10月中旬から下旬ごろに北海道では「雪虫」が飛び交います。「雪虫」とは体長5㎜前後の小さく綿で包まれた虫で、飛び方が雪のようにふわふわと飛ぶので「雪虫」と呼ばれています。
「雪虫」を見て秋の終わりと冬の訪れを感じ、そろそろ雪が降るのかと思うのです。まさに「北海道の風物詩」といえます。
「雪虫」は人を避けずに突進してくるため必ず頭や服についてしまいます。自転車やバイクを乗る人は目や口に入ってしまうこともあるので厄介です。それゆえ帰宅時の玄関先では頭や服に付いている雪虫を払い落してから家に入るのがこの時期のルーティンとなります。
東京では「雪虫」を見ることもないので上京した年は少し違和感を覚えましたが、それも年が経つにつれて何も感じなくなりました。「雪虫」を当たり前だと思っていた当時は「雪虫」に対して何も感じませんでしたが、今思うと季節を感じさせてくれる雪国ならではの虫なので感慨深いものです。(本部 井上美穂)