▲南アルプスに黒い雲が覆いかぶさる。山頂は猛吹雪か。
八ヶ岳南麓では寒い日が続いています。年間を通して2月が寒さのピークとなります。2020年においては、北杜市大泉の気象観測所(標高867m)において、2月6日にマイナス10.6度、翌日の2月7日にマイナス11℃の最低気温を記録しております。この2日間が1年で最も寒い日となりました。
ここまで気温が下がる日はそんないに多くはないですが、それでも毎日の最低気温は氷点下を下まわる日が続きます。最低気温の話をすると、北杜市の冬はこんなに寒いのかと驚く方が多いのですが、実際に生活をしていると、そこまで深刻に感じません。一日の中で、一番寒い時間帯が朝方、多くの人が布団の中にいる時間であること。日中は晴れの日が多く、窓辺にいると太陽の暖かさを感じられます。
▲北杜市の大泉観測所の記録。気象庁ホームページより
上の図は、昨年2月のある一日の気温の変化を見たものですが、日の出の直後からみるみる気温が上がる様子が分かります。また、徒歩で出かける事が少なく、移動はもっぱら暖房の効いた車であることも都会との違いです。都内に住んでいた時は、電車の待ち時間のホームがやたら寒く感じたものです。北杜市では外にいる時間が少ないので、分厚いダウンジャケットもタンスの奥に仕舞われています。最低気温を気にする事も大切ですが、どんな生活スタイルで冬を過ごすかで北杜市の冬は寒くも暖かくもなりそうです。
▲雪化粧をした八ヶ岳の赤岳に朝日がさす。(北杜市大泉町)
北杜市では、冬の時期に多くの人がバードウォッチングを楽しんでいます。この寒い時には森の中に足を踏み入れ野鳥を探すのではなく、自宅のお庭に野鳥を招き入れるのが「八ヶ岳流」です。ホームセンターにはこの時期、野鳥用の餌や、餌台(バードフィーダー)が店頭に並びます。餌台は使用済みのペットボトルで気軽に作ることもできますが、お洒落な凝ったデザインのものも捨てがたい。リビングの窓から見えるお庭の一角に餌台を置けば、暖かい部屋の中から鳥を観察することが出来ます。
▲お庭にて。君の名は、ヤマガラ?
我が家でも昨シーズンから庭に置くようになりました。自分から外に出かけなくとも、様々な鳥たちが、代わる代わると庭を訪れてくれ、可愛らしく、時には賑やかに庭を飛び交う様は見ていて飽きません。鳥の種類によって餌の好みが別れるようです。みかんは「ヒヨドリ」や「メジロ」、ひまわりの種は「シジュウカラ」や「カワラヒワ」が好むそうです。
私は「野鳥のまき餌」という既製品を買って済ませています。ただ、どの鳥を庭に招き入れたいか、その為にどの餌を用意しようか、餌台の形状はどうしようかと考えるのも楽しそうです。鳥の生態に興味を持つことで、今は漫然と見ている鳥の名前も覚えられるのでは。冬の楽しみが、また一つ増えそうですね。(八ヶ岳事務所 大久保武文)
▲北杜市のホームセンター。野鳥グッズが所狭し。