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宮城◆白石蔵王/こけしと宮のたまご【いくぞ北東北!所長ふるさと随想録】

この記事の投稿者: 八ヶ岳事務所・中村健二

2021年4月15日

▲蔵王町こけし館(入館料は300円)

東北地方を代表する民芸品といえばやはり「こけし」の右に出るものはないにように思う。蔵王町遠刈田温泉(ざおうまちとおがったせん)で物件の所有者と打ち合わせをする前、「蔵王町こけし館」に寄ってみて驚いた。その数の「多さ」と「多様性」にである。

ふつう「こけし」といえば頭が大きくなで肩で、一直線に伸びた胴の愛らしい姿を思い浮かべるが、同じ宮城県内でもこの「こけし」の発祥地といわれる遠刈田や「こけし」の生産量日本一の鳴子(なるこ)そして名湯の作並(さくなみ)や秋保(あきう)などの各温泉地などのほか、岩手県の南部系や山形蔵王系によっても違いがあるのだ。姿・胴・頭・瞼(二重か一重か)・鼻(丸鼻か猫鼻か)などはそれぞれの地域によって特徴があり、しかも体系的に作られてきたという。

秋田県の皆瀬村(現湯沢市)木地山系の「こけし」はなんと頭頂部に赤いリボンがつけられているらしい。「こけし」工人の心意気が感じられて良いですね。ちなみに「こけし」の樹種は東北地方に自生する「みずき」がもっとも多く使われるという。その理由は心材辺材とも白色か黄白色で、木の肌目が緻密であるからだとも。

▲展示されているこけしたち。

遠刈田温泉から十数キロ南下すると「宮(みや)」という地区がある。その地名のいわれとなったのが十世紀の『延喜式』にも名を連ね、伊達家家臣で白石(しろいし)城主片倉家の総守護神の「刈田峯(かったみね)神社」だといわれる。刈田峯とはこれまでにもたびたび噴火を繰り返してきた蔵王連山のことである(蔵王町ジオパーク推進室)。

また、「白鳥(しらとり)大明神」の別名を持っており、まさにそれは『古事記』の神話的世界なのだ。生き別れとなったヤマトタケルの子が成人し、やがて生まれ故郷に白鳥として舞い戻って帰ってきたことに由来するという。そんな話を教えてくれたのが、遅い昼食をどこで取ろうかと車を走らせていた時にたまたま寄った高台のレストランのオーナーだった。名前を我妻(あがつま)さんという。

この辺りではよく聞くお名前だが、わたしとしては『民法総則』(岩波書店刊)の著者である我妻(わがつま)栄先生(山形県米沢市出身)を思い出してしまう苦い思い出のある名字なのだ。このレストランのある辺り一帯は、蔵王連山の東側を流れる松川の段丘地帯で、背後に蔵王連山の一角をなす青麻山(あおそさん)(標高799m)がそびえる。その東端に位置し、そこだけ舌状に飛び出した高低差のある丘陵地となっているのが特徴だ。

その後、店舗建築にあたり事前に町の教育委員会による遺跡発掘が行われた。その結果、なんといまから四千七百年前の縄文中期後葉の囲炉裏を持つ竪穴住居跡七軒のほか、土器や石器が発見されたのだった(「根方(ねかた)A 遺跡」)。ここにはひとつの集落が形成されていたのである。

近隣の松川沿いの河岸段丘にもこのほかの縄文遺跡が発掘されており、その当時の人々の暮らしぶりがうかがえる。見晴らしの利くこうした場所を選ぶセンスというか、縄文人はあらためてすごいなと感心させられるほどの場所である。

▲ corrot 蔵王町宮字持長地104-3 電話0224-26-8565

farmer’s cafe corrot.

このファーマーズ・カフェ「corrot(コロット)」では鶏卵農家である我妻さんのたまごを使った絶品料理が味わえる。雌鶏の産むたまごの数を少なくすることによって濃厚な黄身になるという。口コミでそうした評判を聞きつけた人たちが来てくれるようになり、その日も平日の午後遅くにもかかわらずテーブル席はほぼ埋まっていた。

▲この渾身の一皿(税込1380円)。ランチは11:00~14:30(水休)

宮城県には移住定住に積極的な市町村が多い。わたし的にはそういった印象があり、今後このコーナーでも随時取り上げていきたいと思っている。この蔵王町もそのひとつだ。仙台方面からは車で一時間程度。蔵王連山の南東側に広がる町域には別荘やペンション、レストランも数多い。面積は百五十三平方キロメートル(東京二十三区の約四分の一)あり、一万一千四百人ほどが暮らしている。

遠刈田温泉(高原地帯)から宮地区(田園地帯)まで標高差が大きいのも特徴だ。別荘地には有名なチーズ工場があり冬場もレストランや直売所がオープンしている。町役場の窓口は庁舎二階にあるまちづくり推進課が担当している。「住むなら蔵王だ!!」として移住定住ガイドブックを市のHP からもダウンロードできる。丁寧な職員の対応が心強い。(宮城・岩手・秋田担当 中村健二)

お問い合わせは蔵王町まちづくり推進課へ

宮城県刈田郡蔵王町大字円田字西浦北10番地
電 話:0224-33-2212(町づくり推進課・直通)
電 話:0224-33-3284(環境政策課・直通)
メールでの問い合わせも可

宮城◆白石蔵王/冬は暖地で ~ 22年間のキャリアの先に ~【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2020年2月29日

年も明け、蔵王にもまた寒さが帰ってきました。昨年は2月号で沖縄への短期避寒滞在のプランを書いて、4月号でその体験談を細かく述べましたら、読者から多くの問い合わせがきました。新潟、山梨、茨城など、冬は寒いだろうと思われる所にお住まいの方から「もっとくわしく聞かせて」と要望され、なかには当ペンションに泊まられて、一晩ゆっくり沖縄滞在を語り合ったご夫婦まであらわれました。二組のご夫婦が一年前の私たちと同じこの2月、私たちが滞在した宿に実際行かれているはずです。

極寒期の2月、田舎暮らしは寒さに辛抱の季節であり、夏涼しい立地ほど冬は寒さにひたすら耐えねばなりません。別荘としてならともかく、定住となると雪や氷で屋外作業が制限されますから、もんもんとして暗い室内で春を待つだけの生活になりがちです。

子供は成長してもうおらず、仕事もないのに時間はいくらでもあり、経済的な負担も軽いとなれば、冬の一時期を暖かな南国の地で避寒滞在の生活を、とは高齢者ならどなたでも考えることです。

今回、私の情報がお役にたった二組のご夫婦は、いずれも奥様主導で、キリキリと計画され、実行に移されました。女性は強し!です。お帰りになられたら一部始終をぜひうかがって滞在記を書いてみようと考えています。22年間、ペンションを経営しこの3月でひとまず幕を降ろしたいと考えています。その後の生活はまだ未定ですが、より能動的に動きたいと思います。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)

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http://www.soramame-p.com/
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宮城◆白石蔵王/何もかもが、おすすめです【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年12月17日

本誌先月号(11月号)24頁に掲載された蔵王の物件は、私のところから車で5分と近いペンションで、同業の知人の立場で売却の相談を受けたものです。平成5年開業と、まだ新しいのですが、建物よりオーナー夫妻の年齢が継続を難しくさせてしまいました。

歳をとると、しみじみ悟ることですが年齢には逆らえません。仕事と暮らしを都会を離れてリセットするなら一日でも早いほうがよい、を実感させられた案件です。

新築開業後わずか25年で人手に渡すのは無念でしょうが、敷地300坪に2階建100坪のこの瀟洒な小ホテルをこの金額で得られる買い手、二番目のオーナーは幸運ではないでしょうか。ペンション再開案だけではなく、独り暮らしが増えるいま、この蔵王町の私の身近にも単身世帯のお仲間が目立ってきましたので、こういう人たちを受け入れる「シェアハウス」という自宅兼用の集合賃貸住宅に転用することも考えられます。


さまざまな業績、経歴のひとたちが、適度な距離感で自然に交流して暮らしていける住まいへの転身です。自室以外に広いリビング、しっかりした本格的なキッチン、きれいなトイレや洗面所、浴室には熱い温泉が終日溢れているという質の高い共用設備をすでに備えているこの中古ペンションは、理想的な集合住宅になり得ます。

オーナーも暮らせるプライベートスペースが91㎡も確保されていて、申し分ありません。11月号をもう一度開いてみてください。
(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

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宮城◆白石蔵王/3株で充分~身の丈にあった菜園面積に【遠刈田温泉・ペンション奮闘記】

この記事の投稿者: 白石蔵王駐在/渡辺 和夫

2018年11月25日


都会と違って土地に不足のない田舎では、昨今欲しければ菜園はいくらでも広くできる状況にあります。私共で耕作する「そらまめ農園」も20年の間に500坪に広がりました。

カラマツの林間にあるペンションの敷地は300坪あっても大半は耕作に適しませんので、この500坪は2キロ下った平坦地の耕作放棄地を借りているものです。戦後に開拓に入った篤農家が60年近く丹精込めた農地は地味豊かで、石コロひとつなく、寒冷気味の弱点を忍べば申し分ない菜園です。

元気にまかせ、広げ続けて楽しんできた菜園ですが、高齢の体力の衰えで今年あたりから、その半分以上はいささかお荷物となりはじめ、雑草に圧倒されるようになりました。よい農地ほど肥沃が災いして恐ろしいほどの雑草のジャングルにすぐ変わってしまいます。 いつかペンションにお泊まりの農家のお客様からアドバイスされた「シロウトの畑は10坪が限界、500坪など論外」という指摘をつくづく実感しています。

来年は高く伸びた雑草をそのまま防風林がわりに残し、風下の、日照もよい場所を選んで囲み、20坪ほどの菜園に縮小します。インゲン、ズッキーニ、キュウリ、シシトウ、南瓜、トマトなどペンションで使う多くの野菜は、3株も植え、手厚く育てれば調理に過不足の心配はないと経験上心得ていますから、私の後期高齢の余生の畑仕事は、そこに収束していくに間違いはありません。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)

 

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