ブログ

栃木◆那須/力を合わせた田植えと赤空豆のプレゼント【高久の里山日記・リターンズ】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・那須店/高久 タケ子

2018年7月13日

さぁ~三世代で孫田の田植です。あと何年できるかな?

5月6日 孫田?の田植え

数年前から事務所脇の3aの小さな田んぼを浦和に住む長女家族に開放し、田植えと稲刈りを孫娘達に体験させています。孫娘達も大きくなり(ことみ高2、きなり小6)、それぞれの都合で昨夜帰省し、今朝は8時から田植えが始まりました。次女きなりは、今まで苗運びや端っこの一列だけとちょっとずつ慣れるための参加でしたが、今年は6年生になったので、いよいよ田んぼの中にデビューです。

皆で一列に並び、田んぼの中へ入る前になると「やっぱりお母さんの側がいい~」とすぐ横に入って植え始めました。何とか皆にくっついて頑張っていたが30分もたたないうちに「何やってんのよ~?」と田んぼの中からお母さんのいつもの声? が飛んできました。どうしたの?と聞くと、ちょっとでも楽に植えられるようにと、分けた苗を前方に株間をとってポンポンと投げ配りそれを植えるという「きなり式田植法?」を考えたとか・・・。努力が苦手のきなりらしいな~と思いました。

その後も「ウワーッ!」と叫ぶので何事かと見ると、泥に吸い付いた長靴を田んぼの中に残し、足だけ抜けてしまったとかで、横にいるお母さんに纏わり付いています。どうも飽きたらしい。何だかんだ言いながら1時間30分くらいで田植えは終わり、頑張ったご褒美のおやつにアイスクリームを出すと、大喜びで食べ始めました。

努力が苦手なきなりは、楽に植える方法を常に考えています。

食べながら「この田んぼでお米どの位とれるの?」ときなりに聞かれたので「お米の袋(30㎏)で4個くらいかな~」というと、娘は「え~っ!家で食べるお米の半年分だよ~!」といって驚いていた。私はそれを聞いて「この小さい田んぼで1年分あると思っていたのかよ~!」と思いましたが、余計なことは言わず黙っていました。家族全員ご飯大好きで食べ盛りの子供のいる家の米の消費量は健康のバロメーターのようで、張り合いがあり嬉しいです(炭水化物をお腹いっぱい食べられて羨ましい)。

5月13日 我が家の田植え

農家の後継者不足はどこも同じで、私達の地域でもほとんどの家が大きな機械を持っている人に農作業を委託しています。我が家でも田植えと稲刈りの作業は知り合いにお願いしています。今年もこちらへ移住された4人の方に苗運びと空箱洗いの応援をいただいて無事終了しました。

我が家の耕作面積は1・6haで、そのうち30aを皆さんの力をお借りしてはさ掛けのおいしい自然乾燥米を作っています。夜はお手伝いいただいた方達と早苗振(※さなぶり)のまねごとで豊作を祈りました。赤空豆 コンニャク作りイベント(昨年11月)の時、船橋から参加された女性から赤い空豆の種をいただきました。

大型田植機に苗をのせるお手伝いです。

秋蒔きの野菜は早目に蒔かないと、発芽しても霜柱に持ち上げられ空っ風に吹き飛ばされてどこかに行ってしまうのが関の山と思いながらもすぐ蒔きました。今までに空豆を作ったことがなくちょっと不安でしたが、本格的な寒さが来る前に発芽して雪の日や凍てつくような厳しい冬を無事乗り越えることができました。春になると急に生育状態が良くなり、可愛い花が咲き、グリーンの莢さやがつき、日毎膨らみもうすぐ収穫できそうです。

初めて作った赤空豆。いっぱい収穫できました。

3月末の「味噌作りイベント」に来られたので赤空豆の畑を見てもらうと、あまりにも貧弱でかわいそうと思ったのか、5月の連休に赤空豆の詰まった莢を沢山持って来てくれました。「生の赤空豆をご飯の中に入れて炊くとおいしいよ」と聞いたのでさっそく炊いてみました。炊き上がりを見てびっくり! まさにお赤飯そのものです。やわらかな甘み、ほっこりとした食感、ご飯にも豆の香りがほんのりとしていてとってもおいしい。赤空豆の豆ご飯を食べるたび「ハッピー」な気分になります。(那須店 高久 タケ子)

※早苗振り(さなぶり):昔は田植えが終わると水口(川から田へ水を引く口)に植えてある苗をとり束ねて神棚に上げ、田の神様に田植えの無事終了を報告して豊作を祈り、酒、魚のごちそうで祝った。

お赤飯のような赤空豆ご飯。食べるたびハッピーな気分になります。

↓↓↓栃木・那須物件一覧はこちら↓↓↓

宮城◆白石蔵王/天候ばかりは人知の及ばぬ世界にて「蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙」

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年7月4日


※写真はイメージ

山道を軽快な自転車で駆け上がる競技、ヒルクライム。蔵王観光の象徴として町を代表する行事となりました。蔵王の山頂千七百メートルを目指すこの大会も今年で7回目。今年の開催は5月20日。残雪の白壁を縫う山岳コースが人気で、知名度もずいぶんあがりました。

蔵王山の噴火警戒解除が遅れ、参加申し込みの選手が今年は例年より減ったのが残念でした。それでも、役場からの募集に応じ、コースなかばの標高800メートル地点で給水を担当するボランティアチームに加わりました。

当日は早朝4時起き。妻に送られて集合地点でバスを待っていると、入ってきた情報は前線の異常で大会は急遽中止の知らせ。蔵王山は中腹から上が降雪3センチ、道路部分は氷結の通行不可で、選手以下千名のイベントがあっけなく水に流れてしまいました。

陽が昇ると蔵王は今年一番という好天となり、信じられない空模様になりましたが、これだけは人知の及ばぬ世界、来年に期すしかありません。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)


※日本の蔵王ヒルクライム・エコ2018実行委員会のfacebookより
========================================================================
日本の蔵王・ヒルクライム・エコ2018
https://www.zao-hillclimbeco.com/

宮城◆白石蔵王/隣人が替わる~ペンションオーナーの世代交代【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年6月11日

長い間、軒をならべて営業しあってきたお隣のペンションから売却の相談を受け、話し合いのうえ、本誌で読者に紹介することで、厳冬期というハンディを負いながら短期に買い手につなげることができました。20年前に私がペンションを始めた時、すでに開業後12年の実績をお持ちで、東北にはまったく無知な私に、この地の特性や宿泊事情をこまかく指導してくれたオーナーに、今回は転出のお手伝いで応えることができました。

私は蔵王に移住する前、八ヶ岳で10年間の田舎暮らし(二地域居住)を体験し、甲斐大泉や清里でペンションの仲介経験を重ねていましたので、自身のペンション経験は自信をもってスタートできたと思います。平成10年ごろのペンション業界は、みな忙しかった創業期を過ぎ、ちょうど上昇後の航空機が巡航速度に移ったような状態でしたが、子弟の教育事情や繁忙疲れから早々と転業を考える方が出はじめるころでもありました。

それから20年の昨今、軒並みにオーナーの高齢化が進み、気力、体力の低下が売却の大きな要因となっています。田舎暮らしへの憧憬が都市社会で言われる一方で、ペンションオーナーの後継ぎ息子たちは、親爺の期待とは裏腹に、都会の花に魅せられて走り出ていきます。 今回のお手伝いは「もう32年やったものね」というオーナーの充足感からの売却でしたので、譲渡価格も低廉に設定され、次の所有者に喜ばれて引き継がれました。その顛末はまたご報告します。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

=============================================

☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。

ペンションそらまめ

栃木◆那須/忘れ物にアレが多い、穴場的な新しい温泉なんだそうです【地域店・日々の業務より】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・那須店 / 高久 重廣

2018年6月4日

那須といえば温泉で、〝那須七湯〟の天然温泉で有名ですが、近年話題になっているのが町の南東部にある「芦野温泉」です。芦野温泉は旧奥州街道の宿場町芦野本陣の近くにある穴場的な新しい温泉です。昨年末、親戚が勤めている関係で「神経痛に効能があるよ」と回数券を頂いたので約10年ぶりに行ったところ、以前より大々的に改装されていました。

ここは源泉かけ流しの温泉で、アルカリ単純泉「ツルの湯」と水素温泉「メラの湯」の浴槽二つがあり、両方とも魅力ある温泉です。通路を渡ると露天風呂と好評の10種類の薬草が入った「薬草の湯」がこの温泉の最大の特徴で、この薬草風呂が〝イタイ温泉〟として人気です。

湯の色は茶色で薬草の匂いも強く、漢方薬を煎じた匂いそのもので、効果抜群で刺激性強く、ぬるめの湯ですが5分ぐらいでチリチリ、ピリピリと体のあちこちが焼けるような痛み?を感じます。でも風呂から出た後で全身から汗が吹き出し、次の日まで効果を感じることが出来ます。例えようのない「イタミ」と薬草の匂い、これだけでも効きそうです。

忘れ物に杖が一番多いとか・・・本当かな? (那須店 高久 重廣)

==============================================================================================
芦野温泉
http://www.asinoonsen.co.jp/

那須物件一覧

↓↓↓栃木・那須物件一覧はこちら↓↓↓

宮城◆白石蔵王/国の登録有形文化財・豪商の屋敷を楽しむ【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年5月21日

蔵王町の隣は、仙台伊達藩の出城があった白石市。その東隣が、町中を阿武隈川がゆったりと流れる丸森町です。那須高原から北上し、太平洋にそそぐ阿武隈川の水量でかつては大いに栄えた水運の町で、いまは農、工、商、それに観光面でもあまり目立たない静かな町です。

ビルなどほとんどない町の中心部に残された古い豪商の屋敷が、いまはこの町のシンボルになっていて観光拠点として渋い人気を集めています。江戸後期から営業していた豪商「齋藤屋」は、昭和25年に七代目で廃業、その広い屋敷と家財一式を町に寄贈。受けた丸森町は代々の当主の名前「理助」から、ここを郷士館「齋理屋敷(さいりやしき)」と名付け公開しています。


※写真はイメージ

国の登録有形文化財として認定された蔵12棟の中には、嘉永元年建築でいまだレストランとして営業中のものもあり、大切に収納されてきた多くのお宝や庭園とともに四季おりおりの風情を楽しませてくれています。江戸、明治、大正、昭和と流れた時代に使われてきた斎藤家七代の家具、農機具、衣装、食器、書画、玩具など、豪商の生活雑器を蔵のひとつひとつをまわりながら見て歩く1時間はとても充実しています。

蔵王に移住して以来、ペンションのお客様を案内してたびたび訪れますが、手入れの行き届く館内や展示に共感を覚えるのは私だけではないようです。若い移住者を歓迎する丸森町の姿勢に水を少しさした東日本大震災は残念でしたが、もう影響はほとんどないようです。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

丸森町観光案内所「蔵の郷土館齋理屋敷」
http://marumori.jp/spot/sairiyashiki/

=============================================

☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。

ペンションそらまめ

栃木◆那須/毎年恒例!ヒヤリと安堵の手作り味噌作り【高久の里山日記リターンズ】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・那須店/高久 タケ子

2018年5月14日


3月24日 味噌作り一日目 参加者31名

年に一度の味噌作りイベント本番の朝がやって来ました。今日と明日の2日間は大釜に火を焚き付け、皆さんが集まるまでに味噌豆を煮ておくという責任のある仕事が任されています。

早朝4時ちょっと過ぎ、懐中電灯の明かりを頼りに大釜のあるテントの方に向って歩き出すと、シャリ!シャリ!と霜を踏み締める音がして、枯草や薪の上に霜が降りてキラキラ光っています。大釜のそばに行くと、昨日準備の時に、誰かがすぐ焚き付けられるようにと焚き付けや薪等をセットして置いてくれていたので、とっても楽でした。お陰様で刻々と変わっていく朝の空を眺めながら今日一日の無事を祈る余裕もありました。

その後順調に燃え続けた大釜から、7時頃になると、予定どおりふきこぼれが始まったので、後は焦げ付かないように火加減するだけです。集合時間近くになると、ボチボチと集まってくる参加者に「一度に作ることができないので、順番に始めて下さ~い!」と日野屋さん(※毎年手作り味噌の指導をお願いしているお味噌屋さん)の声が掛かり、いよいよ味噌作り開始です。


大釜から熱熱の味噌豆が入った大きなザルが運ばれてくると、次にその味噌豆を潰すのですが、今は電動なのでとっても楽で捗ります。潰した味噌豆の中に麹と塩を混ぜ合わせ、煮汁を入れて良く練り合わせ桶に詰めます。

その時に味噌玉を思いきり桶に叩き付ける人がいますが、日野屋さんの話では、重石を載せるのでそうしなくても大丈夫だそうです。自分の味噌は自分で作るのですが、皆さんそれぞれにお手伝いをして、和気あいあいと味噌作りをしていました。

1年たって味噌が食べられるようになると、嬉しくって30㎏入った桶から大盤振る舞いで知り合いにあげて気が付いたら自分の食べる分が無くなってスーパーから買って食べた、という人が数人いました。貰った人達も一度食べると次も催促されるのだとか。嬉しいことですね。

3月25日 味噌作り二日目 参加者29名

寝過ごしては大変!と、うたた寝程度の睡眠で、今朝も4時に起きて大釜に向う。昨夕大雨が降りテントまでの道はグチョグチョで、テントの中にある大釜の焚き口や薪が濡れたり湿ったりと想定外の事が起こっていた。

色々な焚き付けを探して火を付けてもその時だけですぐ消えてしまう。頻り色々試しながら考えていると、同級生のいっちゃんの言葉が閃いた。イベントの度「割箸捨てないで取っておいて~。これ焚き付けにすごく良いんだよ~」と言っていたのを思い出し、それを持って来て直接火を付けると、初めはポヤポヤと頼りない炎が、あっという間に釜口に詰めておいた色々なものに燃え移り、バンザーイ!と叫びたい心境でした。昨日より1時間遅れで始まった味噌豆煮ですが、30分遅れぐらいでふきこぼれが始まったので「ふぅ~やれやれ~」と安堵の胸をなでおろしました。


昨年1歳8ヶ月で参加した男の子が、今年は2歳8ヶ月になりちょっと男っぽく?なって再び参加しました。坊主頭にエプロン姿で忠実に動く姿は、パパのコピーそのものです。お母さんの側でちょこまかとお手伝いをしているので、熱熱お煮しめを差し入れするとおいしそうに食べていました。


昼食の準備が整い、それぞれ席に着き「いただきま~す!」と食べ始まって少したった時、男の子が突然大声で泣き叫び出しました。焼魚の小骨が喉に刺さったとかで、何としても泣き止まないので病院に行くことになり、パパが迎えに来ました。男の子の名前が呼ばれると、「ウワ~ッ!」とご機嫌な声を張り上げ、大きく広げたパパの腕の中に駆け込みました。男の子を抱き上げると、「喉が痛かったんだよ」という男の子の話をやさしく聞いているパパの姿に、シルバー世代の私達は「CMかドラマのひとコマを見ているようだね~」としばし見入ってしまいました。


病院の診断は、いつの間にか小骨は取れてしまったらしく、大丈夫だとのことで安心しました。泣きじゃくっているうち取れたかな?

今年も無事終わりました。1年後の味噌がおいしくできることを祈っています。お疲れ様でした。
(那須店 高久 タケ子)

↓↓↓栃木・那須物件一覧はこちら↓↓↓

宮城◆白石蔵王/緊急提言!ペンションを受け皿に【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年4月21日

政府は12 年後の2030年には昨年比2倍強の年間6千万人の訪日観光客を見込んでいると発表しました。年間8百万人台で長く伸び悩んでいた訪日客が加速度をつけて多くなっているのは最近どこでも実感できます。浅草の雷門に行ってみると、平日なのに世界中からきた観光客の人波のすさまじさにおどろいてしまい、この2倍の人をどう捌くのかと考えてしまいます。

農水省は旗をふって農家民宿の推進、拡大をうたい、この6月には法改正で一般民家への民泊もかなり緩和させるようです。訪日客受け入れには単純にいうと、いまの2倍のベッドが必要なわけですが、客を泊める部屋や家族でもてなすことのできる農家が簡単に増えるわけもあり得ません。ちなみに観光と農業の町を称する蔵王町に農家民宿は一軒もなく、その姿勢も見えません。

先日、農泊推進のセミナーが仙台でありましたので、『日本には50年ほどの歴史をもつペンションという民宿が全国にあり、高齢化で休業状態の店が多いから、この業態を観光庁の力で再編成、設備や経営をリノベーションして若い起業家に任せたら訪日客のすばらしい受け皿になる』と提案してきました。

消防署、保健所などからの営業許可もすでに持ち、宿としての仕様も農家民宿の比ではありません。イギリスのB&Bに匹敵する宿泊文化を日本につくりだす機会をこの爆発する訪日観光客がもたらしてくれるはずです。 一世を風靡した日本のペンション群の再生は、いまならまだ充分間に合います。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。

ペンションそらまめ

宮城◆白石蔵王/蔵王山の咳払い~火山活動【蔵王ツーリズム・遠刈田からの手紙】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年3月24日

2月早々、4年前の発令を繰り返すように蔵王山の火山活動が再発とニュースが流されました。火山列島の日本では、いつもどこかの活火山の咳払いが高感度のセンサーで捉えられて噴火警戒レベルを示されて緊急通報されます。

ほとほと困るのは、観光ヘの悪影響です。想定火口に近い市町村の一部だけに伝えられ、住民に万一を用心してもらえれば充分の、ごくごくの初期情報が瞬時に全国放送されることです。

御嶽山、箱根、草津と鳴動が続いたあとの放映でしたので、蔵王もやはり怖いという風評が発信されてしまいました。厳冬期で、山頂の想定火口の周囲1200mに近づくのはベテランのスキーヤーぐらいなのに、10㎞も離れた温泉街や多くの別荘地まで警戒され、観光客の敬遠を呼んでいます。

噴石はむろん、噴煙も見えず、感じる振動も全くありません。山頂に沢山埋められた感知計がかすかな微動を感じたという根拠ですから、何度空撮しても、いまは雪に埋もれて静かに眠る「お釜」が写るだけです。

大火事は一過性で済む事故ですが、噴火予測の風評は発令以後に何年も残って地域経済を苦しめます。安心、安全のための情報が住民を泣かすことがないように報道の仕方、表現には普段から工夫を考えたいものです。刺激の強かった草津本白根山噴火の報道はその点、上手で、噴火情報を逆手に使った宣伝になっていたのには感心しました。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

=============================================

☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。

ペンションそらまめ