田舎暮らしをするにあたって切っても切れないのは虫の存在です。小樽に住んでいた頃、年に1~2度は必ずといっていいほどゲジゲジが家に出て来て、出てくるたびに騒いでいました。しかもなぜか毎回、虫嫌いな私が第一発見者です。そんな私に母は「ゲジゲジは益虫で害虫を食べてくれるし、水がきれいな土地にしかでないんだよ。」と教えてくれたのですが、あの見た目と素早さ、大きさのせいでいくら益虫だとしても一向に慣れることはありません。
東京から島根県に移住した友人が、移住当初はムカデの存在にとても悩やんでいました。ムカデは嚙まれるととても痛く腫れるし見た目もグロテスクです。家に現れた時の対処法を考えていた矢先に、近所の方から「ムカデ油」の存在を教えてもらったそうです。
まず、火バサミでムカデを無傷のまま生け捕りにして空き瓶に入れます。そのムカデが浸かるまでごま油を注ぎ、ごま油がなければサラダ油で代用します。注ぎ終えてから蓋をして2~3日置くとムカデの息の根が止まり、数カ月経つとムカデ油が出来上がります。さらに数年寝かしておくとムカデが溶けて油と同化するそうです。ここでポイントなのはムカデを‟無傷のまま捕らえる”ことです。もし少しでも傷をつけてしまうと、ムカデが腐って異臭を放ってしまいます。
ムカデ油は虫やムカデに刺された傷口に塗ると2~3日で傷が治ると言われています。また火傷やアトピーにも効く万能薬にもなるので「ムカデが家に出るとムカデ油を作る。」とその友人が教えてくれました。昔は購入することもできたそうですが、現在は薬事法にふれるため販売はされていないそうです。
昔の人の知恵はすごい!
(本部 井上美穂)
※写真はイメージです。
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