確か、十数年前だったと思います。スマホはまだ無く、インターネットでも鮮明な地図検索ができなかった時分。物件について中国から一件のメール問合せがありました。
「池みたいな水は何ですか?」
「裏の木はツバキですか?」
「何段目の土地までが境界ですか?」などなど。
ホームページに掲載した写真には載っていないはずのご質問。その後何度かのメールのやり取りで合点がいかれたようで、なんと「それでは〇月〇日、お金を持って日本へ行きますので契約をお願いします」と。
半信半疑で当日を迎えましたが、異国の地よりそのお客様は現れ、本当に契約を交わしました。
「見学もしていないのにどうして物件の詳細が分かったのですか」の質問に、
「アメリカの〇〇に頼むと写真を送ってくれるんですよ、もちろん写真一枚〇〇円で」との答え。
そんなことができるのかと感心しました。
そして現在。インターネットを通じて世界各地から問合せを頂きます。英語のものは文明の利器を活用して翻訳するのでそれほど問題はありません。
「じゃ、明日、〇時に羽田へ到着するから〇時に〇〇駅で」
案内後
「今回の物件は希望に合いませんでしたのでお断りします。明日、羽田から帰ります」
時間的にも物理的にも、世界が小さくなったぁ、と思うようになりました。
(本部 金澤 和宏)
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