秋田城跡の発掘調査が本格的にはじめて今年で50年になるが史跡の一割弱程度です。
この間に発掘された遺構、遺物は相当な数量です。遺構は前回に記した古代水洗厠舎をはじめ、政庁の塀や正殿など約九百点、遺物は漆紙文書(うるしがみもんじょ)、木簡、人面墨書土器、胞衣壷(えなつぼ)など一万点余で、中には大変めずらしいものもあります。
漆紙文書は役所が保管期限を過ぎた文書を漆職人に払い下げ、それを漆容器の蓋に使いそれに漆がついために腐らずに残っていたもので、赤外線カメラでみると、文字が現れてくるものです。
例えば奈良時代の暦は何年かで新しい様式に変わっていますが、具注暦(ぐちゅうれき)と大衍暦(だいえんれき)の二種類の暦(漆紙文書)が同じ遺跡から発掘されたのは全国初とのこと。
胞衣壷は生まれた子供の胎盤と針・糸・筆・硬貨などを壷に入れて埋める風習があり、大学病院で調べたところ、B型の男児とのことでした。
和同開珎銀銭は全国で50枚位しか発掘していませんが、その一枚が秋田城から出土しています。
文献資料が少ない遺跡なので今後の発掘で何が出てくるか興味津々でガイド活動を楽しんでいます。(つづく)(秋田駐在 片山保)
※秋田城でボランティアガイド~その1~はこちらから
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