▲水がはられた田んぼに空が写る。遠くには富士山。(山梨県北杜市大泉町)
北杜市の5月は、春の陽気が引き続き楽しめる季節といえるでしょう。
暦の上では、今年は5月5日が立夏、夏の気配が立ち上がる時期となりますが、北杜市はまだまだ春の陽気で、夏の気配は感じられません。季節の変わり目では無く、気候が安定する月。3月から4月へかけては、日ごとに気温が目まぐるしく変わり、体調を崩す方が多かったですが、5月は疲れを癒す良い機会となりそうです。
北杜市の5月の風景は、田んぼの水張りから始まります。
初旬から八ヶ岳南麓の傾斜を活かした棚田に、勢いよく水が入れられます。冬の間に固くなった土でボコボコと荒れた水面が、耕すことで綺麗な水面へと変化をしていきます。
茶色一色だった田んぼに命が吹き込まれるような、心が癒される景色で、水面には空や山、星空までもが映り込みます。田植え前の僅かな期間、私のお気に入りの北杜市の風景です。
わが家でこの時期の恒例としているのが、スズメバチトラップの設置です。これは冬眠から目覚めて単独で活動している嬢王蜂を捕獲することで、巣づくりを防ぎ、スズメバチの繁殖を防ぐためにおこなうものです。
▲スズメバチトラップ。容器は市販のもの、誘引剤は自分で作成。
スズメバチの巣は1年しか使用されず、冬を越した嬢王蜂は新たに巣を作るために、春からウロウロと活動します。近くに巣が出来てしまうと、大量のスズメバチが繁殖し発生、家の周りをブンブン飛び回り、大変怖い状況になります。その為、巣を作る前の嬢王蜂を捕獲することがポイントとなります。
トラップの作り方は、難しいものでは無く、容器に、蜂を誘い込む液体(誘引剤)を入れ、木の枝などにぶら下げておきます。容器は一度入ると、出られないように細工されています。ペットボトルで作る事も可能ですが、私はめんどくさがりで市販のものを使っています。
誘引剤は家庭で作れ、自分は焼酎とお酢、黒砂糖を混ぜたものにしています。オレンジジュース、ブドウの皮等も良いらしいです。誘引剤は人にとっても美味しそうです。なお、お酢を入れることでミツバチはトラップに来なくなるとのこと。
このスズメバチトラップを4カ所、庭にぶら下げておくのですが、効果は絶大で3週間程で容器がスズメバチでいっぱいになります。おかげで、ここ数年は家にスズメバチの巣が作られることはありませんでした。
▲新緑の季節。ミヤマザクラの花が咲く。(山梨県北杜市大泉町)
今年も巣が作られませんようにと、願掛けして設置する北杜市の5月です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)