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東京◆本部/相続を考える勉強会を開催〜相続登記義務化を迎えて〜【本部スタッフ・不動産まめ知識】 

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2024年4月28日

▲自身も父親の実家を畳んだ経験のある辻村司法書士。

本誌で掲載している法務・税務のページでは、今年の1月号より紅一点・三ツ木美詩先生に執筆を依頼。1月より相続登記について解説頂き、私も参考にさせて頂いています。

相続となるとなんとなく後ろ向きの印象もあるので、日常的には後回しにしてしまう話題。実際私も年老いた実家の両親を前にそのような話題は口にできませんでした。

しかしながらコロナが落ち着いた今年の正月、妻の実家の両親より何となく相談を受け、それならば一度、実家の両親を招いて相続に関する勉強会を開いてみよう、と思い立ったのがきっかけでした。

本誌の誌面でもかつて執筆頂き、田舎の不動産、特に実家をたたむエキスパートとして、日常業務でもお世話になっている辻村潤司法書士をお招きして、貸し切りの集会室を確保。慣れない新しいスマホのLINEで82歳の父より「参加します」の文字。すでに嫁いでいる妹を含めた星野家全員参加で約4時間の勉強会です。

▲お昼を挟んで約4時間。勉強会を通して色々な発見がありました。

まず相続に関する3つの誤解。

1つめは相続対策はお金持ちだけがするものではない。

2つめは法定相続分は絶対ではない。

3つめは相続の話をするのは決して「親不孝」でも「不謹慎」でもないことを説明。

さらに相続【税】対策は財産がたくさんある家庭。相続対策はほぼ全ての家庭が必要だということから説明しました。

故人の希望を尊重できることが大事であり、死は決して年齢順に訪れないこと。自分事としての生前準備が必要であること。また残された相続人の立場をお互い思いやることで、遺産分割協議がスムーズに行くことを知りました。

つまり各自の権利や生活などの立場を理解することで、例えば不平等な遺言書、法定相続分、さらに遺留分侵害額請求権……などお互いが知り、事前に知ることで、例えば高齢の母を介護した長女の苦労を思いやる、など一歩俯瞰して見ることができ、お互いの権利を尊重できます。

また、星野家の相続でも仮に私が両親より先に亡くなった場合は息子が代襲相続、未成年の場合は妻が遺産分割協議に加わる可能性も、また妹の旦那さんが参加する可能性。亡くなる順番によっては相続人の人数まで変わってくることを、辻村先生と対話形式で話をしながらきづくことができました。

長時間の勉強会、最後の質疑応答で父が、自分の田舎の実家の相続について気がかりだったことを吐露しました。

私の父は7人兄弟5男2女の一番下。囲炉裏のある茅葺き古民家には正月に親族が一斉に集まり、いつも末席、いとこのご主人と一番後ろに座っていたのを憶えています。

年齢的にはいつのまにか長老となり、辻村先生と家系図を記入。現在の家に住む家長が亡くなれば、私の思い出の中にある田舎の「星野家」の土地と家は、かつて末席に座っていたご主人の名字の家になる可能性が高いことを知りました。

だから何か対策を、財産が欲しいとかなどではありません。事実として関係者が理解・共有すれば、考えるきっかけとなり、それだけで良いのだと思います。

相続登記の義務化をきっかけに、みなさんの家も一度考えてみてはいかがでしょうか。(本部 星野努)

※相続勉強会で作った資料PDFを希望の方にプレゼントします。希望者はsample@furusato-net.co.jpまで。

東京◆本部/田舎の不動産の売却をお考えの方に・・・事前準備

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2016年10月15日

不動産を売却する方タイトル

毎月たくさんの売却相談のメールを頂いております。ふるさと情報館では全国の不動産を取り扱っており、エリアによって担当者に分かれております。

不動産を調査し、物件の特長、問題点を明確にし、諸条件を整えることが我々不動産仲介業者のお仕事です。一連の流れを「物件化する」と呼びますが、原則、価格査定は無料で行っています。

地域によって独自の法令や慣習などがあり、一般の皆様へ紹介できるまでには一定のお時間が必要となります。今回、相続で思いがけずに田舎の不動産の所有者になった方のケースが続いたので、売主様に向けて事前に準備すべきことを少し書きたいと思います。

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・ある日突然、不動産の所有者になったものの・・・

亡くなられたご親族より譲られるケースがほとんどですが、遺言が無ければ法律に定められた相続人が遺産を相続することになります。相続人が複数人いて、共同で相続した場合は、「相続財産」を具体的に誰にどのように分けるか?という取り決めをする必要があります。

「相続財産」は、相続人のもつ経済的価値のあるものすべてのものを指しますので、現金・預貯金をはじめ、土地、家屋などの不動産が当然含まれます。借入金などのマイナスの財産も相続対象となりますので、それらをどのように分けるのかを話し合うことを「遺産分割協議」と呼びます。通常は、その結果を「遺産分割協議書」を作成して各自保管します。

また、不動産は法務局に保管してある公式の帳簿(登記簿)に所有者が記載されています。土地及び建物(未登記の場合あり)が亡くなられた方の名前のままなので、あらためて新しく権利を取得した方(相続人)に登記する必要があります。その登記に上記の「遺産分割協議書」の添付が義務付けられているというのがポイントです。

「遺産分割協議書」は相続人全員の納得・合意が必要であり、相続人全員が署名・捺印されなければ効果がありません。つまり、不動産仲介業者の立場から言えば、登記簿謄本に記載されている登記名義人が、売却依頼を頂いた方と同一であるか。同一で無い場合は登記名義人、真の所有者との関係をもとに、第三者に適法に売買できる権利者は誰なのか。ということをヒアリングすることになり、「相続登記が為されているか」というのが重要な確認ポイントとなってきます。

実は「遺産分割」という行為自体、いつまでに行わなければならないという期限が規定されていません。なので、登記簿に亡くなった方のお名前、時には祖父、曾祖父の代の名前のまま、なんて登記簿を見ることも多かったりします。

代を重ねればそれだけ法定相続人(子孫)が増えて、対象者が増えていきますので、「遺産分割協議」、「相続登記」が難しくなっていくのは必然ですね。

遠い親戚の一人が海外に移住、長年不義理した、まったく会ったことも無いご親族さんに実印を押してもらわなければならない・・・なんてことで現実的に相続登記を断念される方もいらっしゃいました。その場合は専門家にアドバイスを貰い、代わりに行ってもらうというのも重要でしょう。

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・もし「相続登記」が為されないままだったら・・・?!

もし「相続登記」が為されないまま、例えば新しい買主様が見つかったとしたら・・・当然そのままでは所有権移転ができないので、「遺産分割協議」を慌てて行う必要があり、また、思いがけぬ法定相続人が出現するかもしれず・・・「取引の安全」の観点からも不安要素となってしまいますね。

不動産を販売するために、「権利関係を整えること」が肝要で、売主様も必要に応じて経費をかけ、「物件化する」作業を行っていくことになります。

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・「相続登記」誰に相談すればいいの?

「相続」については弁護士をはじめ、司法書士、税理士、などに相談することが多いです。権利関係の登記は司法書士の職域となりますので、遺産分割協議を含め、司法書士の先生に相談される方が多いのではないでしょうか?債権や係争要素があれば弁護士の先生、相続税について専門の見地が重要であれば税理士の先生など、ご自分のケースに一番あった専門家に相談されるのが良いと思います。

(本部営業・ほしの)

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「実家のたたみ方」を登録商標とする「リーガルアクセス司法書士事務所」の辻村潤司法書士のページ。ふるさと情報館でも相続の無料相談会を開催したことがあり、東京(渋谷)で全国の田舎物件の相続相談ができます。

http://legal-access.jp/despo/

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