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山梨◆八ヶ岳/立冬の候、11月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年11月8日

▲日を浴びて甲斐駒ヶ岳の輪郭が浮かびあがる。(山梨県北杜市)

北杜市は秋のさかりを迎えています。10月終わりから11月中頃にかけて山々が刻々とその表情を変えていきます。

北杜市では桜前線が標高の低いところから高いところへと駆け上がるように時期を変えて進みましたが、秋の紅葉の見ごろも標高に大きく左右され、山の上部から下部へと駆け降りるように進んでいきます。

▲青空の下、紅葉を見上げる。(山梨県北杜市)

地元に住んでいても、紅葉の見ごろをキャッチするのは中々難しいところ。見頃まであと少しかなと思っていて、次に訪れると葉っぱが落ちてしまっているということもしばしば。

紅葉の美しさは刹那的、だからこそ毎年惹かれるのでしょうか。本原稿の作成にあたり、昨年の写真を見返してみると、自然の表情にハッとさせられる、印象的な景色のものが結構ありました。

11月でも前半と後半では植物や木々の表情が大きく変わります。そしてその表情の変わるタイミングというのか、移り変わる瞬間、物事の移り行く過程が哀愁を、美しさを感じさせ、印象的な景色となるのではないでしょうか。

物事の移り変わるタイミング、昼と夜、黄昏時、現世と常世、生と死。季節が移り替わる秋のこの時期、少し感傷的に物事が見えてしまう。

▲夕暮れの空に八ヶ岳。田んぼに静けさが漂う。(山梨県北杜市)

天候も安定しやすいこの時期、ドライブついでに秋の景色を写真におさめてはいかがでしょうか。夕暮れ時の八ヶ岳の山並みは特におすすめです。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

【八ヶ岳事務所エリアの物件】
八ヶ岳南麓エリア・・・北杜市高根町、北杜市長坂町、北杜市大泉町、北杜市小淵沢町
韮崎・茅ヶ岳エリア・・・北杜市須玉町、北杜市明野町、韮崎市、甲斐市
武川・白州エリア・・・北杜市白州町、北杜市武川町

山梨◆八ヶ岳/清秋の候、10月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年10月10日

▲黄金色に輝く田んぼにトンボの姿。(山梨県北杜市)

10月初旬。北杜市では稲刈りの最盛期を迎えます。

黄金色の稲穂の間を、コンバインが駆けていく。5月に始まった田んぼの水はり、田植え、毎日の水の調整、週末毎の草刈り、傍から見ていても、稲を育てるという事は大変な作業ですね。

そして今年も田んぼの1サイクルが終わろうとしています。10月の中旬には八ヶ岳、南アルプスの山も冠雪となるでしょう。空気も澄んで、山を眺めるのに良い季節となります。

▲10月中旬。南アルプスがうっすらと雪化粧。(山梨県北杜市)

▲稲刈りの季節。コンバインが駆けていく。(山梨県北杜市)

皆さんご存じでしょうか、北杜市は知る人ぞ知る米どころなんです。

正直、私は移住するまで、北杜市の米というものを聞いたことがありませんでした。思い返せば「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」といった銘柄は気にしていても、どこの産地の米かを気にしていませんでした。

住み始めた当初も、田んぼがあるくらいの認識でした。ただ北杜市の食堂やドライブインで出てくる米(武川米が多かったでしょうか…)がとても甘くて、甘くて、ビックリしてしまいました。

その事を地元の方に話したところ、ご自分が褒められたように喜んでくれた記憶があります。こんな話も聞きました。「北杜市須玉町の米は、新潟魚沼産の米の在庫が少なくなると、魚沼産として市場に出されるのだと」。

これは都市伝説のようなもので、魚沼産に劣らず美味しいという話が誇張されたものだと思います。ただ、それくらい地元のお米への信頼というか、誇りがあるのだなと感じさせられたエピソードでした。

調べてみると、JA 梨北管内で栽培された「梨北米こしひかり」は、食味ランキングにおいて最高評価の「特A」を通算10回獲得しているそうです。そして平成20年には魚沼産こしひかりをおさえ、日本一美味しいお米にも選ばれたことも( ㈱米福HP より)。

食味ランキングとは(社)日本穀物検定協会が実施しているもので、専門家20名が毎年、お米の「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」で審査し、基準米とおおむね同等のものを「A’」、特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価をするものだそうです。

こんなシビアな戦いが毎年行われていたのですね。私の方は、ここ3年程から顔見知りの農家さんからお米を買うようになりました。知っている人が作っているお米なので、なんでしょう安心感があるのは勿論、応援したくなる気持ちまで湧いてきます。

「梨北米こしひかり」のここ3年の結果は「A」の成績、「特A」からは遠ざかっているようですが、個人的には、それは何かの間違いなのでは?と言いたくなるくらい、北杜市のお米推しの今日この頃。北杜市においでの際は、是非、お土産にお米をお買い求めください。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

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山梨◆八ヶ岳/葉桜の候、5月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年5月5日

▲田んぼの代掻き(しろかき)。奥に八ヶ岳の姿(北杜市大泉町)

5月最大のイベントといえば「ゴールデンウィーク」ではないでしょうか。4月末から5月初めにかけてのこの長期休みは、お盆、正月休みと並ぶ国民的な行事と言えますね。

4月から年度が変わり、生活や仕事環境が大きく変わった人にとっては、やっと一息つける、砂漠の中に現れたオアシスのような休暇となるかもしれません。5月病という言葉がありますが、部署異動、転勤などといった大きな環境変化が自分自身に無くとも、4月というだけで色々な変化があったかと思います。

「毎日聞いていたラジオのDJ が変わった」、「新しいテレビドラマが始まった」というものから、「上司が変わった」、「同僚が増えた」、「仕事先の担当者が変わった」と仕事に直結する変化があった人もいるでしょう。一緒に暮らすご家族の生活が変わったかもしれませんね。

今年の4月は電気、ガスといったライフラインの値上げ、日用品の値上げも沢山ありました。物心ついた時から10円だったうまい棒もついに値上がりをしました。まだコロナ禍の先は見えず、たった一人の人間の暴走でも、それが一国の大統領であれば戦争が起きてしまうという現実も目の当たりにしました。気候の変わり目でもありました。自分は何も変わっていなくとも、周りの変化により、案外、私達は疲れているかもしれません。

▲大空を泳ぐ沢山の鯉のぼり。(北杜市高根町、道の駅「南きよさと」)

この連休は、自身を振り返り、体調を整える良い機会となりそうです。体調を整えるということは、ただ家でじっとしていることとは限りません。むしろ外に出て、体を動かし、気候の変わり目を肌で感じることも大事なのではないでしょうか。

そういった時に、最適なのは自然の豊かな場所かもしれません。4月にあった色々な雑事も、自然の中で、その自然のリズムに向き合うことで、自分のリズムを取り戻せることでしょう。

さて北杜市の「ゴールデンウィーク」といえば、道の駅「南きよさと」の鯉のぼりが印象的です。国道141号沿いの谷間に約450匹の鯉のぼりが風を受けて大空を泳ぐ様は見事なものです。ここ最近ではドッグランも出来て、ワンちゃん連れの方にも人気のようです。

▲夕暮れ時の田んぼ。水面に夜空の青色が写る。(北杜市高根町)

田園エリアに目を向けると、この連休を利用して行われるのが田んぼの水入れです。冬の間、干乾びた地面が見え、ひっそりとしていた田んぼですが、水が入ると印象が大きく変わります。

風が吹けば一面がキラキラと輝き、風の無い時は青い空や遠くの南アルプスの山々が映り込みます。夕陽の赤、夕暮れの青を映す様も美しいものです。田植えが始まるまでの短い期間でしか見られない景色となります。北杜市を訪れた際は、是非目を向けていただければと思います。良い休日をお過ごしください。(八ヶ岳事務所 大久保 武文)

山梨◆八ヶ岳/春宵一刻千金の候、4月の八ヶ岳事務所より【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2022年4月1日

▲集落の外れ、お寺の山門に咲く桜。(北杜市高根町)

北杜市にも春が訪れています。春と言えば桜。花見の季節ですね。桜の花の下でどんちゃん騒ぎというのは、周りの目が厳しい世の中ですが、青空の下、桜の花を見上げに散策に出かけるのは構わないでしょう。

桜前線を追いかけながらキャンピングカーで日本を縦断する方もいらっしゃるそうです。キャンピングカーと言わずキャンプをしながら日本を北上していくのも良いですね。季節の変化とともに居住場所が変わる・・・遊牧民みたいでロマンを感じてしまいます。

そういえば以前ご案内したお客様にシェアハウスを経営されている方がいました。月5万円程を払うと、全国に点在する拠点のどこにでも住むことができるサービスで、旅をするように暮らすことができるとのことでした。

ネットで調べると、全国どこでも住み放題というシェリーハウスのサービスが広がっているようです。こういったサービスで点々と桜前線を移動しながら、自分にあった田舎を探すことも可能ではと思う今日この頃です。

八ヶ岳南麓では桜は標高の低い場所から坂を駆け上がるように順々に開花をするので、比較的長い期間にわたって花見を楽しむことが出来ます。 最初の見どころは、北杜市に隣接する韮崎市の「わに塚の桜」でしょうか。西側に山を背負い、緩やかな傾斜に棚田が広がるまん中に、大きな桜の木がどんと1本立っています。

▲田園風景の中に現れる一本桜「わに塚の桜」。(韮崎市神山町)

樹齢約330年のエドヒガンザクラ。桜の先には残雪を残した八ヶ岳や富士山の姿も見え、多くのカメラマンが訪れる人気のスポットとなっています。例年ですと満開の頃は3月下旬頃。見ごろの時期にはライトアップがされるとのこと。星空の下の夜桜、魅力的なシチュエーションです。

北杜市の桜の見ごろは4月上旬からです。推定樹齢1800年の山高神代桜に始まり、4月中旬には750mの桜のトンネルが見事な真原桜並木、清春芸術村のお庭に植えられたソメイヨシノが見ごろとなります。

須玉町下津金地区に明治、大正、昭和時代に建てられた古い校舎が並ぶ廃校があります。現在はレストラン、お土産売り場もある観光名所ですが、桜が立ち並ぶ校庭はまるで映画のワンシーンのよう。

一瞬で時代を遡ったような不思議な気持ちになります。こちらの桜の見ごろも4月中旬頃。気温も上がり、体も軽くなるこの時期、様々な桜を見に北杜市へ訪れてください。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

巡り巡って北杜市探訪◆わに塚の桜 (山梨県韮崎市神山町北宮地624)

山梨◆八ヶ岳/深秋の候、11月のお知らせ【八ヶ岳スタッフ・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年11月1日

▲秋空の下、夕暮れで赤く染まる八ヶ岳。(北杜市高根町)

「秋」から「冬」へと移り変わる季節です。

朝晩の冷え込みが厳しくなり、紅葉の見ごろとなるのが10月中旬からで、11月の前半にはカラマツの葉が日を受けて黄金色に輝く様を見ることができます。標高差のため比較的長い間、紅葉が楽しめる八ヶ岳南麓ですが、11月の中旬にもなると標高の高いエリアでは葉が全て落ちてしまいます。紅葉狩りを楽しむには急がれた方がよろしいでしょう。

甲府地方気象台の2020年の観測によると、「初霜」が11月1日、「初氷」が少しおいて11月5日でした。「霜」は空気と接触している物体の温度が0度より低くなると、空気中の水蒸気が、物体の表面に「氷」として成長することで出来ます。

冬の晴れた朝などでは放射冷却で、地面付近の温度が気温よりも数度低くなるため、気温が0度にならなくても「霜」が降りることがあるそうです。「霜」が降りていると朝の気温が零下になったと思っていたのですが、そうとも限らないのですね。「初霜」と「初氷」に数日のタイムラグがあるのはそういう理由なのでしょう。

▲11月初旬。紅葉したカラマツの葉が輝く。(北杜市高根町)

甲府地方気象台ではその他に、「初雪」、「富士山の初冠雪」、「甲斐駒ヶ岳の初冠雪」の観測をしており、観測記録をホームページに記載をしています。「富士山の初冠雪」は平年では10月2日なのですが、今年は大幅に早まり9月7日に「初冠雪」というニュースが流れました。

ニュースを見て驚き、早速に八ヶ岳事務所近くの田んぼまで見に行くと、確かに富士山の頂上が白くなっています。まだ北杜市では残暑を感じる陽気で、稲は成長の途中、麓と山の上では随分と気候が違うなと思いました。

しかし、この「初冠雪」ですが後日談があり、記録としてその後に取り消されてしまいました。数日で融けたとはいえ、一度は雪が積もったのにどうしてでしょうか。

これは「初冠雪」の定義に当てはまらなくなってしまったからだそうです。その定義とは、◆富士山特別地域気象観測所の日平均気温の最高値が出現した日以降に、初めて冠雪を観測した日を「初冠雪」としています。というもの。

当初、8月4日に日平均気温の「最高値」が出現したものとし、9月7日に「初冠雪」を観測としていましたが、その後、9月20日に日平均気温の最高値が更新されてしまったそうです。その為、「最高値」が出現した日より前の冠雪は「初冠雪」の定義に当てはまらなくなり、「初冠雪」記録も抹消となったそうです。冠雪後の9月の後半にもなって、1年度で一番暑い日になるとは、気象の当事者も驚いたでしょう。

因みに9月20日の富士観測所の平均気温は10・3℃でした。とても年間の最高値とは思えない低い気温ですね。富士山の環境の厳しさを改めて感じました。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲11月中旬。標高の高い場所では落葉が進む。(北杜市大泉町)

山梨◆八ヶ岳/盛暑の候の候、8月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年8月1日

▲北杜市高根町。八ヶ岳の山裾で稲が青々と育つ。

梅雨の時期には雨が降ると、まだまだ肌寒さを感じることもありましたが、そんな日も過ぎ去り、強い日差しを感じる夏となりました。北杜市は標高が高いせいでしょうか、それとも空気が澄んでいるせいでしょうか、夏の日差しは強烈で、肌感覚としては、以前私が住んでいた沖縄と変わらない紫外線の量に感じます。

ただ、日差しの強さこそ注意が必要ですが、それ以外は都心と比べるもなく、快適な季節となります。昼間こそ標高が低いエリアではエアコンが稼働するものの、夕方になると一気に気温が下がり、窓を開け放てば、気持ち良い風を感じながら過ごすことが出来ます。

標高が1000m を越えるエリアでは、エアコンが設置されている家は極端に少なくなり、大抵は扇風機となり、夜になると日によっては窓を閉めないと風邪をひいてしまう日もあるほど。

エアコン等の人工の風に頼らなくても夜を過ごせるということが、こんなに気持ちの良いものかと、北杜市に移住した当初は驚いたものです。暑さから解放されると、体がほっとする。体の次に、心がほっとする。夏の北杜市へ是非お出かけください。

▲北杜市大泉町。日が沈むと気温が一気に下がる。

■ほくとトクトク商品券

昨年、コロナ禍の経済対策で北杜市民一人当たりに3万円の商品券が配られました。今年も市内経済の活性化のため、「ほくとトクトク商品券」というものが登場しました。前回は無料で配られましたが、今回は希望者が購入をするものです。対象は「北杜市民であること」と、「一人1冊まで」。1冊5000円の購入で1万円分使えるというものです。

他の自治体でも同じような取り組みをしていると思いますが、購入額の2倍使えるというのは、かなり凄いのではないでしょうか。販売は既に終了していますが、私も並ぶことなくスムーズに購入することが出来ました。スーパーの他、飲食店でも使えるので、どこで何を食べようかと考えるだけで楽しくなります。

北杜市は人口4万6千人程の小さな自治体で、コロナ禍といった非常時には、小さいからこそ、小回りが利き、スピード感ある対応が出来るのではと感じます。昨年の国民1人10万円の給付金も大きな市では、なかなか給付がいきわたらない中で、北杜市では迅速に配られました。

新型コロナワクチンの接種については、65歳以下(12歳~64歳)について、7月上旬にワクチンの予約開始、8月上旬からワクチン接種の開始が予定されています。人が少ないからこそ、密にならずゆったりと過ごせる。人が少ないからこそ、対応がしやすい。地方の良さを感じる今日この頃です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲北杜市で発行されたプレミアム付商品券。

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お盆休みをいただきます。八ヶ岳事務所は8月11日(水)から15日(日)までの5日間はお盆休みとなります。
併設の田園暮らし体験館もご利用できません。よろしくお願いいたします。

山梨◆八ヶ岳/春和の候、3月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年3月1日

▲月明かりに照らされ、ぼんやりと浮き上がる八ヶ岳。

北杜市の夜は暗い。外灯があるのは、ほんの一部のエリアだけで、その他は真っ暗な闇に包まれます。ライトの光無しでは10m 先まで歩くのも難しい状況です。

都会の明るい夜に慣れた人には、歩きは勿論、車の運転も怖いと思うようです。そんな北杜市ですが、外灯も無い場所で、自分の影がはっきりと地面へ映る時があります。影を作りだすのは天空から降り注ぐ月明かり、満月の頃。暗闇の中で見る月は、とても明るく、力強ささえ感じます。

電灯が広まる前の時代には、この月を頼りに、村の若者たちは夜遊びをしたという文章を読んだことがあります。今とは生活に与える月の重みは大きく違ったのでしょうね。

さて石川賢治氏の「月光浴」という写真集をご存知でしょうか。満月の月明かりの下、屋久島、タヒチ、チベット、アフリカ等の世界の自然を撮影した連作の写真集です。月光の下で写し出される、木々や花、川、野生の動物。日中の力強さとは一転して、柔らかく、神秘的で、現実のような幻のような、見るだけで自然と心が落ち着いてきます。

▲闇夜の中で輝く、月の明かり。

そんな「月光浴」の景色を北杜市では身近に感じられる時があります。冬のこの時期は、月光の下、雪化粧をした山々が朧げに闇夜から浮かび上がる様を見ることが出来ます。北杜市の夜と言えば、満天の星空というイメージが強いですが、星が見えない満月の夜も良いものです。

お客様からのご質問で北杜市の積雪状況について聞かれることが良くあります。まずお伝えをするのは、雪国では無いということ。但し、全く雪が降らないわけでは無く、例年、3回程はくるぶし位までの積雪があります。注意点としては、主要な道路は行政の除雪車が入りますが、自宅前の道までは除雪がされない事が多いことです。

日当たりが良ければ直ぐに雪が解けるのですが、日陰の場合は雪が残りがちです。4輪駆動のSUV 車であれば雪かき無しで過ごせるかもしれませんが、年に数回は雪かきが発生すると思っていただくと良いでしょう。なお、積雪が無い場合でも、路面が凍ることがあるため、冬季はスノータイヤの装着が必須となります。

▲北杜市、冬のある日。標高により景色が大きく異なります。(標高1100m、甲斐大泉駅付近)

▲同日、標高760m、八ヶ岳事務所前付近のもの。

同じ市内でも、標高により降雪に大きな差が出ます。上の2枚の写真は今年の1月24日、関東でも降雪があった時の、北杜市2カ所の地点を写したものです。上は標高1100m 付近、大泉町の甲斐大泉駅の近く。下は高根町の標高760m 付近、ふるさと情報館・八ヶ岳事務所の前を写したものです。車で10分足らずの距離ですが、その景色は全く違っています。

雨だったものが、標高が上がるにつれ雪に変わる。標高1000m を越えると、積雪までは至らないが、雪がチラつくというシーンがグッと増えるように感じます。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/仲秋のみぎり・10月のお知らせ【八ヶ岳南麓・高根の里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2020年10月1日

▲赤く染まったもみじ。(北杜市大泉町)

10月を迎えた八ヶ岳。田んぼを見ると、先月までは日差しを受け黄金色に輝いていた稲穂がすっかりと刈り取られています。同時に春に田んぼに水を溜めてから、代掻(しろかき)、田植え、稲穂へと至る過程で見られた、カエルやアメンボ、サギ、スズメ等の多くの虫や鳥たちの賑わいも無くなり、どこか物悲しさが漂います。

一方で田んぼから山の方へ目を向けると、緑から赤や黄色へと色鮮やかに変貌を遂げる木々の葉が目を楽しませてくれます。紅葉の開始時期は、清里などの標高が高いところで10月後半ぐらいからでしょうか。そして昨年の私の記録を見ると10月22日に南アルプスの冠雪を確認しています。甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山の登頂付近にうっすらと積もった雪が、山の輪郭をはっきりとさせ、夏山とは全く違う雰囲気を醸し出します。優しさから厳しさ、近寄りがたさといったものでしょうか。夏の生命力あふれる景色とは、また違う魅力的な景色と出会える八ヶ岳の10月です。

▲稲刈りが終わった田んぼ。(北杜市高根町)

◆心がつながる応援券

以前は「安心・安全」や「エコ」というキーワードの中で使われた「地産地消」という言葉が、地域経済を回すキーワードとして注目されています。北杜市では現在、道端の至る所で黄色い「のぼり旗」を見ることができます。

同一デザインのこの旗は、北杜市が発行した商品券が使えるお店の目印。コロナ禍の経済対策で北杜市民一人当たりに3万円の商品券が配られました。商品券が使えるのは北杜市内の登録店舗。スーパー、飲食店、コンビニといった日常的なものから、自動車整備、工務店などあらゆる業種で使えます。

キーワードは北杜市内のお店。病院でも使えます。色々な場所で商品券が使われるように商品券にはある制限がかかっています。3万円の内、スーパーやホームセンターなどの大型店で使えるのは1万円のみ。美容室、クリーニング等の小売店は2万円まで。そして最大の3万円まで使えるのは観光業です。飲食店、宿泊、レジャー体験などで、観光が盛んな北杜市の産業を反映した結果でしょうか。

因みに8下旬の時点で登録されている飲食店は271軒。こんなにお店があったのかと驚きました。この商品券をきっかけに地域での外食が増えた、初めてのお店に入ったという声を聴きます。地域のお店で楽しむという流れは商品券を使い終わった後も続きそうです。身近な地域を知ることで「地産地消」が進む良い例になりそうですね。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲昨年の初冠雪?甲斐駒ヶ岳山頂の様子。(北杜市白州町)