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山梨◆甲州/場所も色々、石垣も色々【地域深堀り・のぞむ歴史紀行】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2021年9月21日

山梨県は昔、「甲斐の国」と呼ばれていました。由来は周囲を山に囲まれたいわゆる山峡(やまかい)の「峡」の意に由来するといわれております。名前の通り、四方を山に囲まれているいわゆる盆地地形となり、少ない平坦を有効に活用する為に、先人たちは工夫を凝らしていました。

その一つとして、石垣を用いて傾斜地に平らな面積を増やす方法でした。昔はセメントもコンクリートも有りませんので、石積み技術が重要で、大きさもバラバラな石を積み上げる技術は素晴らしい物でした。

VやWとなる良い積み方。

一般住宅や畑、田んぼにも多く用いられています。甲州市塩山にある川村造園(甲州市塩山福生里485 -4)さんには、普段から案内をお願いし、庭木や石垣の事を教えて頂いており、「この石垣は上手に積み上げられている」という物件もありました。どの様な積み方が上手か尋ねると、「『Vの字』に積むのが上手な積み方で、上に乗せた石と下の石の継ぎ目がYになると荷重が下へと伝わり、石が噛み合って強い。『品の』字平に重ねると、作業は簡単で速いけど、噛み合わないからね。横からの加重(土厚)が掛かると押し出されてしまう」との事でした。

信玄公の言葉で「人は城、人は石垣・・・」適材適所で才能を十分に発揮できる場所が重要との教訓ですが、石をどこに配置するかを見分ける技術で長持ちするかが決まると教えて頂きました。(本部 長内 望)

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売却物件を求めています

大切にされてきた家には限りない魅力がある都会の喧騒から自然の暮らしを求め、思い出をたくさんつくったあなたの田舎の家。人生のステージの変化にともないそれを手放す時が来るとしたら・・・これから田園生活をしたい人にバトンを渡すように引継ぎたいと思いませんか。

ふるさと情報館創立30周年を迎え、近年「この家を引継ぐ子どもや親戚がいない」「配偶者に先立たれ町に住む子どもと暮らす」など、様々な理由で売却する方の相談が増えてきました。日本では木造住宅の耐用年数は22年で、それを過ぎると建物の評価はゼロですが、ふるさと情報館では、永年使われてきた家や周辺環境、庭、菜園や果樹、必要な道具類も込みで「田園生活住み継ぎ物件」として、これから田園生活をしたい方に紹介する事業を展開してゆきます。

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山梨◆甲州市/扇状地に住まう人々(中萩原~下小田原)【行くぞ!甲斐路・所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 代表取締役・中村健二

2021年8月25日

▲緑濃い梅雨時の慈雲寺。

中央本線塩山駅の北東方向にある「甲州市塩山萩原地区」は、かつて養蚕農家が軒を連ねていた。水田ではなく畑の赤土土壌で、水はけが良い代わりに「痩せた土地」であり、桑畑が広がる農村だった。今では国道と県道の続くこのあたりはその土壌と寒暖差を活かしたモモやスモモ、ブドウの一大産地として人気が高まり、「大菩薩の湯」から秩父路を目指す人々が往来するほか、名刹やワイン醸造所など甲府盆地の東エリア(峡東地区)における拠点となっている。

また、このあたりは別名「一葉(いちよう)の里」とも呼ばれ、春から秋にかけては格好の散策コースとなっている。「一葉」とは明治期の夭折の女流作家で五千円札の肖像でも知られる「樋口一葉」のこと。ご両親のご生家がこの近在の「中萩原」であったためだと言われる。イトザクラの名所・慈雲寺には一葉を偲び幸田露伴の碑文や文学碑も建っている。周辺の民家はこの地区特有の養蚕に適した屋根の中央が出っ張っている甲州民家が数多い。

▲桃畑より見る甲府盆地。

さて、大菩薩などの奥秩父連山を源とする重川(おもがわ)が作り出した地形は、この先南西方向に向かい甲府盆地につながる。いわゆる東郡(ひがしごおり)の扇状地が甲府盆地に広がっていくのだ。そして道路は甲府盆地までずっとずっとくだっていく。そのため、このあたりの民家は南向きであるにもかかわらず、屋敷は道路より西側が一段高くなっていて、きれいに石垣が積まれた家々がまるで西側を正面にしているようで面白いと思った。

▲大菩薩の湯の横を流れる重川。

初めてこの「萩原地区」に来たときのこと。今から20 年ほど前の話である。特に冬の時期夕日が沈む方向に真っ白な南アルプスの北岳(標高3193m)、間ノ岳(同3190m)、農鳥岳(同3026m)の白根三山が雄々しく光り輝いていたことが強く印象に残っているのだ。ある年の春、甲州市で鎌倉時代から続く工務所の社長からこんな電話があった。

「突き上げ屋根の甲州民家が多く残った場所があるんですが、一度見てみませんか」と。

時はまさに「民家再生」が全国的なブームとなっていたころ。ギャラリーや酒蔵や旅館などに古材が利用され移築再生された民家などが一般誌なども賑わわせていた。それはリーマンショックあたりまで続く。今その流れは、環境配慮型の化石燃料を抑えた持続可能なこの時代の生活様式に引き継がれていこうともしている。

さて、われわれは国道411号線(青梅街道)を北上し、下小田原地区の脇道をさらに山側へと向かっていった。東西の山裾にはモモ畑が広がり由緒ありそうな寺院や神社が続く。と、その先はぐっと開けた場所である。見上げると、段々畑の上にはみごとな突き上げ屋根の民家が、かみしもを身にまとい、居住まいを正すように整然と建ち並んでいるではないか。その数は10軒以上もあるようだ。

金剛山より真南に伸びる舌状台地に形成された「上条集落」。一説には戦国時代の黒川金山衆(くろかわきんざんしゅう)が居を構えたのが始まりだという。武田が滅んだ後も、この集落の人たちは脈々と生きながらえてきたのだと思うと、少なからず気持ちが震えたのだった。

▲上条集落入口から見たもの。

その後この社長が中心となって設立された「NPO 法人山梨家並保存会」の努力により、この地区は「重要伝統的建築物群保存地区」に指定され、見学コースも徐々に整備されてきた。地区の中心にある「中村家」(いまは「もしもしの家」)で、わたしも福生里(ふくおり)の広瀬さんたちに招待され何ごとかを話し、丁重にお昼をおもてなしされたことがある。心暖まるひとときだった。今でも地元の子供達などにも開放されているという。

▲「もしもしの家」スタッフの内田さん。

甲州市は隣接の山梨市と同様に移住定住に積極的で「甲斐適生活応援隊」メンバーでもある。当社においても甲州市は人気エリアのひとつだ。
(八ヶ岳事務所 中村健二)

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甲州市役所のお問合せ
甲州市塩山上於曽1085-1
Tel 0553-32-2111

▲甲州市役所。

山梨◆甲州塩山/3月の現地見学会を終えて~5月の見学会も受付中ですよ!【地域担当・イベント報告】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2017年5月1日

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去る3月18日に山梨県甲州エリアの現地見学会を開催しました。物件は「山間地の眺望が良い物」や、「駅から近く生活便が良い物」などを比較しながら回りました。天候にも恵まれ、どの物件からも南アルプスや富士山を望むことが出来ました。(#残念なのは、桃の花には少し早く、山の上から桃源郷を望むことは出来ませんでした)

このエリアは例年では4月上旬に濃いピンクの花が満開を迎えます。6月からは徐々に「果物狩り」が楽しめる季節となり、「桃」や「プラム」、「さくらんぼ」等が楽しめます。特に「葡萄」は種類が多く、お好みの品種を探すのも良いでしょう。

途中「甲州民家情報館」や「石川工務所の古材ギャラリー」を訪れ、地域にも触れて頂けたと思います。会ごとに違う見どころを盛り込んで行いたいと考えております。以前にご参加頂いた方も楽しめる見学会にしていけるよう企画させて頂きます。(山梨甲州エリア担当 長内 望)

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伝匠舎・石川工務所(山梨県・甲州市)
http://densho-sha.co.jp/

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5月の現地見学会募集中~田舎探し・新緑のホッとエリア現地見学会

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