以降の伸びは、都市から地方への意識の変化と言えるでしょう。仕事のやり方や生活スタイルの変化にも影響されたのでしょう。物件の案内をする時も、どこに住んでも仕事が出来るようになったと言う方が増えました。

2)購入物件の種別
ご成約した物件の種類を示したものです。ここ数年の傾向としては、「中古住宅」の割合が多く、7割程で推移していたのですが、2020年にはこの傾向がさらに強まり、8割近くが「中古住宅」となりました。「中古住宅」の良いところは、すぐに使い始められること。新築に比べ、時間と労力を節約できます。コロナ禍の中、直ぐにでも田舎に移りたいというニーズに「中古住宅」は合致したのでしょう。

3)購入者の居住地
「首都圏在住者」が6割を占めています。なかでも、「東京」や「神奈川」の西部など、自宅から「北杜市」へのアクセスが良い方に人気でした。「別荘」、「二地域居住」はもちろん、「移住・定住」の方も今までのお付き合いの継続を考えると、気軽に通える距離が安心感につながるようです。

4)利用目的
ここ数年は「定住」が5割を超えていたので、2020年は「定住」の割合が減ったという結果になります。これはリモートワークの浸透など、働き方の変化により、田舎暮らしのハードルが下がり、多様な楽しみ方が出来るようになったからでしょうか。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

新潟◆新潟/旅行とI ターンの関係性【北の国から・制作スタッフ進行日誌】

この記事の投稿者: 編集

2021年6月30日

▲日本酒にはお刺身がよく合います。

「新潟」といえば「お米」と「お酒」。日本酒はあんまり飲めないが、せっかく新潟に来たので少しは飲まなければとタクシーの運転手さんに地元の人が行く美味しいお店を教えてもらった。

そのお店では店員さんに「のっぺ」という新潟の郷土料理を勧めてもらった。これは筑前煮のような料理で冷たいものと暖かいものの両方がある。

この時は冷たい「のっぺ」を頼むことにした。なんだか懐かしく、とても優しい味なので煮物が好きな人は是非食べてみてほしい。

▲噂の「のっぺ」。

2軒目は気になったお店に入ろう。と歩きながらお店を物色していると、店構えがお洒落なお店を発見!

このお店は「お通し」を選べ、選んだ「お通し」を七輪で焼いてくれた。「入って正解!」とちょっと得意げになりながら、地酒と料理を堪能した。

新潟県は日本海に面しているので「海の幸」も美味しく、ついつい食べ物メインの旅になってしまった。また新潟へ行きたいものである!

▲選んだお通しをこれから七輪で焼いてくれます。

新型コロナウイルス蔓延によりテレワークが進み移住をする人が増えている。縁もゆかりもない地へ移住をする「I ターン」のきっかけとなるのは、何度も旅行で訪れた場所や、就職や転職、転勤先等の仕事上の理由のほか、趣味や自然に囲まれた場所に住みたいといった嗜好などが、コロナ前の移住理由であった。

ところがコロナウイルス蔓延後では、これにプラスα「会社まで2時間圏内で通える場所」を移住地へと選ぶ人が増えているそうだ。今の時代ネット環境があればどこでも仕事ができる職業も多いので、東京にこだわらなくても地方で自然豊かな場所でのびのびと、広い家で生活することが今後選択肢として増えていきそうだ。

案外「移住」をまったく考えていなかった人でも、旅行先を好きになり移住をする日が来るかもしれない。(本部 井上美穂)

東京◆本部/ドローン始めました ~ 不動産業界のDX ~【本部スタッフ・ふるさと見聞録】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2021年6月27日

本誌をご覧の方で気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、今年になってから四谷本部の物件にもドローンで撮影された写真が一部の物件で利用されています。YouTube 動画配信は八ヶ岳事務所が昨年より本部に先駆けて展開中です。まだ四谷では毎月の締切までに動画編集までこなし、皆さんに公開できる技術が無いのが実情です。

ドローンの操縦については、昔遊んだラジコン感覚で行え、少し練習すれば自由に移動できるようになりました。ただ、映像撮影が伴うので、カメラの画角、構図を考えて飛行してるつもりでも、ドローンならではのダイナミックな映像とは程遠いものになっていたりと試行錯誤中。飛行禁止設定区域では起動されず、驚いたのは東京都内ではほとんど練習できません。

▲ GPS で発見できなんとか回収、かなり修理しました。

実際の物件取材の時には思いがけない強風に煽られ制御不能になることも。出張に持参した2回目に、遥か彼方に小さくなるドローンを追いかけて久しぶりに全速力ダッシュしてきました。墜落の様子もなかなか貴重なので、そのうち公開したいと思いますが、ニーズはありますかね?(本部 星野 努)

 

▲八ヶ岳事務所ではすでに新兵器Go Pro Maxも実践投入中!
不動産業界にもDX(デジタルトランスフォーメーション)
の波が一気に加速し、それは東京より地方のほうが意外と
早いかもしれません。

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秋田◆北秋田市/マタギの里と秋田内陸線から【いくぞ!北東北・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2021年6月24日

▲道の駅にある木造彫刻には「マタギの里」とある。

学生時代に読んだ宮沢賢治の物語に『なめとこ山の熊』がある。岩手県内にある「なめとこ山」の麓で熊を撃つことで家族の生計を支える主人公とそこに棲息する熊たちのお話しである。母親熊との約束や最後に主人公が熊たちによって見送られることなど、賢治ならではの死生観が色濃く出た作品だ。

こうした山岳地帯で狩猟を専業にする猟師を一般的には「マタギ」と呼ぶことがある。東北地方や甲信地方などに多いともいわれる。その中でも北秋田市にある阿仁(あに)地区の「マタギ」は平安時代までさかのぼるとされ、その歴史は古い。

▲「あにマタギの里」道の駅食堂にて。

そしてこの「阿仁マタギ」は単なる「ハンター」というよりも、「山の神を信仰し、規範を重んじ習俗文化を伝承する村社会の構成員として認め合ってきた存在」(「秋田マタギロード」広報ガイドラインより。令和3年2月)で、集団での行動が主であるため厳しい掟や独自の言葉もあったという。「マウンテン・サムライ」と呼ぶ人もいる。

北秋田市は秋田県内の内陸北部に位置し、1152平方キロメートルの広大な市域(東京二十三区の2倍あまり)に29500人ほどが暮らしている。2005年(平成17年)に鷹巣町、合川町、森吉町、阿仁町が合併してできた市だ。東南方向には樹氷も見られる名山の森吉山(もりよしざん・標高1454メートル)がある。

それぞれが独自の文化を形成してきた町だと伺ったのは、生まれも育ちも鷹巣町とおっしゃる鈴木さんからだ。奥様手作りの「バター餅」を山菜とともに振る舞っていただいたことがある。県産のもち米、砂糖、バター、小麦粉、卵黄、食塩、片栗粉だけで作られたお餅でコクがあり長く伸びる。

その鈴木さんから「いちど機会があったら綴子大太鼓(つづれこおおだいこ)を観にいらっしゃい」と誘われてもいる。ギネス認定された世界一の大太鼓で国の無形民俗文化財になっている。六張りある太鼓のうち最大のものはなんと直径が3.8メートルもあるという。

▲伊勢堂岱遺跡縄文館(2019年8月撮影)

その太鼓の音が響き渡る西側の広大な大地にあるのが「大館能代空港」で、あたり一帯は視界が開け、遠く白神山地が望める場所だ。そうした場所は縄文時代の遺跡が多い。ここ「伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡」もそのひとつ。ストーンサークルで知られ、縄文館の案内は地元の中高生たちがボランティアスタッフで頑張っていた。この近くには「JA 秋田厚生連」が運営する「北秋田市民病院」やのどかな「北欧の杜公園」もある。

▲地元中高生のボランティアが遺跡を説明してくれる。

さて、鷹ノ巣駅前の観光案内所で秋田内陸線のことを聞いてみた。

「ここが始発なんですね」とわたし。

「始発駅は阿仁合(あにあい)なんです」と案内所スタッフ。

この鉄道は角館駅と鷹ノ巣駅を急行なら二時間ほどで結ぶ単線だ。角館→鷹ノ巣が「上り」で鷹ノ巣→角館が「下り」である。時刻表を見てみると、確かに発着地は「阿仁合」となっている。

ではこの「阿仁合」とは?

江戸時代の前期に国内屈指の銅山として知られるようになり、1716年(享保元年)には銅山全国一と謳われ、日本中から炭鉱労働者が集まったといわれる阿仁鉱山。多くの寺院等がいまも阿仁駅周辺には残り、明治15年築の外国人官舎は東京銀座の鹿鳴館よりも古く、国の重要文化財に指定されているほど。

▲北欧の杜公園。

その阿仁合駅の西に「北秋田移住定住ネットワークセンター」がある。全国的にも珍しい二つの期間に分けた一棟貸しのお試し住宅だ。

7日間までのいわゆるお試しと30日間までの本格的長期滞在である。光熱費として一日あたり400円が必要とのことで、ひと月借りても12,000円。ご興味のある方はぜひともトライしてみたらいかがでしょう。(岩手・秋田・宮城担当 中村健二)

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お問い合わせは北秋田市移住・定住支援室(北秋田市役所2階、総合政策課内)
〒018-3392 秋田県北秋田市花園町19-1  電話0186-62-8002
北秋田市公式HP よりWEB 相談可
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物件ウォッチ誌上オンエアー(文化放送「大人ファンクラブ」毎週土曜日06: 25 より。中村の放送回は毎月第4週目)

山梨◆韮崎/日本列島のへそと温ぬるめの旭温泉【いくぞ甲州!所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2021年6月21日

▲「韮崎大村美術館」より茅ヶ岳方面を見る。

1980年代に刊行された漫画本で、究極のメニュー作りを通じて料理と人々の営みを描き話題となった『美味しんぼ』。その第1話に主人公たちが韮崎市のペンションを訪ねる回があった。

元同僚が新聞社を脱サラし開業したのだった。その母親も一緒に暮らすのだが、フレンチを中心に出すメニューでは息子夫婦の力になりたいと思っていても、このおばあちゃんには出番はない。

主人公たちは「こんな山の中にまで来てフレンチはないだろう?」と指摘する。そこでおばあちゃんの自慢の「ほうとう」が登場。自家製の麺と出汁と野菜で山岡たちの舌を唸らす。確かそんな話だった。

今となればそのペンションがどこなのか見当はつくけれども、そこは「富士五湖」でも「清里」でもなく、「韮崎市穂坂町」というのがなんとも良い。茅ヶ岳(かやがだけ(標高1704m)の麓の町なのだ。

『日本百名山』の生みの親である深田久弥(ふかたきゅうや)が茅ヶ岳登山の途中に急逝されてから半世紀が過ぎた本年。この4月17日に東京エレクトロン韮崎文化ホールにて、氏を偲んで深田森太郎さん(久弥のご長男)の特別公演と登山家の花谷泰広さんたちの記念シンポジウムが開かれた。荒天にもかかわらず百数十人が参加した会となった。

遠く生まれ故郷の石川県加賀市からも数名のご来賓があり満場の拍手を浴びていた。そんな茅ヶ岳は韮崎市の西部、釜無川左岸にある「韮崎大村美術館」2階の喫茶室から見るのがなんとも言えず良い。河岸段丘のその先に明るい地層が見え、頭頂にはほとんど雲のかからない茅ヶ岳。日照時間日本一だといわれるゆえんだ。

▲久弥を偲んで行われた会の当日のパンフレット。

「大村美術館」とは2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智(おおむらさとし)先生のコレクションを展示した美術館だ。展示品の中では片岡球子の作品がわたしは良いと思う。ここは茅ヶ岳と対峙するように屹立した甘利山の麓の旧街道筋にあたる。

近在には「武田八幡宮」や「ワニ塚の桜」など名所旧跡も多いが、面白いのは甘利小学校北東の桃畑の一角にある「日本列島のへそ」。韮崎市の「へそ」は日本列島の東西南北の経度と緯度が交差している場所であるというのがそのいわれだ。南アルプスユネスコエコパークにも選定されている。

▲「日本列島のへそ」碑。

重心が偏らずバランスしているというのだ。言われてみればここに立つとそんな気が、しないこともない。さらにここから南西方向に1kmほどのところにあるのが人工的な手を施していない源泉100% 掛け流しといわれ、市内外から訪れる方が絶えない「韮崎旭温泉」(入浴料は600円)。

地下1200メートルの断層破砕帯から日に570トン湧出するナトリウム塩素炭酸水素泉。やや温めでゆっくり浸かっていると湯上がりに体がぽかぽかしてくる。 さて県内の自治体による空き家バンクと実務面で提携する「山梨県宅建協会」が取りまとめた内容を見てみると、韮崎市の「空き家バンク」の取り組みは県内屈指といえるほどメニューが多い。

▲旭温泉外観。

バンク利用者が購入した物件の修繕費、仲介手数料、引越費用の補助、定住目的で住宅の取得をした人への助成金など幅広く移住のハードルを下げているのがよくわかる。また、物件の売主や所有者に対する奨励金が手厚いのも特徴といえる。

「空き家バンク」とは別だが、この3月にはいわゆる「農地付き空き家」における農地法第3条第2項の「別段の面積」を一アール(100㎡)以下へとすべく協会として市へ要望している。これは空き家対策とともに就農支援と移住定住促進を今後とも図っていこうとしていることだと言われる。

期待値の高い韮崎市である。「がんばれば自転車でも暮らせちゃうコンパクトシティ」と銘打って。(八ヶ岳事務所 中村健二)

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韮崎市移住・定住相談窓口
山梨県韮崎市若宮一丁目2番50号 韮崎市市民交流センター「ニコリ」1階
電話0551 -30 -4321(9:00~18:00、第3月曜休)オンライン移住相談もあり。
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東京◆本部/「道路」はある?ない?どう調べる??【本部スタッフ・不動産ミニ知識】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2021年6月19日

不動産を購入するにあたり気になる項目の一つとして進入路、いわゆる「道路」があります。都市計画区域「内」であれば、建物を建築する敷地は、原則、建築基準法条に定められた幅員4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(接道義務)。

売買契約締結前に交付する「重要事項説明書」でも道路の種類、敷地と道路の関係などの説明項目があります。田舎では都市部の不動産ではあまり見かけない都市計画区域「外」という地域が多く、このエリアの建物の敷地は逆に法律上、道路に接する義務はありません。(※条例等で付加される場合はあります)

ただ実生活で、住宅に行くのに「道路」がなくては不都合であり、実際に「道路」が有るか無いか調査することは重要で、その方法はいくつか考えられます。

つまり、「当事者や周辺への聞き込み」と「必要な公的資料の確認」が大事となるわけですが、「聞き込み」は当然として、今回は「公的資料の確認」を行う点に着目。

実際にあった事例では、法務局備え付けの「公図」では、古い道路は地番が無く「道」とだけ記されていました。稀なケースで、地方の市町村は「道路」を作っても「公図」まで修正しない場合があります。理由は諸々あるようですが、手間とお金でしょうか・・・。

現地には目に見える「道路」はあるのに「公図」には記載がない、そんな場合は次のステップとして役場の建設課や道路課などで「道路台帳図(林道図)」を確認してみましょう。(本部 金澤和宏)