▲気仙沼大島にて、2021年に再建オープンした複合施設。新鮮なカツオ丼が美味。
もし、あの国と橋で繋がっていたら・・・。
島国日本で暮らす私たちにとって、海の存在は絶対的な境界でした。
それでも技術の発展を重ねた現代では海底トンネルや海峡大橋などが建設され、北海道、本州、四国、九州の主要4島は、自動車や公共機関で自由に行き来する事が出来ます。
しかし、それらの完成が必ずしもプラスに働かない事情もあるようです。
宮城県の気仙沼市に気仙沼大島という島があります。
面積8・5㎢、約2200人が暮らすこの島は、面積・人口共に東北地方で最大。
身近にある〝島〞という存在は観光旅行の目的地にもなり、私自身も幼少期にフェリーに乗って海を越えた特別な旅行をした記憶があります。
平成30年の春、本州と気仙沼大島を結ぶ気仙沼大島大橋が完成しました。
全長約300mの橋は通行料無しに自動車で渡れるだけでなく、両岸に車を停めて徒歩でも渡れるため、散策や写真撮影など橋そのものが新しい観光スポットになっています。
しかし、それによって衰退してしまった観光産業があります。
その筆頭が幼少期に乗ったフェリーです。
100年の歴史を誇っていた定期航路は2019年の4月をもってその運行を終了。
孤島ではなくなった島は空き家も増加傾向。
大島に今後新たな産業が生み出され、再び盛り上がり見せる時がくる事に期待したいですね。(みちのく岩手事務所 佐々木敬文)
投稿者プロフィール
- 元JA職員で都市と田舎を結ぶ取り組みを約15年担当者として務め、退職を機にふるさと情報館・みちのく岩手事務所所長として一念発起。民話の宝庫・岩手県遠野市在住にて、地元神社の神主としての顔もある。令和3年よりデジタルを駆使して後方支援していた息子も全面的に加わり情報発信いたします。