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北杜市◆全域/小動物の通り道【八ヶ岳スタッフ・日々の暮らしより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年12月31日

▲県道28号の清里大橋を渡り、清里駅に向かう途中にある。

北杜市の豊かな森には、天然記念物のヤマネやリスなどの小動物が木の上で暮らしています。

森を分断する道路が原因で動物たちの移動範囲が制限され、時には車と衝突する危険性があります。

平成10年(1998年)、山梨県は保護活動の一環として「ヤマネブリッジ」を整備しました。

森の小さな動物たちが安全に道路を渡れるようにするための、橋のような通り道です。

こちらは道路の案内表示と兼ねる形で建設されました。

鋼鉄製の堅牢なつくりで、ブリッジの内部は人がかがんで通れるほどの広さです。

▲小動物保護のため「橋」を設置。

また、北杜市では平成19年(2007年)に民間連携事業として「アニマルパスウェイ」を八ヶ岳南麓の市道上に整備しました。

現在では、2基の「アニマルパスウェイ」が設置してあります。

「アニマルパスウェイ」、「アニマルブリッジ」共にモニタリングによって、ヒメネズミやヤマネなどの小動物だけでなく、彼らの天敵であるテンも利用していることが確認されています。

このような取り組によって、動物たちが安心して移動できることが期待されています。

北杜市にいらした際は、ぜひ探してみてください。(八ヶ岳事務所 柳本朝子)

山梨◆八ヶ岳/師走の候、12月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年12月7日

▲雲の先から現れる、夜明けの富士。(山梨県北杜市大泉町)

12月は本格的な冬の始まりの月といえる。

11月後半からは朝方の気温が0度を下回り、対策をしてなければ、水道管の内部が凍り、破裂する時期となる。別荘の方は水抜き作業をしておかなければ、多額の水道料を払うことになるかもしれない。

この時期から私が気にするようになるのが、夜の天候だ。

昼の天候が気になるのは当たり前だが、夜に晴れているか、雨が降っているか、曇っているかが気になるのである。

晴れ渡った朝の冷え込みは強く、逆に曇っている日の朝は暖かい。路面が凍りやすいのは、晴れた日の朝なのだ。

一番に恐れる天気は、雨が降り、夜半過ぎから晴れ渡るという時だ。

この翌日には路面がスケートリンクのように、ツルツルになり、ブレーキを踏むと、車はクルクルとダンスを踊りだしてしまう。雪の方が安心なくらいなのだ。

そんな日は許されるのであれば、気温が上がる、お昼くらいまでは家に閉じこもりたいのだが、そうもいかないのが苦しいところだ。

▲冬晴れの八ヶ岳南麓。(山梨県北杜市高根町)

カレンダーをめくると、最後の1枚だった。

1枚のペラペラとなったカレンダー。元々は厚く重なったものが、毎月減っていくのだから、当たり前なのだが、何だろうか、もの悲しい気持ちになってしまった。

それは多分、今年が終わってしまうという事を、心の準備なく、視覚と触覚(皮膚)とで体感してしまったからだろう。

年を重ねるにつれ、時間が早く過ぎていくと言われる。同じ3年間でも学生時代と今が同じとは思えない。

そんな疑問の答えは、たまたま読んでいた本に書かれていた。生物学者である福岡伸一先生の「動的平衡」という本。〝生命とは何か〞という著作を多く出している方だが、学者とは思えぬ、ユーモアと艶のある文章が魅力的だ。

その中で、人は年を取るにつれて、自分の中に流れる時間をゆっくりと感じようになるとの記述があった。

自分の中に流れる時間と、実際に流れる時間の差。自分で感じている以上に、時間は刻々と過ぎてゆく。毎年12月を迎えると、過ぎ去った時間がまるでどこかに消えてしまったように感じるのは、このギャップによるものだろう。

ただ、スマホに撮りためた写真を見て、振り返ってみると、それなりにやってきた記録が、記憶となって甦ってくる。

今年も少ないながらも登山に行けたな、季節の花や食材を満喫したなと。日々の積み重ねを思い出せば、それは決して消えてしまった時間ではないのだ。

来年も日々を楽しく積み重ねていきたいものである。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/若葉の候、5月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】 

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年5月7日

▲水がはられた田んぼに空が写る。遠くには富士山。(山梨県北杜市大泉町)

北杜市の5月は、春の陽気が引き続き楽しめる季節といえるでしょう。

暦の上では、今年は5月5日が立夏、夏の気配が立ち上がる時期となりますが、北杜市はまだまだ春の陽気で、夏の気配は感じられません。季節の変わり目では無く、気候が安定する月。3月から4月へかけては、日ごとに気温が目まぐるしく変わり、体調を崩す方が多かったですが、5月は疲れを癒す良い機会となりそうです。

北杜市の5月の風景は、田んぼの水張りから始まります。

初旬から八ヶ岳南麓の傾斜を活かした棚田に、勢いよく水が入れられます。冬の間に固くなった土でボコボコと荒れた水面が、耕すことで綺麗な水面へと変化をしていきます。

茶色一色だった田んぼに命が吹き込まれるような、心が癒される景色で、水面には空や山、星空までもが映り込みます。田植え前の僅かな期間、私のお気に入りの北杜市の風景です。

わが家でこの時期の恒例としているのが、スズメバチトラップの設置です。これは冬眠から目覚めて単独で活動している嬢王蜂を捕獲することで、巣づくりを防ぎ、スズメバチの繁殖を防ぐためにおこなうものです。

▲スズメバチトラップ。容器は市販のもの、誘引剤は自分で作成。

スズメバチの巣は1年しか使用されず、冬を越した嬢王蜂は新たに巣を作るために、春からウロウロと活動します。近くに巣が出来てしまうと、大量のスズメバチが繁殖し発生、家の周りをブンブン飛び回り、大変怖い状況になります。その為、巣を作る前の嬢王蜂を捕獲することがポイントとなります。

トラップの作り方は、難しいものでは無く、容器に、蜂を誘い込む液体(誘引剤)を入れ、木の枝などにぶら下げておきます。容器は一度入ると、出られないように細工されています。ペットボトルで作る事も可能ですが、私はめんどくさがりで市販のものを使っています。

誘引剤は家庭で作れ、自分は焼酎とお酢、黒砂糖を混ぜたものにしています。オレンジジュース、ブドウの皮等も良いらしいです。誘引剤は人にとっても美味しそうです。なお、お酢を入れることでミツバチはトラップに来なくなるとのこと。

このスズメバチトラップを4カ所、庭にぶら下げておくのですが、効果は絶大で3週間程で容器がスズメバチでいっぱいになります。おかげで、ここ数年は家にスズメバチの巣が作られることはありませんでした。

▲新緑の季節。ミヤマザクラの花が咲く。(山梨県北杜市大泉町)

今年も巣が作られませんようにと、願掛けして設置する北杜市の5月です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/春の星を眺めてみませんか☆【八ヶ岳スタッフ・ゆるり☆星空さんぽ】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年5月1日

▲冬の星座から春の星座へと季節が進む。(画像はイメージです)

春が遅い八ヶ岳南麓ですが5月となれば凛とした冬の空気から水温む春のやわらかな空気へ。

天空の暦もまた気がつけば冬の星座から春の星座へと季節が進んでいきます。

春の星で代表的なのは、おとめ座の『スピヵ』とうしかい座の『アルクトゥルス』。

各々明るい一等星で日本では色の違いから『真珠星』、『珊瑚星』などといわれてきました。

アルクトゥルスは夕方に天高く輝く頃が麦の収穫時期にあたるため『麦星』という呼び名もあります。

またおとめ座の星座絵には麦の穂を持った農業の女神が描かれており、麦つながりからか二つの星は『春の夫婦星』と呼ばれることも。

そんな夫婦星が天空高く輝く頃、地上でもいよいよの農業シーズンに入ります。

野良仕事を終えて夕方宙を見上げるとそこには仲良し夫婦星。

天と地と離れているようでも、農でつながる春の星…

一日の終わりにしばし星を眺めてみませんか☆(八ヶ岳事務所 安江 美香)

山梨◆八ヶ岳/春暖の候、4月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】 

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年4月7日

▲青空の下、桜の花と八ヶ岳。(山梨県北杜市高根町)

春の訪れを感じる季節となりました。

北杜市の冬が大好きな私ですが、なんでしょう、春が近づくとワクワクしている自分に気づきます。なぜ春は人をワクワクとさせるのでしょうか。

まず大きいのは気候の変化でしょうか。3月の後半から、北杜市の最高気温はぐいぐいと上昇し、4月中旬には20度を超えはじめてきます。

気温が上がると、コートやダウンジャケットといったモコモコとした衣類が減り、体が軽くなると伴に、動きやすくなります。春は衣類も明るいデザインが好まれ、目からも軽やかさを感じられますね。

気候の感じ方として、寒い時は最低気温に影響を受け、暑い時は最高気温に影響を受けるそうです。4月は最低気温では無く、最高気温に体が反応するようになる、体感が切り替わる時期となりそうです。

▲桜。背景のレンギョウの黄色い花が賑やか。(山梨県韮崎市)

自然も春の訪れを告げてくれます。

気候が暖かくなると伴に、大地にポツポツと小さな花々が目を出します。冬の間は、茶色一色で占められていた大地に、色が付き、大地に表情が生まれたかのようです。

木々で一番初めに花を咲かすのは桜の木でしょうか。春といったら桜。日本人のDNA に刻み込まれているのでしょうか。桜を見ないと、春ではないような、そんな気さえしてしまいます。

桜の花は、エリア毎に一斉に咲き、僅か1週間程で花を散らしていきます。その豪華な咲きぶりの一方で、一瞬で散ってしまう儚さ。

▲川沿いの桜と遠方の山桜(山梨県北杜市武川町)

北杜市では、この桜の花を長い期間楽しむことが出来ます。八ヶ岳南麓の緩やかな傾斜に位置する北杜市は、エリアにより標高差が激しいことが特徴。具体的な標高としては、須玉ICは470m、少し上がって長坂ICは706m、小淵沢ICまで上がると916mと、八ヶ岳の山頂に近づくにしたがって、どんどんと標高が上がっていきます。

須玉町で買ったポテトチップスの袋が、標高1100mのわが家にくると、パンパンに膨らみ、2倍くらいになっている、それが日常の風景です。

この標高がエリアによる気温差を生み、桜の開花をずらしてくれます。

北杜市では標高の低い須玉町、武川町、白州町エリアから、階段を上るように標高の高いエリアへ、桜の開花前線がゆっくりと移動をしていくのです。

その為、3月下旬から4月下旬にかけて、車で市内をドライブしていると、どこかしらで満開の桜を見ることが出来ます。

それぞれの花との出会いは一期一会、春の暖かな陽気の下、素敵な出会いがあなたを待っていることでしょう。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/大雪の候、12月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年12月9日

▲冬の陽射しは角度が低い。暗い森の先に、煌々と輝く南アルプス。(北杜市高根町)

師走となりました。師走という響きだけで、なんだか慌ただしく、せわしない気持ちにさせられてしまいます。

毎年、気が付けば12月、そしてじっくり味わうというよりは、走り抜けるように過ごす感覚になるのは、年末というゴールが目前に迫り、それまでに決着をつけねばという気持ちになるからでしょうか。

八ヶ岳南麓の北杜市の気候でいうと、11月下旬から12月初旬に毎朝の最低気温が0度を下回り、別荘や長期間に留守をする場合は、水道管の凍結防止のために、水抜きをしないといけない時期となります。

地元ラジオにおいても凍結防止のために、蛇口をゆるめ水を少し出しておくようにという自治体の広報が流れたりします。都内で住んでいた時には聞かなかった話題です。

冬場の習慣として、北杜市に移住してから知ったのは、お風呂に水をはっておくというものです。暮らし始めてから2年程は、全くそういった事は知らずに、過ごしていたのですが、気温がマイナス5度を下回るような寒い朝に、お湯が出なくなるということが数回ありました。

そんな日は、朝風呂派の私は家での風呂を断念し、仕事帰りに公営温泉に立ち寄って帰るという生活をしました。

まあ寒い地域なので、それも仕方ないのだろう、たまに行く温泉はめちゃくちゃ気持ちが良いし、仕事帰りに気軽に温泉に寄れる北杜市は最高だ、なんてポジティブに思っていました。

ところがどっこい、お風呂に水をはっておけば、そんなことにはならないと、後から知ったのです。

▲冬の凛とした朝に、暖かな太陽が昇る。右奥に富士のシルエット。(北杜市高根町)

お風呂のお湯を沸かすのは、外にある給湯器。寒い朝にはこの給湯器に残っている水が凍ってしまい、詰まり、お湯が出なくなるのだそうです。

一方で、追い炊き機能があるお風呂については、水をはっておけば、気温が下がると、給湯器のポンプが自動で動き、給湯器内の水を循環し、凍結を防止する機能がついています。

なお、加熱はせずに水をポンプで循環させるだけなので、光熱費はほぼ変わりません。

給湯器の凍結は、故障へもつながり、それは大きな出費となります。冬になるとお風呂には水をはっておく、北杜市に移住してからの新しい習慣となりました。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/夏から秋の星座へ【八ヶ岳スタッフ・ゆるり☆星空さんぽ】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年11月4日

▲この時期から星がキレイに見えますね☆彡(イラストはイメージです)

今年の夏はどれくらいのお客様と「意外と暑いですね~」と話しただろうか。

八ヶ岳南麓で暮らし16年となるが、個人的には当初暮らし始めた頃より、暑くなっているような気がする。

日中の炎天下は堪える暑さだが、木陰に入ればホッと安心する涼やかさ。また陽が落ちれば気温は下がり、夕涼みがてら散歩しながら今日の一番星を探す頃には心地よい温度になっているというこの夏。朝晩の寒暖差が嬉しい夏でした。

このお話を書いている10月初旬になるとその寒暖差がますます大きくなり、秋虫の声が気持ちよく、さわやかな秋風が通り過ぎていく。

そして夜の宙の主役は夏の星座から秋の星座へと季節が移ろっていきます。

明るい星が少ない秋の星座たち。

古代エチオピア・ロイヤルファミリー星語りを実天で星を見ながら話したりするので、夜が寒すぎないとゆっくり星見ができて嬉しいこともあります☆(八ヶ岳事務所 安江 美香)

山梨◆八ヶ岳/清秋の候、10月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年10月12日

      ▲稲刈りを終えた田んぼ。奥には雪をかぶった南アルプス。(北杜市高根町) 

目まぐるしく季節の変化を受け入れる日々、それが八ヶ岳南麓の10月ではないでしょうか。

前半には稲刈りが最盛期を迎え、田んぼの様相が日に日に変わってきます。

黄金色の稲が次々とコンバインで刈り取られていく様はなかなかダイナミックで、稲が天日干しされている景色は清々しいものがあります。ただその後、天日干しされた稲も回収されると一転、寂しさのようなものが漂います。

そのころになると気温も大きく下がり、10月の中くらいには最低気温が10度を下回り、後半にかけては1度近くになる日も。秋の様相も気が付けば冬へ。涼しいと思っていた気候がいつの間にか寒いに変わっています。

10月後半には周囲を見ると標高の高いとこから紅葉で山々が色付いています。南アルプス、八ヶ岳の頭には積雪の様子も。毎年、薪ストーブの火入れの時期もこのころでしょうか。季節の変化を間近に感じられる北杜市の10月です。

▲縄文遺跡の跡地を試掘調査している様子。

■身近な縄文時代
八ヶ岳山麓は縄文文化が花開いた地域として、考古学好きな方には知られる場所。

北杜市、茅野市、富士見町には考古学資料館があり縄文土器の実物が見られ、当時の人々の暮らし方を知ることが出来ます。

ロマンのある話、でも現在の我々には関係ないよねと思うのだが、そんな縄文時代を身近に感じられるのが、意外にも土地の売買です。

北杜市では売買をする土地が、縄文遺跡の上にあるということが度々あるのです。現在は集落であったり、町工場であったり、畑や森だったりと一貫性がなく、はたからみても、縄文遺跡があるか見分けがつきません。

そこで、売買の際には埋蔵文化財センターという場所に照会をかけることになります。

標高が高いエリアでも該当することがあり、縄文時代は今より気候が温暖だったのでしょうか。

縄文遺跡の跡地に家を建てる際は試掘調査が入り、めぼしいものが見つかれば発掘、写真や記録を残して埋め戻して調査終了となります。調査費用は市が負担します。

以前、試掘調査に立ち会う機会がありました。試掘とはいえ、遺跡発掘、さぞかし繊細な作業をするかと思ったら、実際にはショベルカーでガツガツと地面を掘っていきます。かなり広い土地でしたが、作業は1日かからずに終了。それでも縄文土器のカケラが何点か見つかり回収がされました。

縄文人が住んでいた場所にまた現代の人が家を建てる。時代を超えた人の営みになんだか不思議な楽しさがあります。少し縄文時代が身近に感じられる瞬間です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)