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宮城◆白石蔵王/生ゴミ減量と「EM」の復活【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年7月16日

毎日出るゴミの収集作業が、町営から民間業者の手に移ることになり、収集料の負担増も考えて、生ゴミだけでも畑に入れようと、10 年ぶりに「EM」による生ゴミ減量に取り組んでいます。

ゴミを充満した50リットルのビニール袋を、数珠つなぎにして集積場まで引きずっていった、昔のような繁忙な生活はもう来ないでしょうから、ゴミの減量と畑の育土効果のため、EM 活用の堆肥づくりに時間を使おうと思うのです。

EM(Effective Microorganisms の略)は、農学博士の比嘉照夫氏が約40年前、研究開発に成功した微生物資材で、作物生産に有効な光合成細菌、酵母菌、乳酸菌、放射菌など、10属80種以上の微生物群を選び出して複合し、作り上げた培養液です。

このEM 溶液を、米ヌカ、モミガラ、糖蜜などのボカシ材料にふりかけ、熟成させたのが「EM ボカシ」で、堆肥を作りだす魔法のような資材です。台所で生まれる生ゴミを細かく刻み、EM ボカシをふりかけ、専用の容器に密閉させておくと、やがて滋養に満ちた堆肥になります。手も触れたくない生魚の残骸、くだものや野菜、食事の残滓などが腐りもせずに、形が消えます。

腐敗が始まる前の新鮮な生ゴミ、つまりその日のゴミはその日のうちにが条件ですが、ゴミ容器が満杯になるまでは、普通の家族で10日間はかかります。それから更に2週間ほど保つと芳香さえ感じる堆肥ができます。

なお、熟成中にゴミ容器から染み出た浸出液は薄めると液体肥料となり、植物を驚くほど活性化させます。この冬、寒い室内でもみごとな花をつぎつぎとつけました。

30年前、横浜に暮らしていたころ、この堆肥を使った畑仕事の成果を実感した私は、畑仲間と作柄を自慢し合ったものです。しかし、蔵王に移住し、ペンションを開業してからは、発生する生ゴミの量がハンパではなくなり、すべてのゴミは焼却場へ直行、EM 堆肥づくりは封印となりました。

EM の世界から遠ざかって20年のこの春、沖縄のあるホテルに投宿したところ、ホテルの経営母体が、EM研究機構というEM 関連の事業体で、ホテルの前身はアメリカの著名なホテルチェーンのひとつでしたが、売店に並ぶ商品の中には、高級な飲料にまで進化したEM 製品があり、私の知らぬ間にEM の効能が生ゴミのリサイクルから河川の水質浄化、畜産公害の軽減、医療・化粧品、などにまで広がり、さまざまな生活環境の改善に役立っていることを知りました。

発酵とか酵素利用の新商品がブームですが、EM の評価があまり聞こえてこないのはどういうことか不思議です。利便優先の都会生活では無理でも、田舎で暮らす私たちは、厄介者の生ゴミの循環利用を実体験してみるべきでしょう。

EM ボカシは道の駅などで500g 入り250円ほどで手に入ります。熟成容器はネットで購入可能です。ゴミを熟成させる容器はビニール袋で代用でき、一日一袋に密封させていけば手ごろにEM 堆肥づくりが体験できます。
(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

▲1千倍に希釈したEM 浸出液で育つ見事な花。

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EM研究機構
https://www.emro.co.jp/

宮城◆白石蔵王/暖炉の怖さ~メンテナンス・点検の重要性を【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年6月24日

数日前の夜、当ペンションからすぐ近くのペンションが火災で消失してしまいました。

築30年の丸太組みのログハウスは木の乾燥度も高く、消防隊の機敏な消火努力で外観はかろうじて残りましたが、判定は全焼扱い、むろんリフォームで再建できる状態ではありません。古い書類を暖炉の火で燃やしていたら、というご主人の弁によると、異常に気がついたとき、暖炉上部の壁から白煙が吹きだしていたそうです。

営業物件のペンションを暖炉からの出火で失うという事例を私が見たのは、清里、蔵王合わせて何と3件目です。煙突を室内に露出させ、排煙の暖気も利用する簡易な工法でなく、煙突を壁の内側に組み込んだ本格的な暖炉は、よほどの耐火工法が仕込まれていないと危ないと痛感しました。

家具調度として、外装として、暖炉のある家は、あこがれですが、見栄えより壁内部の構造や煙突のメンテナンスが大事です。電気やガスに比べ、薪の火力は時により強力に立ち上がります。

煙に含まれる炭素粒「スス」や、鳥や虫の巣、風で舞い上がった枯れ葉などによるストーブ煙突の詰まりに無頓着な日本人の性格も気になります。 薪を焚く暖炉の家が多い当地のような山間部では、その防火指導が必要ではと、消防署に進言しています。防災カーテンを使っているかなどの指導より、室内で直火を炊くことになるストーブの点検に歩くべきです。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
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宮城◆白石蔵王/ブルー・オーシャン・シフト【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年3月21日

年末年始、以前ほどではないけれど、今年も山中のわが家にも新聞折り込みチラシが大量に入りました。少子高齢の家庭はむろん、いまどき、これでもかという価格を見比べて買い物に向かう消費者がどれほどいるのでしょうか。

値引き競争にあけくれ、血みどろの戦いをつづけるマーケッティングを「レッド・オーシャン(赤い海)」とよび、その対極にある、競争相手のいない穏やかな青い海「ブルー・オーシャン・シフト」にたどり着くという戦略。そこに立てばと、薦めるのが、韓国出身の経済学者W・チャン・キムさん。誰かを打ち負かして勝ち残るのではなく、競争を避け、誰も思いつかなかった発想で人の心を動かし「孤高の境地」を作り出せという気鋭の方法論を知りました。共感した私は、年のはじめからおおいに合点しています。

ペンションの経営で、同業者との血みどろの誘客合戦を繰り広げてきたわけでもありませんが、60歳の定年後からスタートし、いまも生き残っていられるのも、ブルー・オーシャン・シフトの気づきがあって、多くのお客様へ通じたものが、私どもにあったのかもしれません。

街の小さな電気屋さんが年商10億円という信じがたいテレビ放映がありましたが、店員ひとりひとりが作り出しているブルー・オーシャン・シフトの成功例と、画面で伝えられた映像の記憶にいまになって納得しています。

「この店とこの人たちでなければ」と言ってもらえる蔵王のビジネスを目指します。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

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宮城◆白石蔵王/沖縄に脱出してみます【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2019年1月29日

冬の100日間は雪に埋もれて、という蔵王山中の生活を20年。慣れはしましたが、やはり高齢も後期となると寒さがこたえます。数年前から厳冬期は寒さから逃げ出して暖かな土地で過ごそうと、スキー場下で、まだ現役のペンション経営者らしからぬ願望を口にするようになりました。特に寒さがきつくなる1月中旬からは連日の雪掻きにも飽き、気分は春の陽気を欲してやみません。

加齢に比例するように減ってきているスキーの泊まり客の数を言い訳に「脱出」を「春への充電」だと強弁して、ついに、この冬から夫婦で実行だと妻と合意しました。

行き先は「沖縄」。

実は数年前から現地に2度、候補地を物色に行きました。むろん、ホテルや街中などは論外。冬の蔵王で暮らす出費より低額で済む暖地沖縄の田舎暮らし、貧乏生活、長期滞在を、というわけです。

探しあてたのは沖縄中部の海岸沿い、「恩納村」の古いマンション風の住まい。暮らしに必要な電化製品、寝具、食器のたぐいまで一切用意されていて、自炊が条件。花粉症や疲れた都会人がよく利用されているという、ごく庶民レベルの家でした。数日に限らず、半年、一年と長期の滞在者も多いとか。田舎暮らしの適地が海を渡ってここまで広がっているとは驚きです。

4LDK 程度で光熱費込み家賃と1か月のレンタカー代合計13万円。年寄りの気ままで質素な自炊生活ですから、島野菜を食べて過ごせばあとはどうという出費もないだろうと踏んでいます。滞在は2月の1か月間、こまめに日記を書いて、4月号で体験記をお知らせします。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/天候ばかりは人知の及ばぬ世界にて「蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙」

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年7月4日


※写真はイメージ

山道を軽快な自転車で駆け上がる競技、ヒルクライム。蔵王観光の象徴として町を代表する行事となりました。蔵王の山頂千七百メートルを目指すこの大会も今年で7回目。今年の開催は5月20日。残雪の白壁を縫う山岳コースが人気で、知名度もずいぶんあがりました。

蔵王山の噴火警戒解除が遅れ、参加申し込みの選手が今年は例年より減ったのが残念でした。それでも、役場からの募集に応じ、コースなかばの標高800メートル地点で給水を担当するボランティアチームに加わりました。

当日は早朝4時起き。妻に送られて集合地点でバスを待っていると、入ってきた情報は前線の異常で大会は急遽中止の知らせ。蔵王山は中腹から上が降雪3センチ、道路部分は氷結の通行不可で、選手以下千名のイベントがあっけなく水に流れてしまいました。

陽が昇ると蔵王は今年一番という好天となり、信じられない空模様になりましたが、これだけは人知の及ばぬ世界、来年に期すしかありません。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)


※日本の蔵王ヒルクライム・エコ2018実行委員会のfacebookより
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日本の蔵王・ヒルクライム・エコ2018
https://www.zao-hillclimbeco.com/

宮城◆白石蔵王/「美観」は「知性」です ~ ガーデンアイランド国家構想 ~【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年10月29日

かつて小渕首相のブレーンをつとめ、いまは静岡県知事の川勝平太さんが主唱されていた「ガーデンアイランド国家構想」、これからの日本は庭園国家という大テーマで行こうとの提起に賛成です。

南仏や英国の田園の、まさに絵のような美しさは私も何度か堪能していますが、「四季の際立つ日本も全土をさらに美しい田園に」という国民的努力を展開して「経済力や武力ではない世界中があこがれる、本当に美しい国土づくり」を国是にしようというものです。

時代に取り残された情景も癒しになるとは思いますが、都会から移った者の目に入る日本の田舎には、まだ貧しかったころの日本の残滓が少なくありません。ですから、このあたり「蔵王の風景」を、たとえば「英国南西部、湖水地方」のそれに近づけたいというのが、ここで宿泊業を営む私の願望です。

私の求めたい風景は手つかずの自然ではなく、自然を巧みに人の感性に合わせて育てた心地よい状態、いわば「ガーデニング」という、無精をゆるさない姿勢です。ビロードを貼ったような斜面、林を縫う渓流の川面、電柱も看板も自販機も目立たない沿道の「グリーンベルト」、春から秋まで絶やさない「樹の花」、「ペンション」という器をその景観に埋めてお客さまを迎えたいのです。

「温泉」という強みを、知性まで感じてもらえる「美観」でくるみ、インバウンドにも嘆声をあげていただける田園風景のエリアをつくりあげたいと思うのです。 (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/ペンションの再利用あれこれ~施設利用と移住の新たなかたち【白石蔵王・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年2月9日

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「知的障害児を5名ほど預かり、近くの施設へ送迎、朝夕の食事と宿泊場所を提供する「グループ・ホーム」に鞍替えする気はないか?」との相談を受けました。すでにグループ・ホームに転業されている60代の元ペンション・オーナーからの話です。

 

奥様を亡くされてから単身のまま障害児の面倒をみる生活に変え、約10年、そういったスタイルで日々を送ってこられたものの「実はこの歳で、まだやりたいことがあるので、そろそろこの仕事をバトンタッチできたら」との相談でした。

 

3名から7名程度を引き受け、1部屋に1人だけ提供できるペンションは、建物として大人数でも対応できる浴室も調理設備もすでに整っているので、グループ・ホームへの転用が好都合な器なのだといいます。

 

知的障害「児」といっても、ほとんどは成人で、少ないながら所得を得られる作業能力、順応力もあり、洗濯や身のまわりの世話などは考えなくても良いとのこと。毎週末は親元に戻るため、オーナーとしての休日もとれ、グループ・ホーム運営の報酬も斡旋する公的機関からしっかりと定額保障されているので、誘客、接客、内装、献立などに気を抜くヒマのないペンション経営よりずっと楽だといいます。

 

「私どもではまだちょっと」とご返事しましたが、いただけるという報酬が高額なのに驚きました。いまは手ごろな価格で買える中古ペンションの再活用、こういう形の地方移住策もあると知りました。    (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/起業のメニューいろいろ~蔵王移住相談室【白石蔵王・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2017年1月21日

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昨年11月に開設した蔵王町への移住をすすめる「蔵王移住相談室」は、場所が町内のメインストリートということもあって、就農や中古別荘の問い合わせなどが早速あり、相談窓口としての役割を順調にスタートできました。

移住はまず受け皿である住まいの紹介が先行しますが、新しい暮らしには新しい町での所得を、どう立ち上げるかも大きな課題です。

ここにもハローワークがあり、数だけは充分な働き口が待っています。でも、田舎に移るならぜひ思い切った起業を私はススメます。

蔵王は養鱒、養鶏、酪農、果樹、野菜、山菜と食材の自給率が高く、仙台はじめ、都会地からの食を求めた観光客が多い町です。

たとえば、不揃い、キズなどの規格はずれでハネられる多量の果樹や野菜を上手に加工して提供できれば、コストも抑えられ、思わぬ成算が見込まれます。養鱒と川魚のレストラン、クレソン栽培と蔵王野菜のサラダ、フルーツ・スムージーの店、精進揚げデカ盛りの天ぷら屋、桑の実やキズりんごのジャム、シールドの製造・試飲・販売、古い民家と耕作放棄地を再生する手打ちそばの店、そして蔵王町の町民が待望する手づくりの本格的な焼き立てパンの店など、いまの町内を見渡すと起業のメニューがいろいろと目につきます。

20歳も若ければ私が手を出したい魅力的な起業の素材が待つ蔵王町です。元気な、地方への移住希望者の相談を相談室でまっています。   (白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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みやぎ蔵王別荘協議会
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宮城蔵王別荘協議会
遠刈田温泉「ペンションそらまめ」
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