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山梨◆八ヶ岳/春和の候、3月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年3月1日

▲月明かりに照らされ、ぼんやりと浮き上がる八ヶ岳。

北杜市の夜は暗い。外灯があるのは、ほんの一部のエリアだけで、その他は真っ暗な闇に包まれます。ライトの光無しでは10m 先まで歩くのも難しい状況です。

都会の明るい夜に慣れた人には、歩きは勿論、車の運転も怖いと思うようです。そんな北杜市ですが、外灯も無い場所で、自分の影がはっきりと地面へ映る時があります。影を作りだすのは天空から降り注ぐ月明かり、満月の頃。暗闇の中で見る月は、とても明るく、力強ささえ感じます。

電灯が広まる前の時代には、この月を頼りに、村の若者たちは夜遊びをしたという文章を読んだことがあります。今とは生活に与える月の重みは大きく違ったのでしょうね。

さて石川賢治氏の「月光浴」という写真集をご存知でしょうか。満月の月明かりの下、屋久島、タヒチ、チベット、アフリカ等の世界の自然を撮影した連作の写真集です。月光の下で写し出される、木々や花、川、野生の動物。日中の力強さとは一転して、柔らかく、神秘的で、現実のような幻のような、見るだけで自然と心が落ち着いてきます。

▲闇夜の中で輝く、月の明かり。

そんな「月光浴」の景色を北杜市では身近に感じられる時があります。冬のこの時期は、月光の下、雪化粧をした山々が朧げに闇夜から浮かび上がる様を見ることが出来ます。北杜市の夜と言えば、満天の星空というイメージが強いですが、星が見えない満月の夜も良いものです。

お客様からのご質問で北杜市の積雪状況について聞かれることが良くあります。まずお伝えをするのは、雪国では無いということ。但し、全く雪が降らないわけでは無く、例年、3回程はくるぶし位までの積雪があります。注意点としては、主要な道路は行政の除雪車が入りますが、自宅前の道までは除雪がされない事が多いことです。

日当たりが良ければ直ぐに雪が解けるのですが、日陰の場合は雪が残りがちです。4輪駆動のSUV 車であれば雪かき無しで過ごせるかもしれませんが、年に数回は雪かきが発生すると思っていただくと良いでしょう。なお、積雪が無い場合でも、路面が凍ることがあるため、冬季はスノータイヤの装着が必須となります。

▲北杜市、冬のある日。標高により景色が大きく異なります。(標高1100m、甲斐大泉駅付近)

▲同日、標高760m、八ヶ岳事務所前付近のもの。

同じ市内でも、標高により降雪に大きな差が出ます。上の2枚の写真は今年の1月24日、関東でも降雪があった時の、北杜市2カ所の地点を写したものです。上は標高1100m 付近、大泉町の甲斐大泉駅の近く。下は高根町の標高760m 付近、ふるさと情報館・八ヶ岳事務所の前を写したものです。車で10分足らずの距離ですが、その景色は全く違っています。

雨だったものが、標高が上がるにつれ雪に変わる。標高1000m を越えると、積雪までは至らないが、雪がチラつくというシーンがグッと増えるように感じます。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

山梨◆明野町/空気が澄み渡り静か ~ 冬の北杜 ~【八ヶ岳スタッフ・暮らしの歳時記】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年2月7日

強い北風が吹き始めると、「いよいよ北杜も冬到来か…」と感じます。「八ヶ岳おろし」と呼ばれる強い北風は、冬の風物詩です。私が住む明野は特に風が強い所で、昔は風で窓ガラスが割れたとの噂を聞くほど。さすがにガラスは割れませんが、地中に埋められた物干し台が2度ほど倒れ驚きました。昼間は暖かな日も多いのですが、この風が吹くと体感気温がさらにマイナスとなり、初めての冬はかなりの重装備で外出してました。

しかし3年位経過した頃には寒さに体が慣れ、行きかう方と違和感のない服装になっている事に成長を感じました。風の影響を受けやすいのは、明るく開けた立地だから(南アルプスや八ヶ岳がきれいに望める)と言われます。林の中や、北側に小高い山があると防風の役割を担ってくれるそうです。

寒さが苦手な方は、標高と共に立地も意識されると良いかもしれません。とはいえ、冬の北杜は空気が澄み渡り静かで本当に綺麗。十二年暮らしていても見飽きない景色に、寒さを忘れ励まされる日々です。(八ヶ岳事務所 原 きみえ)

山梨◆八ヶ岳/余寒の候、2月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年2月1日

▲南アルプスに黒い雲が覆いかぶさる。山頂は猛吹雪か。

八ヶ岳南麓では寒い日が続いています。年間を通して2月が寒さのピークとなります。2020年においては、北杜市大泉の気象観測所(標高867m)において、2月6日にマイナス10.6度、翌日の2月7日にマイナス11℃の最低気温を記録しております。この2日間が1年で最も寒い日となりました。

ここまで気温が下がる日はそんないに多くはないですが、それでも毎日の最低気温は氷点下を下まわる日が続きます。最低気温の話をすると、北杜市の冬はこんなに寒いのかと驚く方が多いのですが、実際に生活をしていると、そこまで深刻に感じません。一日の中で、一番寒い時間帯が朝方、多くの人が布団の中にいる時間であること。日中は晴れの日が多く、窓辺にいると太陽の暖かさを感じられます。

▲北杜市の大泉観測所の記録。気象庁ホームページより

上の図は、昨年2月のある一日の気温の変化を見たものですが、日の出の直後からみるみる気温が上がる様子が分かります。また、徒歩で出かける事が少なく、移動はもっぱら暖房の効いた車であることも都会との違いです。都内に住んでいた時は、電車の待ち時間のホームがやたら寒く感じたものです。北杜市では外にいる時間が少ないので、分厚いダウンジャケットもタンスの奥に仕舞われています。最低気温を気にする事も大切ですが、どんな生活スタイルで冬を過ごすかで北杜市の冬は寒くも暖かくもなりそうです。

▲雪化粧をした八ヶ岳の赤岳に朝日がさす。(北杜市大泉町)

北杜市では、冬の時期に多くの人がバードウォッチングを楽しんでいます。この寒い時には森の中に足を踏み入れ野鳥を探すのではなく、自宅のお庭に野鳥を招き入れるのが「八ヶ岳流」です。ホームセンターにはこの時期、野鳥用の餌や、餌台(バードフィーダー)が店頭に並びます。餌台は使用済みのペットボトルで気軽に作ることもできますが、お洒落な凝ったデザインのものも捨てがたい。リビングの窓から見えるお庭の一角に餌台を置けば、暖かい部屋の中から鳥を観察することが出来ます。

▲お庭にて。君の名は、ヤマガラ?

我が家でも昨シーズンから庭に置くようになりました。自分から外に出かけなくとも、様々な鳥たちが、代わる代わると庭を訪れてくれ、可愛らしく、時には賑やかに庭を飛び交う様は見ていて飽きません。鳥の種類によって餌の好みが別れるようです。みかんは「ヒヨドリ」や「メジロ」、ひまわりの種は「シジュウカラ」や「カワラヒワ」が好むそうです。

私は「野鳥のまき餌」という既製品を買って済ませています。ただ、どの鳥を庭に招き入れたいか、その為にどの餌を用意しようか、餌台の形状はどうしようかと考えるのも楽しそうです。鳥の生態に興味を持つことで、今は漫然と見ている鳥の名前も覚えられるのでは。冬の楽しみが、また一つ増えそうですね。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲北杜市のホームセンター。野鳥グッズが所狭し。

山梨◆八ヶ岳/新春の候、1月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2021年1月7日

▲北杜市大泉町。凛と透き通った空気の中、夕陽を浴びて輝く富士。

令和3年、新しい年の始まりです。年が替わると、何か新しい事を始めようとワクワクしたり、奮い立ったりと、気持ちまで切り替わります。今日から新しい生活のスタートですね。

さて、昨年は大変な一年でした。思い返せば、1月こそ、大相撲で返り入幕、幕尻の「徳勝竜」が優勝という快挙で賑やかに年が明けましたが、2月にクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」が横浜港に帰港してからは、新型コロナウィルスに大きく影響された日常となりました。

数ヶ月間、家から一歩も外に出ない生活で過ごした方もいらっしゃったと思います。海外からの渡航者がいなくなり、観光立国を目指し、成長してきたインバウンド(外国人の日本旅行)市場が消滅しました。観光地である北杜市は、「緊急事態宣言」、都道府県をまたぐ移動が制限された4月から6月にかけて、県外ナンバーの車がぐっと減り、普段は賑わう観光スポットが閑散となりました。

八ヶ岳事務所でも「緊急事態宣言」の期間中には、ご案内を山梨県内の方に限って営業をさせていただきました。その後、移動の全面解除、さらには「GoToトラベル」が開始されると、近場の観光地として都市圏から多くの方が訪れ、例年以上の忙しさになった飲食店も多かったようです。北杜市は元々、インバウンドの利用が少なかったので、他の観光地より若干は良かったのかもしれません。

▲北杜市高根町での畔焼きの様子。空気が乾燥する1月の下旬頃に、越冬害虫を駆除するために行われます。

仕事では「リモートワーク」が浸透しました。1箇所に固まって仕事をしなくて良いということから、生活も都市一極集中から分散が可能になり、田舎での生活が脚光を浴びた1年でもありました。インターネットや物流のネットワークがあれば、距離という、今までは大きな足枷であったものを気にせずに生活ができる。八ヶ岳事務所のお客様も現在の仕事をそのままに、移住をしたいという方が大変増えました。昨年までは、「移住」と「転職」がセットになっていたのですから、田舎暮らしのハードルが大きく下がったと言えます。大きな変化でした。

令和2年、後世からは「コロナ禍の年」、「停滞の年」と言われそうですが、個々の人々にとっては生活を見直し、「新しい生き方への道筋」が見えた年でもあったのではないでしょうか。 そして令和3年は「停滞から復帰」、「新しい生活」、「理想の田舎暮らし」へシフトする一年になればと思います。八ヶ岳事務所では、そんな皆様のサポートを出来ればと思います。どうぞ今年もよろしくお願いします。

(八ヶ岳事務所 大久保武文)

ふるさと情報館・八ヶ岳事務所

山梨◆八ヶ岳/冬を間近にする今、今年もあと少し【八ヶ岳スタッフ・日々の業務より】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2020年12月7日


2020年も後半戦。年の初めには、あれをしよう、これをしようと目標とまではいかないものの、皮算用といいましょうか、気持ちも新たに色々考えたものですが、振り返ってみると、毎度のことながら出来たものの方が少ない状況です。

冬に向けての薪割は一向に進んでおらず、薪棚は制作途中のものが半年ほど庭に放置されています。錆びだらけの自転車も処分したいと思いながら、まだ庭にあります。コロナウイルスの影響で出来なかったものもありますね。

一番最たるものがオリンピックの観戦。チケットの入手は出来なかったものの、テレビで観戦できると思っていたものです。昨年より始めた登山も思うように行けませんでした。今年はテント泊で登山を楽しもうと、シーズン前にテント一式を購入しましたが、未だに実現しておりません。

冬を間近にする今、一度くらいは行きたいと、体力、時間に無理のないコースを検討しています。登山とは言えませんが最有力は尾瀬。鳩町峠から尾瀬ヶ原へと続くコースは距離も短く、高低差も少なくテント泊初心者には良さそうです。出来なかったことを振り返りつつ、今から出来ることに集中して年末へ進みたいと思います。(八ヶ岳事務所 大久保 武文)

山梨◆八ヶ岳/寒冷のみぎり・12月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2020年12月1日

▲北杜市の冬は積雪が少なく、晴天の日が続きます。

北杜市の冬は寒さが格段と厳しいと言われます。田舎の方はさらに田舎を見下すことがありますが、甲府の方はマイナスのイメージで北杜市の事を「山梨のシベリア」と呼んでいると聞いたことがあります。本当でしょうか。

「寒い環境は生活にはマイナスで良いことは無い」という感情を私も以前は持っていました。しかし、そんな思い込みを根底から覆したのが、星野道夫の本との出会いでした。アラスカを拠点とした写真家であり、エッセイストの星野道夫。アラスカの自然の動植物の気高さと美しさ、厳しい環境下での人々の営み、彼のその優しい眼差しで書かれる文体と写真に夢中になりました。

そして気づけば寒い環境がマイナスでは無く、自然の個性であり、魅力に感じるようになったのですから不思議なものです。実際に、北杜市に移住した多くの方が冬を好きになります。もしかしたら、四季を通じて冬が一番人気かもしれません。

北杜市の冬は寒さこそ厳しいものの、積雪も少なく、晴天の日が続きます。寒さが、空気を張り詰め、そして浄化をしていくような感覚。静けさの中、2000m 級の山々には雪がつもり、その陰影を深めていきます。寒いからこそ、日中の光の暖かさが愛おしく感じます。寒さが紡ぐ、冬の八ヶ岳の魅力が確かにそこに有るのだと思います。

▲落葉の先に富士山。普段は見えない山並みが見えることも。

さて、物件探しにおいては、北杜市で冬を過ごすかどうかで家の性能や価格に大きな違いが出てきます。別荘地等で低価格で販売されているものは、春から秋の利用を想定した家が多く、そういった家で寒い冬を越すのは難しいところです。一方で最近の高断熱、高気密の家であれば冬も大変快適に過ごすことが出来るようです。以前は少なかった標高が1200m を超える場所でご定住者が増えているのも、家の性能の向上によるものが大きいでしょう。見学の際は、売主が冬を過ごしているか確認をするのも良いでしょう。

目で見て分かりやすい仕様としては、窓ガラスがペアガラスかどうか。ペアガラスでないと過ごせないわけでは無いですが、一番熱が逃げると言われる窓の断熱性を高めてくれるものです。また窓枠はアルミ製のものより、樹脂や木の方が断熱性に優れています。窓を確認する際は、窓枠の素材にも目を向けても面白いですね。自分が冬も北杜市で過ごしたいのか?その答えを探しに冬の八ヶ岳南麓にお越しくださいませ。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲物件の見学時には窓にもご注目。ペアガラスか?素材は何か?

山梨◆八ヶ岳/深秋のみぎり・11月のお知らせ【八ヶ岳南麓・たかねの里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2020年11月7日

▲北杜市から日帰りの距離、大菩薩峠からの眺め。

旧暦で、季節を表す目安として考案された「二十四節気」。「冬至」を中心として1年を24等分したものだそうで、11月7日頃を「立冬(りっとう)」、11月22日頃を「小雪(しょうせつ)」と表します。11月の初旬に冬が始まり、後半には雪がちらつくというところでしょうか。

図表は北杜市(大泉)の10月から12月の気温の変化を示したものです。気象庁のデータにより作成しました。10月から年末にかけて坂を転がり落ちるように最高、最低気温がどんどん下がっている様子が分かります。11月に入ると最高気温は20度をきりはじめます。20度という気温は肌寒さを感じ始める気温でしょうか。厚手の物を羽織ったり、暖房が欲しくなる時期ですね。

▲ 北杜市大泉の2019年10~12月の気温(気象庁のデータより作成)

最低気温に目を向けると、11月の後半からは0度を下まわるようになります。冬の期間、別荘の場合は水道管や給湯器の中の水を抜いておく「水抜き」の作業が必要となります。水は凍るとその体積が10%も増えるそうで、凍結による水道管の破損を防止するために行うものです。その「水抜き」の開始時期として12月の初旬に実施する方が多いのですが、ちょうど最低気温が氷点下になる時期と合致しています。皆さん、最低気温の変化に敏感になって冬を迎えていることが分かります。因みに、定住の場合は、日常的に水道管に水が流れ、給湯器を使い、暖房により家が暖まるため、基本的に「水抜き」をする必要はありません。別荘利用の方は必須の作業です。

▲北杜市長坂町小荒間。イチョウの木の紅葉が美しい。

さて、11月の北杜市は紅葉が見頃を迎えます。山々の木々が様々に葉の色を変え、我々の目を楽しませてくれます。年によって黄色が綺麗だったり、赤色が綺麗だったりと、その年の気候によって引き立つ色が変わります。今年の紅葉はどうなるでしょうか。楽しみですね。11月は新そばの時期でもありますね。湧き水の豊富な土地柄からでしょうか、北杜市には実にたくさんのお蕎麦屋があります。新そばが各店舗に出そろうこの時期に食べ比べをするのも一興でしょう。秋の八ヶ岳も魅力あふれた季節です。是非、お出かけください。(八ヶ岳事務所 大久保 武文)

▲三分一湧水のお蕎麦。

山梨◆八ヶ岳/仲秋のみぎり・10月のお知らせ【八ヶ岳南麓・高根の里だより】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所スタッフ

2020年10月1日

▲赤く染まったもみじ。(北杜市大泉町)

10月を迎えた八ヶ岳。田んぼを見ると、先月までは日差しを受け黄金色に輝いていた稲穂がすっかりと刈り取られています。同時に春に田んぼに水を溜めてから、代掻(しろかき)、田植え、稲穂へと至る過程で見られた、カエルやアメンボ、サギ、スズメ等の多くの虫や鳥たちの賑わいも無くなり、どこか物悲しさが漂います。

一方で田んぼから山の方へ目を向けると、緑から赤や黄色へと色鮮やかに変貌を遂げる木々の葉が目を楽しませてくれます。紅葉の開始時期は、清里などの標高が高いところで10月後半ぐらいからでしょうか。そして昨年の私の記録を見ると10月22日に南アルプスの冠雪を確認しています。甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山の登頂付近にうっすらと積もった雪が、山の輪郭をはっきりとさせ、夏山とは全く違う雰囲気を醸し出します。優しさから厳しさ、近寄りがたさといったものでしょうか。夏の生命力あふれる景色とは、また違う魅力的な景色と出会える八ヶ岳の10月です。

▲稲刈りが終わった田んぼ。(北杜市高根町)

◆心がつながる応援券

以前は「安心・安全」や「エコ」というキーワードの中で使われた「地産地消」という言葉が、地域経済を回すキーワードとして注目されています。北杜市では現在、道端の至る所で黄色い「のぼり旗」を見ることができます。

同一デザインのこの旗は、北杜市が発行した商品券が使えるお店の目印。コロナ禍の経済対策で北杜市民一人当たりに3万円の商品券が配られました。商品券が使えるのは北杜市内の登録店舗。スーパー、飲食店、コンビニといった日常的なものから、自動車整備、工務店などあらゆる業種で使えます。

キーワードは北杜市内のお店。病院でも使えます。色々な場所で商品券が使われるように商品券にはある制限がかかっています。3万円の内、スーパーやホームセンターなどの大型店で使えるのは1万円のみ。美容室、クリーニング等の小売店は2万円まで。そして最大の3万円まで使えるのは観光業です。飲食店、宿泊、レジャー体験などで、観光が盛んな北杜市の産業を反映した結果でしょうか。

因みに8下旬の時点で登録されている飲食店は271軒。こんなにお店があったのかと驚きました。この商品券をきっかけに地域での外食が増えた、初めてのお店に入ったという声を聴きます。地域のお店で楽しむという流れは商品券を使い終わった後も続きそうです。身近な地域を知ることで「地産地消」が進む良い例になりそうですね。(八ヶ岳事務所 大久保武文)

▲昨年の初冠雪?甲斐駒ヶ岳山頂の様子。(北杜市白州町)