木造校舎のような・・・。山梨県北杜市1450万円(物件NO16392N)
▲昭和レトロを感じさせる外観・室内。
この物件は八ヶ岳の南麓、JR で最も標高の高いところを走る高原鉄道・小海線甲斐大泉駅の駅上にあるコーヒー焙煎処です。周辺は大陸からの帰還者によって戦後開拓された場所で、標高1200メートル以上の高原地帯です。
ですから「大開(おおびらき)」とか「帰農(きのう」と言った独特の字名が残っています。このあたりは俳優の柳生博さんのお店もありますね。
ペンションや別荘のほか、最近では甲斐大泉駅に上ってくる県道沿いに飲食店やパン屋ができたり、パノラマの湯や個人医院も開業したりと、南麓屈指の賑わいを見せていて都会から移住される方も非常に多いです。
北杜市のまちづくり条例における「森林共生区域」に指定され、八ヶ岳の赤岳がほんとうに大きくダイナミックな表情を見せています。
この物件は関西出身の方が12年ほど前に購入されたもの。それ以前には画家のアトリエでした。カラマツ林の静かな環境の中で油絵を描いていた板張りの木造建築であったものを、私のお客様である今の所有者が購入されたのです。
「名水の誉れ高いこの地の水を使ってコーヒー焙煎処をやりたい!」と奥様を説得しご夫婦そろって移住。当時は建物の建て付けが悪かったのか隙間風も侵入し、板張りの外壁もところどころ塗装が必要になってきたり、と悪戦苦闘。それでも屋根に積もった落ち葉を払って屋根を葺き替え、北側の物置は友人なども泊まれるように居室へとリフォームされました。
メインの道路から1本も2本も入った場所にあり、お店としての立地条件は良くない。というよりも悪い場所だ。でもどういうわけか来店者の評判は違い、「落ち着いて静かな時間が過ごせる」ともっぱら評価が高い。
「くたびれた外観も味があって良い」、「新築にはない時間の流れが感じられる」と昭和レトロの木造住宅と彼の渾身を込めた焙煎力が、皆さまに愛されてきました。
国元に残した親の介護が必要となり売却の決断。それが今年3月の初め。
「和歌山へ帰ってもコーヒー焙煎処を続けるつもりですか?」と私。「もちろんです」とオーナーはどこかハニカミながら答えた。 愛着のある物件だからこそ次に引き継がれてほしい、そんな思いが感じられるひとことだった。(八ヶ岳事務所 中村健二)
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