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山梨◆八ヶ岳/若葉の候、5月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】 

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2024年5月7日

▲水がはられた田んぼに空が写る。遠くには富士山。(山梨県北杜市大泉町)

北杜市の5月は、春の陽気が引き続き楽しめる季節といえるでしょう。

暦の上では、今年は5月5日が立夏、夏の気配が立ち上がる時期となりますが、北杜市はまだまだ春の陽気で、夏の気配は感じられません。季節の変わり目では無く、気候が安定する月。3月から4月へかけては、日ごとに気温が目まぐるしく変わり、体調を崩す方が多かったですが、5月は疲れを癒す良い機会となりそうです。

北杜市の5月の風景は、田んぼの水張りから始まります。

初旬から八ヶ岳南麓の傾斜を活かした棚田に、勢いよく水が入れられます。冬の間に固くなった土でボコボコと荒れた水面が、耕すことで綺麗な水面へと変化をしていきます。

茶色一色だった田んぼに命が吹き込まれるような、心が癒される景色で、水面には空や山、星空までもが映り込みます。田植え前の僅かな期間、私のお気に入りの北杜市の風景です。

わが家でこの時期の恒例としているのが、スズメバチトラップの設置です。これは冬眠から目覚めて単独で活動している嬢王蜂を捕獲することで、巣づくりを防ぎ、スズメバチの繁殖を防ぐためにおこなうものです。

▲スズメバチトラップ。容器は市販のもの、誘引剤は自分で作成。

スズメバチの巣は1年しか使用されず、冬を越した嬢王蜂は新たに巣を作るために、春からウロウロと活動します。近くに巣が出来てしまうと、大量のスズメバチが繁殖し発生、家の周りをブンブン飛び回り、大変怖い状況になります。その為、巣を作る前の嬢王蜂を捕獲することがポイントとなります。

トラップの作り方は、難しいものでは無く、容器に、蜂を誘い込む液体(誘引剤)を入れ、木の枝などにぶら下げておきます。容器は一度入ると、出られないように細工されています。ペットボトルで作る事も可能ですが、私はめんどくさがりで市販のものを使っています。

誘引剤は家庭で作れ、自分は焼酎とお酢、黒砂糖を混ぜたものにしています。オレンジジュース、ブドウの皮等も良いらしいです。誘引剤は人にとっても美味しそうです。なお、お酢を入れることでミツバチはトラップに来なくなるとのこと。

このスズメバチトラップを4カ所、庭にぶら下げておくのですが、効果は絶大で3週間程で容器がスズメバチでいっぱいになります。おかげで、ここ数年は家にスズメバチの巣が作られることはありませんでした。

▲新緑の季節。ミヤマザクラの花が咲く。(山梨県北杜市大泉町)

今年も巣が作られませんようにと、願掛けして設置する北杜市の5月です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆八ヶ岳/若葉の候、5月の八ヶ岳事務所【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2023年5月12日

▲5月の田植えの様子。残雪の南アルプスを望む。(北杜市高根町)

5月、北杜市でも最高気温が20℃を超える日が頻繁になります。

季節を把握するのに便利な二十四節季では5月5日頃が「立夏」となります。夏が立つと書くように、夏の気配が感じられ、陽気も増してくる時期です。

一方で5月の中くらいまでは最低気温が5度を下回る日もあり、朝と昼の気温差に体がついていかないことも。ゴールデンウィークの期間中に暖房が必要となることもあり、ストーブはまだまだ片付けられません。

外に目を向けると風景は刻一刻と変化を遂げていきます。

5月上旬頃から田んぼに水が張られはじめ、2週間ほどの水張の期間を終えると、田植えとなります。田植えは家族総出でする事が多く、結果、人が集まりやすい土日が田植えのタイミングとなります。

私自身はお米を買うだけの立場ですが、毎年変わらぬ田んぼの営みが、日々の生活越しにたんたんと進んでいく様は不思議と安心感を与えてくれます。

▲新緑の季節。みずみずしい若葉の足元には小さな花々。

5月は新緑の時期でもあります。冬の間、葉を落とし、陽射しを透過していた樹木の枝を青々とみずみずしい若葉がおおっていきます。青空の下、陽射しを受けた葉は様々な表情を見せ、さわやかな夏の訪れを予感させてくれます。家の周辺のお散歩から、ちょっと足を延ばして山の懐や低山にと、そろそろ自然の中に出かけていく時期ですね。

八ヶ岳、南アルプスは残雪が残る為、夏登山にはまだ早く、気軽に行くには飯盛山や日向山、もう少し登りがいを求めると茅ケ岳がお勧めでしょうか。

▲山肌に彩を与える藤の花。(北杜市須玉町)

この時期、山々で目を引くのが藤の花です。藤の花というと藤棚で咲いているというイメージがあったのですが、北杜市では野山の木々に藤のツタが絡まって成長し、春になると紫色の花々が山肌に彩りを与えます。

ただ、ツタが成長しているということは、山の手入れがされていないという側面があり、藤が絡まった木を絞めつけて、倒木に至ることも。

沖縄ではガジュマルという木が「締め殺しの木」という異名があるのですが、藤にも似た性質があるようです。そういった話を聞くと、単純に綺麗だなと喜んでいられないとも思うのですが、遠方に見える山肌に咲く藤の花はやっぱり美しい。

北杜市の5月、日常の風景です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)