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東京◆本部/567,7㎞、途中下車不可の巻【本部スタッフ・全国乗り鉄漫遊記】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2025年3月24日

▲大都市近郊区間内完結であれば、一筆書きでどれだけ様々な駅を経由しても、実際乗車したルートに関わらずA 駅→ B 駅の最短経路運賃で乗車出来ます(これがいわゆる大回り乗車)。

3月15日のダイヤ改正にて、新たに長野エリアの大都市近郊区間が拡大され、篠ノ井・信越本線(松本〜長野)及び大糸線(松本〜穂高)にて、Suica等の交通系ICカードが利用可能となります。

松本を境に分断されていたキャッシュレス文化も1つになることで、これまで以上に磁気定期券からSuica定期券に乗り換える通勤通学の方々も増えることが予想されます(アルピコ交通上高地線は引き続きIC非対応)。

一方で大都市近郊区間が拡大するということは、マニアの方ならご存知の通り、その区間内での途中下車制度が利用出来なくなることを意味します。

JRの片道乗車券は営業キロ101㎞(有効期間2日間)以上であれば、区間内の各駅で途中下車出来るのが原則です。

そのため、これまでは東京都区内→松本(特定都区市内を発着し片道200㎞超の乗車券の場合は指定された東京等の中心駅を起算)で切符を発券すると、途中駅で自動改札機に切符を通すと無慈悲にも「下車前途無効」の名目により飲まれてしまうため、松本から目と鼻の先にある大糸線の北松本まで余分に乗車券を購入すると途中下車出来るという裏技がありました。

しかし、これからは大糸線だと穂高より先の有明以遠で発券しなければ途中下車は出来ません。

▲東京近郊区間と仙台近郊区間のどちらにも属さない、常磐線で唯一IC非対応の無人駅、桃内駅(福島県南相馬市小高区)。この駅まで余分に乗車券を発券することで、途中下車を可能にすることも出来ます。

ちなみに首都圏の大都市近郊区間の最北限は、現状では福島県双葉郡浪江町の常磐線浪江駅となり、今回拡大した長野から区間内での最短距離はなんと567,7㎞(有効期間4日間)にも相当します。

普通列車だけで移動すると片道約11時間以上も要する圧倒的長距離ですが、無論1枚の乗車券で途中下車は認めらません(なお東京〜上野を新幹線経由として発券すれば、実際に新幹線に乗車しなくても途中下車出来る上級者向けの裏技もあります。分岐駅通過特例・旅客営業規則第160条及び並行選択乗車特例・旅客営業規則第16条の2を参照)。

中央本線にて安曇野・長野方面へお出かけの皆様。Suica1枚で利用出来る利便性の反面、ふらっと松本でランチ・・・なんて降りてしまうと、また初乗り運賃が発生することをお忘れなきよう。(本部 髙橋瑞希)

東京◆本部/遠距離通勤住居の終焉【本部スタッフ・全国乗り鉄漫遊記】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2024年3月24日

▲東京から成東・勝浦・上総湊を結ぶ通勤快速は、3月15日がラストランとなりました。

3月と言えば皆さんはどんな行事を想像しますか。

私はまず鉄道各社のダイヤ改正を意識してしまいますが、今年の発表内容には現在進行形で世間を騒がせているものがあります。

それは東京と千葉を結ぶJR京葉線の朝夕の快速・通勤快速の全面廃止、全列車各駅停車化です。

京葉線はディズニーランドへの輸送はもちろんのこと、総武快速線のラッシュ緩和を目的として1990年に全通し、その当初から快速・通勤快速が房総方面と東京の通勤輸送を支えてきました。

これを契機に千葉県内ではベッドタウン化が加速し、不動産業者は「東京駅まで最速○○分」というマイホームニーズをくすぐる魅力的な物件広告で時代を謳歌しました。

しかしここに来て突然の廃止発表に沿線自治体は廃止撤回要請を表明。

その結果としてJR側が一部譲歩し朝の快速を2本のみ維持する形となりましたが、2本だけでは何の意味もないと未だにJRと沿線の間ではわだかまりが残っている現状。

快速・通勤快速で遠距離通勤することを前提に、千葉郊外にマイホームを構えた方々にとっては、まさに寝耳に水といった話でしょう。

今回はJRの沿線自治体への事前打診がなかった点が、騒動の最たる原因と思われますが、JRも一民間企業とはいえ、利用客があってこその交通インフラ事業という社会的責務を全うするよう、自治体と協力して魅力的な沿線づくりを行って頂きたいと切に願います。(本部 高橋瑞希)