2月に始まった新型コロナウイルスによる厄災は、5月7日の報道によると、この地球上に370万人という患者を発生させ、内25万人を死亡させてしまいました。この先どれほどの人がコロナの犠牲になるのでしょうか。
21世紀の科学文明社会のいまでは考えられないような、まさに悪霊の仕業で、人の肺にすばやく潜り、窒息させる手口の、そのおぞましさに各先進国もたじたじの有様です。感染者対策の長期化の自粛疲れや、経済の収束を考えて対策の緩和に走る国や地方都市もみえてきました。
日本政府の専門家会議は「緊急事態宣言」を5月31日までと延長策を慎重に発表しました。「新しい生活様式を」などという発表は何かと期待していましたら、他人との接触機会を減らすための通信販売や電子決済の活用、オンライン会議、テレワーク、OA 機器を使った感染への警戒を求め、マスクの着用、手洗い、在宅勤務、時差出勤、帰省、出張、対面同席、会話・会席を控え、「3密」防止をさらに勧めていただけです。
私は人間社会の理想は過剰な都市文明の否定にあり、本誌の趣意、「田舎に暮らす」ことに要諦があると信じています。自粛要請にこたえてペンションの予約はすべて断り、閑散とした温泉街の蔵王町の1ヵ月は終わりました。(白石蔵王駐在 渡辺和夫)