▲カラマツが黄色に葉を染める。奥には雪をかぶった北岳の姿。
本格的な冬まであと一歩という月でしょうか。
10月の後半から最低気温が5℃を切りはじめ、11月の下旬には0℃を下回る日が増えてきます。最高気温も10月までは20℃を超える日もありましたが、11月に入るとなかなか20℃まで上がる日は無くなり、上がっても15℃という日が多くなります。
人間の体というのは不思議なもので、細かく違いが気になる温度帯と、大雑把にしか捉えない温度帯があるように思います。
分かりやすいものだとお風呂の温度。39℃だとぬるめに感じ、41℃だと熱々で長時間浸かっていられない。この人間が生存できる体温は42℃と聞いたことがありますが、この付近の温度には体が敏感であるように感じます。
同じように普段生活する中で、私が肌感覚で敏感になる室温が20℃です。この室温を下回ると途端に寒く感じる。皆さんもそのようなことは無いでしょうか?
11月はその気温を常に下回る季節となるので、冬をより感じてしまうのではと思う今日この頃です。
同じように気温を直に感じ、その姿を変えていくのが植物です。10月から11月のこの期間、標高の高いところから順々に山を下るように八ヶ岳は紅葉をしていきます。
桜の木などは、特に気温の違いに敏感なのでしょうか、10月の頭から早々にその葉を色づかせています。花に比べると、全く紅葉では注目されない桜ですが、紅葉の先陣を切るという意味で早々に季節の変わり目を教えてくれます。
▲紅葉の名所。通称「赤い橋」、東沢大橋から見る八ヶ岳。
冬の底はまだまだ先なのですが、体は寒さに驚くこの季節。11月はどれだけ暖房に頼るのか毎年迷うところです。本当に寒くなったら無理をしない、暖房をケチらない方が体に良いと決めているのですが、最初から暖房に頼らずに、体を寒さに慣らした方が良いのではとも思うところ。
地元の大工さんには、暑さには弱いが、寒さにはめっぽう強い方が多くて感覚の違いに驚かされることが度々あります。少し寒くなった方が、気持ちが良くて、体の調子が良いとのこと。私は寒がりな方で、暖かいは善、寒いは悪と思っていたので、目からウロコの言葉となりました。
寒くなるにつれ、「暖かさとは?」と色々と考えてしまう11月です。(八ヶ岳事務所 大久保武文)