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九州◆南部/南九州の鶏刺し文化【本部スタッフ・ご当地ローカル発見伝】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2025年4月30日

▲鹿児島・宮崎のローカルスーパー「タイヨー」では、精肉コーナーに必ず確保されている「鳥刺しゾーン」。

日本は世界でも稀に見るほどの食材への衛生管理概念が徹底された国で、毎日当たり前のように生卵やお刺身を楽しむことが出来ます。

ただそうは言っても、食中毒の観点から肉を生で食べることは推奨されていないため、赤身が消えるまでよく焼いて食べることが常識となっています。

ところが鶏肉文化の盛んな九州では、よく居酒屋で「鶏刺し」なるメニューが見受けられます。

鶏刺しとは文字通り鶏肉のお刺身で、鰹のたたきのように表面だけ炙った鶏肉を、甘い九州醤油にネギ・ニンニク・ショウガ等の薬味と一緒に頂く郷土料理です。

食感はビントロに似ており、個人的には九州に訪れる際は必ず注文したいメニューの1つですが、私は宮崎県・鹿児島県内で生産された商品でなければ決して頼みません。

その理由は、宮崎県・鹿児島県では鶏刺しとして提供する鶏肉については、独自の厳しい衛生基準「生食用食鶏肉の衛生基準」が定められており、これにクリアしたものだけがスーパーの店頭に並ぶというもので、これにより鶏刺しにおける食中毒の発生率は非常に低いものとなっています。

いくら全国各地のご当地グルメを取り揃えた東京でも、本場の鶏刺しは現地まで足を運ぶ手間暇を惜しまなければあり付けない絶品です。

このような食を通じて地元を潤す一滴こそが、地方創生の地道な一歩なのかもしれません。(本部 髙橋瑞希)