ブログ

岩手◆遠野/遥かなる奥州平泉・浄土庭園と紅葉に訪れまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年12月12日

▲色鮮やかな大泉が池の紅葉。

当事務所の紹介移住者の多い地域の岩手県南部の平泉町。この町にある毛越寺(もうつうじ)は、「平泉仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の構成資産の一つとして世界遺産に登録されています。何と言っても平安時代末期の遺構の浄土庭園と言われる大泉が池の紅葉は、一層幻想的に浄土へと誘ってくれます。

▲平安絵巻さながらの鹿踊。

出島石組と池中立石、曲水の宴が行われる遺水(やりみず)は、日本唯一の遺構で、春には遣水と称する小川に浮かべた杯が流れつくまでに十二単重と狩衣姿の歌人たちが歌を詠み合う宴が、平安絵巻さながらに催されます。寺伝によれば、西暦850年に中尊寺と同年に円仁(慈覚大師)の創建で、天台宗の寺院で現在の本尊は薬師如来立像とのことですが、大火で焼失後に奥州藤原氏第二代基衡、第三代秀衡によって再興され、かの義経公も拝んだであろう仏閣と浄土庭園が、当時資料に基づき再興されています。

時間の経つのも忘れて、平安の風に吹かれて清らかな気持ちになれました。この一帯は、中尊寺、束稲山、骨寺荘園跡、厳美渓、須川温泉、東山猊鼻渓等の岩手の歴史と観光の名所が多く、比較的に気候も温暖な住み易い所ですので、是非御来訪をお待ちしています。
(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

岩手県の物件一覧はこちら

岩手◆遠野/遊び心が光る「旅の産直」が開設されまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年11月20日

▲緑あふれる産地直売所。

JR釜石線・遠野駅から徒歩3分の古民家を借りて、遠野市の「認定NP0法人 遠野 山・里・暮らしネットワーク」が、滞在型観光の総合案内所「遠野旅の産地直売所」(旅の産直)を開設しました。

歴史ある店舗や人の営みを紹介し、物語を地域資源として掘起こして、体験メニューを提供するそうです。主なものに「まちぶら」プログラムとして、中心街の魅力を発掘したスタッフがガイドを務め、提携した飲食店や癒しのスポット等を歩いて廻る10コースがあり、興味に応じてアレンジも可能です。

▲気楽に立ち寄れるまちぶらスポット。

ツアー参加者には十数店で使える独自通貨「カッパ」が発行されて、遊び心が満載。同法人は岩手の農村民泊の旗手として2003年に設立以降ノウハウを蓄積し、十数軒まで増えてきた農家民宿の紹介や郷土芸能体験などをコーディネートして柔軟に応じたいとのことです。

体験(コト)することが人気を集める傾向の中で、地方の価値を発信する新たな拠点として注目を集めています。(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)


遠野旅の産地直売所

〒028-0522 岩手県遠野市新穀町2−3
営業時間は午前9時半~午後4時、火・水曜日定休、予約などの問い合わせは0198-66-3543まで。

============================================
遠野旅の産地直売所「遠野 山・里・暮らしネットワーク」facebookページ
https://www.facebook.com/tono.natural.life.network/

認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク
http://www.tonotv.com/members/yamasatonet/

岩手◆遠野/近代の神々しい朝の風景に感動いたしまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年10月28日

▲朝日が射し込む貞任高原。

遠野市と釜石市、大槌町にまたがる貞任(さだとう)高原は、その昔の陸奥の雄、安部貞任から由来し、元々は遠野市土淵町の貞任牧野組合が管理する放牧地です。

かつて馬産地として盛んなころは、牛馬の夏山放牧や乾燥牧草の収穫にフル活用されていたのですが、近年は牛馬の減少に伴い未利用地が多くなっていました。

貞任高原

そんな中で、高原の峯を吹き抜ける強い風を利用した風力発電が平成16年から稼働しており、ハブの高さは68m、回転翼(ローター)の直径61.4mと圧倒的な大きさの風車が、遠野側12基、釜石側17基、大槌側14基設置されて、総電力42,900kW、遠野・釜石・大槌のほぼ全域に当たる約3万世帯分の発電量を誇っています。

▲山頂に見える風車の群れ。

この風景は「日本のふるさと遠野」と称している当地域には不似合いな風景と思っていたのですが、先頃、立秋の朝日にけむる風車の神々しい風景に出合い感激してしました。

(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

岩手県の物件一覧はこちら

岩手◆花巻/「雨ニモマケズ」の心に感慨を憶えまして【みちのく岩手・新遠野】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年9月28日

▲庭園に佇む賢治の像。

岩手県花巻市は宮沢賢治のふるさとで、この度「羅須地人協会(らすちじんきょうかい)」の建物を見学してきました。

同施設は岩手県立花巻農業高等学校の敷地内に宮沢家の別宅(花巻市桜町)にあった建物を花巻農学校同窓会が賢治先生の教えを繋ごうと、この地に移築して管理しているものでした。

賢治先生は農学校の教師をしていましたが「農民との共生」と、ご自分の思想を探求すべく教員を辞めて、農民のための私塾「羅須地人協会」を設立しました。そしてこの建物で農耕自炊をしながら無償で「肥料設計」や「稲作指導」等に奔走するとともに、楽器演奏を楽しむなど、多彩な活動の拠点としたそうです。

建物の入口の横の「下ノ畑二居リマス」と記された黒板が迎えてくれ、中に入ると「風の叉三郎」のモデルになった方が着ていたマントが展示されており、一階の十帖のリビングには、当時の塾の面影と懐かしい写真類、そして、縁側から見える庭園(羅須庭園)と、遠くには賢治先生の銅像が静かな時間を醸し出しています。

おそらく、かの「雨ニモマケズ、風ニモマケズ・・・」の精神が、この施設での活動の柱であったろうと感慨を憶えるのでした。

賢治先生に関わる施設としては「童話村」や「記念館」も近くにありますので、是非お寄り頂きたい処です。
(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

「羅須地人協会」(〒025-0004 岩手県花巻市葛第1地割1−68)

岩手◆釜石市/鎮魂の祈り・ラグビーワールドカップに思いを寄せまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年8月28日

釜石市鵜住居町(うのすまいちょう)は8年前の東日本大震災で、大きな津波被害を受けました。小生の前職団体の鵜住居支店も高さ10mも越える大津波に襲われて、二階建の建物は完全に水没したのです。

大津波襲来の3日後に連絡の取れない支店職員の捜索に、握り飯と水筒をリュックに詰めて、流された鉄道線路跡伝いに、変わり果てた支店までたどり着いたときの恐怖感と絶望感は、今も鮮明に覚えています。それから、延べ一ケ月に渡って避難所や遺体安置所を巡って不明者の捜索をしたのですが、残念ながら四名職員が亡くなりました。

そんな、この世の果てを呈した「鵜住居地区」の浸水危険地域を嵩上げして、公園や商工業施設、そして釜石ならではのラグビーの世界基準の大会が出来る競技施設として「釜石鵜住居復興スタジアム」が完成しました。

「釜石」と言えば、新日鉄釜石の全日本選手権7連覇をした1980年台の全盛期を思い出しますが、その縁あって今年日本で開催される「ラグビーワールドカップ」のフィジーvsウルグアイ戦が9月25日(水)に、10月13日(日)にナミビアvsカナダ戦が開催されます。

同僚四名を含めてこの地域で被災された方々の鎮魂を祈りながら、ワールドカップを観戦したいと思ってます。
(みちのく岩手事務所 佐々木泰文)

「釜石鵜住居復興スタジアム」岩手県釜石市鵜住居町第18地割5-1

==================================
8/10㈯18:00より第4次一般発売開始!!!
ラグビーワールドカップ2019日本大会
第4次一般販売(先着)がいよいよ8/10(土)18:00よりスタート!!

詳しくはこちらから⇒https://tickets.rugbyworldcup.com/
==================================

宮城◆気仙沼/気仙沼大島に橋がかかりまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年7月20日

先日、物件調査に宮城県気仙沼市に行った際に、今年4月に開通した気仙沼大島大橋を渡ってみました。25年ほど前に、小生の家族4人で小学生の夏休み旅行に行った際は、気仙沼港から直ぐ目の前の大島までカーフェリーに乗って30分弱の船旅で、デッキではカモメに餌をやる楽しみもあって、ちょっとした観光気分を味わえるものでした。

大島に渡ると、船着場からお土産屋、ちっちゃな公園と、展望台までのロープウェイ、少し外に出れば、綺麗な砂浜と多くの民宿が並んでいました。

今回、気仙沼市内から、真っ白に立派にできた橋を渡って大島に入りました。8年前の東日本大震災によって、当時の面影がほとんど流失し、様相が一変していましたが、気仙沼湾の眺望、外郭の浜辺の美しさは、以前と変らない風景でした。念願の橋が出来て便利になったのは良いのですが、フェリーに乗ったプチ旅行の楽しみがなくなり寂しさも感じます。

この気仙沼湾に面して、大島を眺めながら暮らせる、気仙大工の粋をつくした物件と、小さな入り江を独り占めして暮らせる物件もありますので、是非御来訪願いたいところです。(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野/不思議な「違う力」が湧いてきまして【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年7月4日

北国の遅い春も、いよいよ本番が来て、待ちに待った農作業の時期がやってきました。以前は3haを超える水田と畑を作付けし、兼業サラリーマンでしたので、朝晩と休日の作業で、早い時は早朝四時起床、夜八時までの外作業、その合間に通勤、勤務と、今から考えると、途方もなくタフでスタミナがあったものと感心します。

現在は家族が食べられるくらいの水田と家庭菜園ですが、還暦を過ぎた体力には、これでも大変な位です。この間、2歳になったばかりの初孫が、田植えの手伝いと称して、娘と里帰りしてしばらく居たのですが、孫の仕種を見ていると、不思議な「違う力」が湧いてくるのです。

この孫が二十歳になるまでは、元気で居なければとの思いと、まだまだ現役で頑張るぞと思えてきます。孫の元気をもらって、益々頑張りたいと思います。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)

岩手◆遠野市/伝統的な技!佳麗な神輿の奉納でございます【みちのく岩手・新遠野物語】

この記事の投稿者: みちのく岩手事務所/ 佐々木 泰文・佐々木 敬文 

2019年6月16日

小生が宮司を勤める遠野市の日出神社に地元工務店の会長さまから、一年がかりで作成した手造りの佳麗な神輿を寄贈頂きました。工務店の会長で、御歳91歳を迎える林崎様は30代で工務店を立ち上げて以来、地元はもとより岩手県沿岸部まで、その腕を買われて住宅から公共事業工事まで幅広く事業を展開してきました。そして寄る御年なみと、住宅建築の近代化が進んだことで、やむなく工務店を数年前に閉業したのです。

現代の住宅建築は、皆様も御存知の通り工法の変革が進み、パネル工法が主流となり、従来からの木材に墨縄を掛けて木造りする技術は、ほとんど使用されなくなっています。大工さん方も、一つ一つの繊細な技術の継承者が、どんどん少なくなってきているようです。かつて、日本が誇ってきた伝統的な技術はもとより、工業界においても日本人ならではの繊細な技術力の伝承の危機だと聞いています。

この林崎様は、40年以上前から当神社の責任役員をお務めになり、ご自分の置き土産として神輿を奉納して御引退されますが、地方の神社は今まで地域の職人さんの御奉仕を頂いて、守り伝えて来たのが実情ですので、林崎様の敬神の篤志に感謝するとともに、これからも地元の方々と共に支え合いながら伝統を守り伝えたいと思う処です。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)