政府は12 年後の2030年には昨年比2倍強の年間6千万人の訪日観光客を見込んでいると発表しました。年間8百万人台で長く伸び悩んでいた訪日客が加速度をつけて多くなっているのは最近どこでも実感できます。浅草の雷門に行ってみると、平日なのに世界中からきた観光客の人波のすさまじさにおどろいてしまい、この2倍の人をどう捌くのかと考えてしまいます。
農水省は旗をふって農家民宿の推進、拡大をうたい、この6月には法改正で一般民家への民泊もかなり緩和させるようです。訪日客受け入れには単純にいうと、いまの2倍のベッドが必要なわけですが、客を泊める部屋や家族でもてなすことのできる農家が簡単に増えるわけもあり得ません。ちなみに観光と農業の町を称する蔵王町に農家民宿は一軒もなく、その姿勢も見えません。
先日、農泊推進のセミナーが仙台でありましたので、『日本には50年ほどの歴史をもつペンションという民宿が全国にあり、高齢化で休業状態の店が多いから、この業態を観光庁の力で再編成、設備や経営をリノベーションして若い起業家に任せたら訪日客のすばらしい受け皿になる』と提案してきました。
消防署、保健所などからの営業許可もすでに持ち、宿としての仕様も農家民宿の比ではありません。イギリスのB&Bに匹敵する宿泊文化を日本につくりだす機会をこの爆発する訪日観光客がもたらしてくれるはずです。 一世を風靡した日本のペンション群の再生は、いまならまだ充分間に合います。(白石蔵王駐在 渡辺 和夫)
☆渡辺さんが経営する宮城蔵王・遠刈田温泉郷ペンションそらまめのホームページ
http://www.soramame-p.com/
「ペンションそらまめ」で検索できます。