秋田城から離れますが、秋田城(773年)と同世代に建立された薬師寺(718年)金堂を高田好胤(こういん)管長の発願で再建したとき、その木材調達に携わったことがありました。
大阪万博が終わった頃、金堂の柱材調達の依頼が会社にあり、当時、名古屋にいたので寺と建設関係者を営林局や貯木場に案内したが、その方々に会って驚いたのは、西岡常一法隆寺宮大工と薬師寺執事長でした。
求める木材は、長さ10m以上のヒノキを何十本ということでしたが該当するものは木曽をはじめ日本にはもうないことを理解していただきました。
そこで、アメリカの米桧は如何ですかと提案すると、執事長は少し考えて、あそこは宗教が違うからなぁと、無信教の私には考えられないような反応があり驚きました。
それでは台湾桧はと云いますとあそこは宗教が同じだなぁと考えていました。
西岡棟梁からは上棟の主柱に「一千年の木には一千年の命あり」と墨書するのだ、樹齢一千年の木は一千年後に力が一番強くなり、さらに一千年後までは力が衰えない、ということを教えられました。
その後、薬師寺、建築関係者が台湾に行き、台湾桧を使うことになったと聞きました。今は台湾では丸太を輸出禁止にしています。
この体験は私が同世代創建の秋田城に出会い古代にロマンを寄せるきっかけの一つになったといえます。(つづく) (秋田駐在 片山保)
投稿者プロフィール
- 元大手ハウスメーカー会社専務取締役。2001年よりふるさと情報館に協力、秋田の現地駐在として地域情報を提供を行う。現在は市内にある「東海林太郎音楽館・大鵬ギャラリーの管理人、秋田城址で観光ボランティアなど幅広く地域活動に勤しむ日々。
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