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岐阜◆白川村/白川郷の歴史【北の国から・制作スタッフ進行日誌】

この記事の投稿者: 編集

2025年3月28日

▲荻町城跡展望台から見る景色。

その昔、焔硝えんしょうや蚕で栄えた白川郷の村落では長男だけが結婚することができました。

次男以下はお嫁に行かない女性と内縁を結び、子供が生まれると女性の家で育てることが一般的でした。

女性はお嫁に行かず内縁の妻として子供を多くつくることが労働力確保のために良しとされていたため、一家族には多い家で40〜50人もいたそうです。

ところが明治になりインフラ整備がされないままの白川郷は過疎化が進み衰退の一途をたどりました。

しかし、このままではいけないと地元住民と学者、保護団体が連携して集落保存の取組が本格化し、1995年にユネスコの世界遺産に登録されました。

そんな過去がある白川郷は今では人気の観光地です。

さて、せせらぎ公園の駐車場にある「であい橋」を渡ると白川郷の世界遺産集落が見えてきます。

橋を背にメインの道を左に真っすぐ進むと、国指定重要文化財の「和田家」に沢山の人が集まっていました。

和田家は江戸時代に名主や番所役人を務め、白川郷の重要な収入源であった「焔硝えんしょう(火薬)」で栄えました。

焔硝の主な材料は尿です。室内に穴を掘り尿を溜め、蚕の糞、それに藁などをかけると硫酸カリウムの結晶ができます。

この結晶を一旦お湯に溶かしてから再結晶させると焔硝が完成します。この焔硝は塩のように見えるため「塩硝」と呼ばれていたそうです。

和田家は屋内も見学することが出来ますので、白川郷に行かれた際は是非見学をおすすめします。(本部 菊地美穂)

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国指定重要文化財「和田家」一般社団法人白川郷観光協会ホームページより引用)

・住所:〒501-5627 岐阜県大野郡白川村荻町997

・入館料:大人: 400円(中学生以上) / 小人:200円(小学生) ※団体不可 ※現金決済のみ

・営業時間:9:00~17:00

・休館日:不定休

・アクセス:【最寄バス停 バス停からの距離】白川郷バスターミナルより徒歩約4分

岩手◆遠野/「スネカ」とは何者でしょうか?【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年3月5日

※立て看板より

岩手県大船渡市三陸町の吉浜集落に江戸時代から継承されてきた「吉浜スネカ」があります。岩手県では沿岸部を中心に来訪神行事が分布しており、県北に「ナモミ」「ナゴミ」と呼ばれる行事もあります。

ここ吉浜では小正月(一月十五日)の晩に、鬼とも獣ともつかない面をつけ、蓑に身を包み、アワビの殻を腰にぶら下げ、俵を背負った「スネカ」が家々を訪れて、「なぐ子はいねが~」「なまげ者はいねが~!」と身を屈めて鼻を鳴らして、子供達を驚かして廻り、幼い子供達は親や祖父母に抱きついて泣きじゃくるのです。恐ろしい形相の「スネカ」を家に受け入れて、幼子が強く健やかに育つことを願い、子供を中心とした年に一度の風習で、吉浜の子供からお年寄りまで、「思いが一つになる瞬間」です。

この来訪神、仮面・仮装の神々は、世界中の民俗に様々な形態で存在するそうですが、日本では有名なところでは秋田の「ナマハゲ」、能登の「アマメハギ」等を含めて、10団体が昨年末にユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載が決定されました。

過疎化に喘ぐ地方の集落では、このような貴重な文化・芸能の後継が危機的な状況ですが、吉浜地域の人々の熱意が伝わってきます。(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

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文化庁(無形文化遺産)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/mukei_bunka_isan/