老後2000万問題が話題になった2、3年前、新聞やニュースの連日の報道により「地方で老後を暮らすのであれば2000万の貯金は必要ないだろう」と「地方に移住をしたい」といった相談を多数受けました。ですが住む場所によっても異なり、地方に住むとはいえ大幅に生活費が下がるとは限らないのです。
政令市や中核市以外であれば大抵、車が必要不可欠なためガソリン代や維持費が掛かります。また人気の移住地、北海道では、エアコンではなく「灯油ストーブ」を冬の間は使用するので、ガス代や灯油代が東京よりもはるかに掛かるのです。
戸建てであれば灯油ストーブが一般的で、マンションであればマンション自体が灯油ストーブを禁止しているところもあり、「ガスストーブ」を使用します。ここで注意して頂かなければならないのは、都市ガスだと夏よりガス代が上がる程度ですが、プロパンガスだとガス会社によっては、一人暮らしでさえ月に2~3万円前後掛かることもあります。ガス代に加え雪国の冬は灯油代の負担が大きいため企業によっては毎月の給料に燃料費を支給してくれるところもあるほどです。
その他に町内会費の支払いや、スーパーが少ない地方では、かえって東京よりも物価が高い地域もあるので、田舎だからといって一概に生活費が大幅に下がるとは限らないのです。老後に悠々自適なセカンドライフを送るためにも、今から資金をそなえなければいけませんね。
iDeCo(イデコ)とは?
みなさんは「iDeCo」をご存知でしょうか?iDeCo(イデコ)(個人型確定拠出年金)は、「任意」で加入できる「私的年金」の制度です。iDeCoはご自身で金融機関(証券会社・銀行・保険会社)を選び、申し込み、掛金を「拠出」し、運用方法を選択して掛金を「運用」します。掛金と運用益との合計額を給付として受け取ることができるのです。(※金融機関によって取り扱いしている商品が異なります。また口座は1つしか開設できないので金融機関選びは慎重に行いましょう)
iDeCoのメリットは、掛金、運用益と給付を受け取るときに、住民税と所得税が軽減されるといった税制面での優遇があります。運用方法は自身で選んだ商品を運用し、その運用結果によって将来の受け取り額が決まります。
なお、デメリットは資金を60歳まで原則として引き出すことができなく、各種手数料が掛かります。また運用結果によっては元本割れが生じる可能性もあります。とはいえ寿命が伸びている昨今。年々長期化する老後にそなえ、まずはご自身の公的年金・退職金・企業年金の状況を確認し、老後の資金を考えてはいかがでしょうか。
その上で、悠々自適なセカンドライフを送るためにも、ご紹介させて頂いた、個人年金の「iDeCo」を検討してみてください。始める年齢やリスクに対する考えによって、どんな資産配分が適しているか人それぞれですが、万が一にそなえ現金以外の資産を保有するのも大切かと思います。
資産運用についてはネットやYouTube、雑誌、書籍等で勉強できるので、興味がある方はご覧ください。メリット、デメリットはありますが、自分にあった資産運用を始め、老後の資金をそなえるのも1つの手段です。「iDeCo」について詳しくは厚生労働省のHPをご覧頂ければと思います。(本部 井上美穂)
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iDeCoとは?(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html