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山梨◆八ヶ岳/秋風の候、9月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】 

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2025年9月7日

▲稲穂が黄金色に輝き、奥には南アルプスの山並み。(山梨県北杜市)

北杜市では、夏の終わりと秋の訪れを感じる時期となりました。

夏の終わりと共に家族連れの観光客が減り、車も減り、スーパーではバーベキューの食材コーナーが消え、飲食店やパン屋でもゆとりが感じられます。夏というイベントが終わって、少しの寂しさと共に、日常が戻ってきたという感じでしょうか。

一方で夏山登山は、気候が安定し、一番良い季節かもしれません。

7月のある日、以前から、やりたいと思いつつ、先延ばしにしてきた事を実行に移しました。

それは、小海線で旅をするということ。

▲のんびりと流れる時間を楽しむ小海線の旅。

小海線は山梨県北杜市の小淵沢駅から長野県小諸市の小諸駅までを結ぶ鉄道で、八ヶ岳高原線の愛称がつけられています。単線、各駅停車のみ、車両は2両編成、1時間に1本ほどの間隔でダイヤが組まれています。今まで乗ったことはあるものの、ごく短い区間だけでした。

今回は最寄りの甲斐大泉駅から小諸駅まで約2時間、停車駅は何と28駅。そこから乗り換え、しなの鉄道で軽井沢まで約20分。全体で約1時間30分の電車旅です。

軽井沢までは車で度々行くのですが、時間はあまり変わりません。停車駅の多さの割には、意外に早いと思いました。

当日は8時台の列車に乗り込みました。これを逃すと次は2時間半後。運行本数は少ないです。

無人駅の為、駅員はおらず、ホームで待つのは我々夫婦のみ。誰もいない駅でポツンといるのは初めてで、列車は来るのだろうかと少し心配になりましたが、時刻通りに到着。乗り込むと、人はまばらで席にも余裕がありました。

動き出すと、冷房が効く中、コトコトと動く車両の揺れが気持ち良い。車窓からの眺めは、森の中に飛び込んでいくという表現がピッタリで、木々の緑のトンネルの中を走っていきます。たまに、枝葉が窓にあたり、なんだかテーマパークにいるようなワクワク感があります。

木々とトンネルを抜けると、曲がりくねった千曲川の眺め。たまに鳴らされる警笛は、鹿を除けるものです(衝突事故で運休することが度々)。

▲のんびりと流れる時間を楽しむ小海線の旅。

鉄道の旅はよそ見が出来る、眠っても良いし、本も読める。車の運転と違い、注意散漫でも、勝手に進んでくれるのは嬉しいことです。これも普段は車移動が中心で、バス、電車に乗ることが無いから余計に感じるのかもしれません。

そして、同じ目的地に行くのでも、車とは見える景色が全く変わり、同じ場所への移動とは思えませんでした。

登山でも同じ山頂であっても、ルートが変われば全く違う山になります。普段と違う方法で移動するだけで、心境も変わってくる。そんなことを改めて感じた良い旅となりました。

次回は、季節を変え、冬景色を愛でながら乗りたいなと思います。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

長野◆千曲市/姨捨山伝説と物語【北の国から・制作スタッフ進行日誌】

この記事の投稿者: 編集

2023年3月31日

▲姨捨山SA から見る千曲川付近の市街地。

長野県千曲市の長野自動車道にある姨捨山(おばすてやま)SAは善光寺平を見渡せ「日本の夜景百選」にも選ばれています。

姨捨山(冠着山(かむりきやま))は皆様もご存じのとおり姨捨山伝説と姨捨山物語の地です。

今回は姨捨山伝説をご紹介します。

『むかしこの地の殿様が「60歳になった年寄りは山に捨てること」という御布令を出しました。殿様のいうことは誰も逆らえません。

ある日のこと一人の若い息子が60歳になった母をおぶって山を登りました。

母が「木の枝を折って所々に落としたのでこれを目印にお帰りなさい」と息子に言うのです。

息子はその母の言葉で我に返り命令に背いて母を家につれて帰りました。

それからしばらくして隣の国より突然、2度も難題を突き付けられ「解けなければ攻め込む」と言われるのです。殿様は「誰か解ける者はいないのか?」と国中に御布令を出しました。

それを聞いた母が息子に助言し2度の難題をどちらも解いたのです。

すると隣の国は「知恵者がいる国と戦っても勝てるわけがない」と攻め込むのを諦めました。

殿様は大層喜び息子を城に呼び寄せ「褒美をとらす。」と言いました。男は「褒美でしたら…」と母が解いたことを正直に伝えると「なるほど。年寄りというものはありがたいものだ。」と殿様は自分の間違いに気づき御布令をやめさせました。』

以上が姨捨山伝説になります。

姨捨山物語が気になる方は『大和物語』第156段を読んでみてください。(本部 井上美穂)

長野◆上田/おかえり!別所線!!【地域深堀り・のぞむ歴史紀行】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2021年6月13日

令和元年に大きな被害をもたらした台風19号は、全国に甚大な被害をもたらし千曲川も増水、氾濫し、周辺では冠水被害も多く報道されました。その台風の影響で千曲川を渡る橋梁が落ち、上田電鉄別所線は上田駅から城下駅間が運休していましたが、1年5ヶ月の時を経てようやく全面再開しました。

橋梁は大正13年8月に架設されたもので、上田電鉄の象徴たる「赤い鉄橋」として多くの方に親しまれていました。この鉄道は通学や通勤、病院へ通う高齢者の足として地域に根差しており、「信州の鎌倉」とも言われる別所温泉へ訪れる観光客からも愛されています。(上田駅―別所温泉駅間(11.6km)を結ぶ長野県の鉄道路線)

運休の間は代替えバスでの輸送となり、地元の方々や全国のファンも募金を募ったり早期復旧のための署名活動が行われました。震災直後から復旧事業が始まり、11月には堤防の復旧が完了し、12月から桁撤去工事。本年1月に桁の仮設、2月にレールの接続が完了しました。3月には試験走行や検査が行われ、無事に復旧の運びとなりました。

新しくなった橋は以前よりも鮮やかな赤い色となり、輝きが増しています。復旧後の一番電車には再開を祝う方々200名弱を乗せて列車が千曲川橋梁を通過しました。全国では廃線や減便の声が聞こえておりますが、無事に復旧が完了したニュースは何とも喜ばしい出来事です。上田へお越しの際は是非ご覧ください。(本部 長内 望)