▲朧銀花入「微香」。
天明鋳物師(てんみょういもじ)の正田忠雄(しょうだ ただお)さんの作品を見に今年も日本橋三越店で開催された「第70回日本伝統工芸展」へ伺いました。
正田さんの今年の入選作品は朧銀花入(おぼろぎんはないれ)「微香(びこう)」。
タイトルは正田さんのご自宅のお庭に植えられている蓮の花が、口を切って花がまさに咲こうとしているところで、わずかに漂って来る微かな香りから「微香」と名付けられたそうです。蓮はわずか4日で咲き終わる花だとか。
正田さんの作品は図案をおこして石膏を削り出し、土を練って石膏原型から鋳型(いがた)を写しとります。制作期間は約1ヵ月間。
表面はとても光沢感があり、私はしばし見入ってしまいました。この光沢感を出すために腕が痛くなるほど磨かれるそうです。
▲日本伝統工芸展の入口前での正田忠雄さん。
正田さんの作品が気になる方は11月17日㈮〜23日㈭に栃木県佐野市のギャラリーファンタジアで開催される展覧会にお越しくださいませ。静謐(せいひつ)な世界をどうぞお楽しみください。(本部 井上美穂)
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☆「天明鋳物」について
2022年10月号掲載 天明鋳物
2022年11月号掲載 天明(てんみょう)鋳物師(いもじ)「正田忠雄」